ENCASE(エンケース)
「BMB第57回勉強会」開催報告「熱処理装置のIoT-異常の予兆をとらえるデータ分析技術の紹介」
- 2025/02/17 09:00
- 投稿者: kawamoto(oidc) カテゴリ:BMB勉強会
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BMB事務局の川本です。
遅くなりましたが、2024年11月に行われたBMB第57回勉強会「
AIを活用した産業機械の異常検知から予知保全まで」の事例1で紹介しました、
「熱処理装置のIoT-異常の予兆をとらえるデータ分析技術の紹介」について、開催報告を掲載いたします。
講演者:株式会社ジェイテクトサーモシステム 商品開発部 谷口 尚暉 氏
概要:
本セミナーでは、熱処理装置におけるIoT技術の活用と、異常予兆検知を目的としたデータ分析技術について解説が行われた。特に、浸炭炉における設備異常の事例をもとに、従来のしきい値管理の限界と、新たなデータ分析手法による予兆検知の有効性が示された。
講演内容の要点:
熱処理装置の概要と課題
浸炭炉の仕組み(バッチ炉・連続炉)とその過酷な使用環境
突発的な設備トラブルが生産計画や品質へ与える影響
従来の管理手法の課題
しきい値設定による異常検知の限界(誤検知や検知の遅れ)
生データの変動が大きく、故障の予兆を捉えることが困難
出典:J-Predis(IoT/予兆検知),株式会社ジェイテクトサーモシステム
https://thermos.jtekt.co.jp/products/jpredis/
具体的な適用事例
搬送系の異常検知:モーターのトルクデータからレール等の歪みを分析
O2センサーの劣化診断:バルブ開度の挙動変化からセンサーの劣化を可視化
ファンの軸受異常検知:モータートルクと振動解析を組み合わせた異常予兆検知
真空排気異常の検出:真空排気時間の特徴量を用いたリーク検知
IoTシステム「J-Predis」の導入と今後の展望
クラウドを活用したリアルタイム監視とデータ分析の実施
セキュリティ対策の強化と、より早期の異常検知技術の開発
将来的にはデータ活用による様々な問題解決の実現を目指す
出典:J-Predis(IoT/予兆検知),株式会社ジェイテクトサーモシステム,
https://thermos.jtekt.co.jp/products/jpredis/
まとめ:
本講演では、IoT技術を活用した熱処理装置の異常予兆検知の実践的なアプローチが詳細に紹介された。従来の手法では困難であった設備の劣化予測を、データ解析と機械学習によって実現する技術は、多くの参加者にとって関心の高い内容であった。今後の展開として、予兆検知のさらなる精度向上や、データ活用による様々な問題解決の実現が期待される。