「ORIST技術セミナービジネスマッチングブログ第53回勉強会」開催報告その2

治部電機株式会社 代表取締役社長 治部 健

中小企業がブログで成功をつかむ方法-BMB15年の実績が伝える成功の法則-

BMB事務局の川本です。

昨日に続き、7月24日、MOBIOで開催された標記セミナーの報告です。2番手はBMBのデータアナリスト!治部電機株式会社 代表取締役社長 治部 健 様から「検索エンジンにヒットさせるWebコンテンツの作り方」というテーマでご講演いただきました。

治部電機株式会社は、1964年に大阪市淀川区で創業した変圧器メーカーです。(現在は本社が兵庫県尼崎市)
主に産業用変圧器を製造・販売しており、その技術力は国内トップクラスです。
また、アモルファス変圧器(ETV環境技術実証事業製品)や高周波変圧器など、環境に配慮した製品も開発・製造しています。

治部電機さんのWeb戦略は、仕様の異なる変圧器の情報を1つ1つ丁寧に取り上げ、サイトやブログに掲載するという地道なものです。

治部電機株式会社 代表取締役社長 治部 健

以前、治部さんが自社サイトのアクセス解析をしたところ、ランディングページ(検索結果から最初に訪れるページ)のほとんどが、変圧器の事例集でした。その数値は、トップページのアクセス数を大きく上回るものだったそうです。そこから、顧客は知りたい変圧器のキーワードを入力し、目当ての変圧器のページに直接辿り着いているということが分かりました。

現在、治部電機さんのサイトには、変圧器の製品検索データベースが組み込まれています(変圧器情報780件)。
このページから製品検索をかけることはもちろんできますが、Googleのキーワード検索から、ダイレクトに事例集のページに行くことの方が多いようです。

治部さんは、BMBにもこの考えを当てはめ、BMBを変圧器のデータベースとして活用しています((変圧器情報2,416件)。

ブログ投稿時のポイントは、自社サイトの変圧器に付けられた通し番号は共通ですが、写真は変圧器の外観やカバーを外した内部構造が見えるものなど、別のものを用意し、説明文も企業視点・顧客視点とかき分けているそうです。
このような工夫により、Googleは同じキーワードであっても別々の優良なサイトとして認識し、検索結果に両方のサイトを表示してくれます。

アップトランス

もう一つ、面白いエピソードがあります。

BMBのアクセス解析で、2023年の2月から3月にかけて「マイクロ波変圧器」というキーワードで、とある記事にアクセスが集中していることが分かりました。
調べていくと、「マイクロ波発生装置で使われるリーケージトランス」という記事が、「マイクロ波変圧器」や「マイクロ波 リーケージトランス」というキーワード検索で表示されていました。

しかし実際には、「マイクロ波変圧器」という変圧器は存在しません。どうやら、Googleの検索アルゴリズムが文中の2つのキーワードを繋いで表示したようです。このように、他社が使わないキーワードを手にすることも、Web戦略では重要です。

ちなみに、マイクロ波は電子レンジなどで使われている電波ですが、マイクロ波加熱が製品製造工程でのエネルギーの削減に効果があり、脱炭素社会の推進に欠かせない技術という情報がこの時期に流れたようです。

自社の技術や製品が、世の中のニーズやトレンド(時流)とどのように繋がっているかを把握し、適切な時期に適切な内容で情報発信することが「バズらせる」コツということのようです。