「ORIST技術セミナービジネスマッチングブログ第53回勉強会」開催報告その3

株式会社新宿屋 代表取締役 丸吉 肇 様

中小企業がブログで成功をつかむ方法-BMB15年の実績が伝える成功の法則-

BMB事務局の川本です。

7月24日、MOBIOにて開催された標記セミナーの報告、最後はBMBのチャレンジャー!株式会社新宿屋 代表取締役 丸吉 肇 様から「エキゾチックレザーを使った婦人靴のプロモーション戦略」というテーマでご講演いただきました。

丸吉さんには、勤務していた信用金庫が経営破綻を起こし、お客様に多大な被害をもたらしたという苦い経験があります。
その後丸吉さんは、株式会社ニュー新宿屋靴店に再就職され、「shinjukuya」ブランドの責任者として働いていました。

ニュー新宿屋靴店は1974年創業の老舗婦人靴メーカーで、爬虫類の革を中心とした婦人靴を製造販売していました。
ところが、その会社も事業閉鎖に追い込まれ、M&Aによって親会社が次々に変わるという事態に陥ります。

株式会社新宿屋 代表取締役 丸吉 肇 様

丸吉さんは、信用金庫での後悔を二度と繰り返したくないと、とある出来事をきっかけに、このブランドを守るため自ら買収に動きます。
2015年、株式会社新宿屋の経営者として再スタートをきります。

「shinjukuya」は、世界の一流品大図鑑にも載るような会社でしたが、50年間一度もプロモーションをしておらず、お金をかけずにこのブランドを人々に知ってもらうには、Webによる情報発信が欠かせないと考えました。
2017年からインスタグラムを始めます。2018年にはfacebookページやtwitter、BMBにもエキゾチックレザーの婦人靴や展示会の情報を投稿するようになりました。

最初の転機が訪れたのは、あきらめずに2回目のチャレンジで受賞した、「大阪ものづくり優良企業賞2021」です。
受賞の報告をプレスリリースし、ブログやSNSにも掲載したところ、新聞社より取材の依頼がありました。一つのメディアが風を呼び連鎖が起こります。

とにかく新しいことにチャレンジしようと、クラウドファンディングにも挑戦し、「クロコ・テディ」のチャームが219%の目標達成を勝ち取りました。

新宿屋が爆発的にメディアに取り上げられるきっかけになったのは、気仙沼産のサメ革を使った婦人靴でした。
この商品は、2011年の東日本大震災の際に新宿屋の社員が現地で被災し、地元の親切な方にお世話になった恩返しにと、気仙沼の特産品として開発したものです。

当初は開発の経緯を隠していました。感謝の思いを商売に利用することに抵抗があったからです。ところがKishi-Bizのアドバイザーから、開発のきっかけになったストーリーを伝えることは、「復興支援を推し進めると共に、この靴を欲しいと思う人に情報を届けるのは丸吉さんの役目」との助言を受け、考えを改めました。

新宿屋、サメ革を活用した婦人靴の開発発表

Kishi-Bizと気仙沼Bizとの連携により、令和4年2月に気仙沼市長も同席する記者会見で「気仙沼産ヨシキリザメを利用した婦人靴の開発」が発表されました。
地元の放送局や新聞社、共同通信社が集まる会見でしたが、またたくまに東北から全国へとニュースが広がっていきました。
「震災時、社員が助けられた恩返しに・・・」というキャッチコピーがついたことは言うまでもありません。

このような経験から丸吉さんが学んだことは、人の力を借りると言うことです。小さな中小企業が自力でできることには限界があります。
自治体や公益財団、銀行など、無料で使える支援機関に協力を仰ぎましょう!そして成果が出れば、その結果を常にホームページやブログ・SNSで発信することです。

そうすると、いい循環が生まれます。取引先からの信用が増し、仕事が増えます。多くの人に知ってもらうことで、BtoCのチャンスが広がります。

信じたことを続けることで、関西テレビの「よ〜いドン!」となりの人間国宝にも認定していただきました。また、国務大臣の高市早苗さんからご注文をいただきました。


丸吉さんの好きな言葉は、「あきらめない」「念ずれば花開く」。【感謝 誠意 おかげさま】を大切にご縁をつくる。です。
人生の浮き沈みを乗り越えられた丸吉さんだからこそ、その言葉は私たちの心に響きます。