BMB第60回勉強会開催報告

BMB第60回勉強会の開催報告
 
テーマ: 「AIエージェントが拓く、次世代の業務自動化」 異常検知・ハザード予測を支えるAIオーケストレーション
日 時: 2026年1月23日(金) 15:00~17:30
会 場: マイドームおおさか 4階研修室(大阪市中央区本町橋2-5)
参加費: 無料
参加者: 19名

本勉強会では、生成AIを単発の作業ではなく、一連の業務プロセスとして能動的に活用する「AIオーケストレーション」に焦点を当て、4つのセッションが実施されました。

AIエージェントが拓く、次世代の業務自動化

内容詳細:

1. LLMとAIエージェントの基礎知識
    ◦ 講師:喜多 俊輔 氏((地独)大阪産業技術研究所)
    ◦ 内容:AIエージェントの基本概念と、大規模言語モデル(LLM)との関係性についての解説。

LLMとAIエージェントの基礎知識

l  要旨: 大規模言語モデル(LLM)の動作原理や学習手法、およびAIエージェントの基本概念について解説されました。LLMは、入力されたテキストに基づき次にくる単語の確率を計算するTransformerベースのモデルであり、人間の嗜好に沿うようRLHF(人間からのフィードバックを用いた強化学習)などで微調整されています。AIエージェントは、このLLMを「脳」として活用し、外部知識(RAG)やツール実行を組み合わせて自律的にタスクを遂行するシステムです。講演では、複雑なタスクを効率的に処理するためのワークフロー設計パターン(プロンプト・チェイニング、ルーティング、オーケストレーター・ワーカー型など)についても紹介されました。

 


 


2. テキスト情報を利用した論理的異常検知手法について
    ◦ 講師:北口 勝久 氏((地独)大阪産業技術研究所)
    ◦ 内容:LLMと画像理解を組み合わせ、画像内の「個数不足」や「組み合わせ間違い」などの論理的異常を検出する事例の紹介。

テキスト情報を利用した論理的異常検知手法について

l  要旨: 生成AI(VLM:視覚言語モデル)を活用し、従来の画像検査では困難だった「論理的異常」を検知する手法が紹介されました。キズや汚れといった「構造的異常」に対し、論理的異常は「個数の不一致」や「組み合わせの間違い」など、単品では正常でも全体として矛盾がある状態を指します。SAA+などの学習不要なゼロショットモデルを改良し、画像から抽出したマスク情報の「面積」「重心位置」「個数」を論理的に照合することで、事前の学習データなしで高い識別率(Breakfast Boxで88%など)を実現した事例が示されました。

YouTube動画のリンク:https://youtu.be/tpuYIfCFaLk



 
3. AIエージェントの組み込み
    ◦ 講師:朴 忠植 氏((地独)大阪産業技術研究所)
    ◦ 内容:Pythonを用いたAIエージェントの具体的な実装方法についての紹介。

AIエージェントの組み込み

l  要旨: Pythonを用いたAIエージェントの具体的な実装方法と、業務適用の考え方について解説されました。従来のシステムが苦手とした「曖昧な内容の理解」や「現場の暗黙知を活用した判断」をAIエージェントが担うことで、営業資料の検索から回答ドラフト生成、製造現場でのトラブル対処法提示までを自動化できることが示されました。実装においては、創造性を制御する「Temperature(温度)」パラメータの調整や、専門特化した複数のエージェントを司令塔が制御する「マルチエージェント・システム」の有効性が強調されました。また、Difyなどのノーコードツールの普及により、導入のハードルが下がっている現状も紹介されました。

 



 
4. Google Notebook LMとAI Studioの比較
    ◦ 実演:川本 誓文((公財)大阪産業局)
    ◦ 内容:AIアシスタント「Notebook LM」と「AI Studio」を用い、複雑な情報の分析手順を比較しながらの実演。

Google Notebook LMとAI Studioの比較

l   要旨: GoogleのAIアシスタント「Notebook LM」を用い、複雑な情報をリサーチ・分析する手順が実演されました。Notebook LMは、外部資料をアップロードするだけで、その内容に基づいたチャット形式の回答生成や、プレゼン資料、音声解説などをワンクリックで作成できるツールです。次いで、Webアプリの設計・試作に長けた「AI Studio」と比較しながら、複雑な情報を迅速に理解・整理するための具体的な操作手順や活用イメージが提示されました。
 


 
アンケート結果:回答17名
 
満足度:100%(大変満足47%、満足53%)
 
個別回答:
•       明日からでも試せる内容だったため。
•       思ったより高レベルで、情報処理知識がないと理解しきれなかったのでは。よくあるセミナーでは、ここまで専門的な話はされず、表面的な部分だけなので、大変参考になった。
•       AIエージェントやLLMの基礎知識から実用例まで知れたため。
•       ノーコードで出来る事は多いと感じました。システム開発前のテストで使えそう。
•       最初、内容がかなり専門的でついていけないのではと不安でしたが、4人の講師の方がだんだん実践に落とし込んで説明して下さったので、名前だけ聞いて全く使おうとしていなかった、Google Notebool LMをまず使ってみようと思いました。次に、AI Studioまで使えたらと思います。