有限会社流楽の松崎です。
先週、oidc(私が専門家として活動している)公式サイトに公開した「ホームページ無料診断」のご紹介の記事に関連して、アメブロにもいくつか記事をアップしてきました。それに関連して、ホームページ制作業界の現状について、ちょっと踏み込んだお話をさせていただこうと思います。このブログをご覧の方には、できるだけ分かりやすく、でも本質的なところはしっかりとお伝えできればと思います。
「見た目だけ重視」が常識になっている
先日投稿した中小企業のホームページ改善をサポートする「ホームページ無料診断」の記事で、実に9割以上のホームページに改善の余地があることを書きました。元々は制作時にきちんと作っておけば、改善箇所はそれほど多くないはずなのです。が、9割以上のホームページに機能面での改善が必要というおかしな状況が起こっています。
実はこれ、ホームページ制作の現場では「見た目さえ良ければいい」という風潮があり、それが大きく影響していると考えられえます。
1. テンプレート依存の制作現場
今やホームページの制作には、既製のテンプレートやWordPressのテーマを使うのが当たり前になっています。これ自体は悪いことではありません。効率的な制作を可能にし、コストを抑えることができるからです。
しかし、問題なのは「テンプレートを当てはめて、写真を差し替えて、文章を入れ替える」だけの作業になってしまっていることです。
写真の差し替えについてだけ言っても、実は以下のような重要な最適化作業が必要なのです。
- 画像サイズの最適化(表示サイズに合わせた適切なピクセル数への調整)
- 画像容量の圧縮(表示品質を保ちながらファイルサイズを削減)
- ALTテキストの適切な設定(検索エンジン対策と視覚障害者への配慮)
- 画像フォーマットの最適化(用途に応じたJPG/PNG/WebPなどの使い分け)
- スマートフォン表示を考慮したレスポンシブ画像の設定
- 遅延読み込み(lazy load)の実装による表示速度の最適化
これらの作業はホームページの表示速度や検索エンジンからの評価に大きく影響します。しかし、多くの制作現場では「とりあえず写真を入れ替える」だけで、これらの最適化作業が行われていないのが現状です。結果として、見た目は同じでも、パフォーマンスやSEOの面で大きな差が生まれてしまうのです。
他にも
- 企業の事業内容に合わせたサイト構造の設計
- 集客を意識したコンテンツの配置
- スムーズな情報取得のための導線設計
- ヒーローエリアの訴求力
- 各ページのタイトルとメタ・ディスクリプションの最適化
- お問合せフォームの最適化
といったような様々な検討が必要なはずです。
しかし、これらのことはほとんどのケースで行われず、クライアントから提供された画像と文章をただ単に入れ替え・貼り付けしているだけ。
こういった作業は、ホームページの制作を行なったことがない一般の方が、見よう見まねで作っているホームページ制作と何ら変わりません。 ホームページ制作を生業としている事業者が行うことでは無いように感じます。
2. 技術スキルの空洞化
ホームページ制作の敷居が下がったことで、必要な技術的知識を持たないまま制作会社を始める人が増えています。特に以下のような専門知識が不足しているケースが目立ちます。先の項目であげえている画像の最適化もそうですし、以下のようなポイントにおいても、その経験とスキルがなく制作を行っているケースが非常に目立ってきています。
- HTML/CSSの基本的な理解
- JavaScriptによる動的な実装
- サーバーサイドの知識
- セキュリティ対策の基礎
- 検索エンジン最適化(SEO)の技術的理解
その結果、テンプレートの表面的なカスタマイズしかできず、本質的な改善や最適化ができない状況が生まれています。
「当社はホームページを作るだけでSEOはやらないんです。」といったような驚くべき発言を耳にしたことも少なくありません。SEOはある程度のレベルまでは、決して特殊な技術ではなく、ホームページ制作における正しい作り方のようなものなので、この発言はもはや制作会社として自ら放棄しているかのように聞こえてしまいます。
3. ディレクターのスキル不足
ディレクターのスキル不足、人員不足は業界においては非常に深刻な問題だと私は考えています。
営業的な要素やクライアントとのやりとり、制作担当者とのコミュニケーション、各種指示書の作成や制作進捗管理など、ホームページ制作と言う1つの流れの中で多岐にわたって、その経験とスキルが必要とされます。
- プロジェクトマネジメント
- マーケティングの基礎知識
- ユーザビリティの理解
- アクセス解析の知識
- コンテンツマーケティング
しかし、実際には「スケジュール管理」と「クライアントとデザイナーの間の連絡係」の役割しか果たせていないケースが多いのです。これにより、制作クオリティや機能性の確保は担保できず、何のチェック機能の果たさないまま、見た目だけの判断で終わってしまっている。
制作サイドは、ディレクターからの指示によって制作を実装する、ディレクターがノーチェックでクライアントに出し、クライアントもディレクターを含めた制作さアイドでチェックが済んでいるとして、自分自身が判断できる見た目をチェックして次の工程へと進んでいる。こういった流れの中が一般化して、見た目だけ重視のホームページ制作が多くなってしまっているのかもしれない。
4. 価格競争
これも非常に大きな影響があると思っています。
激しい価格競争の中で、多くの制作会社が以下のような妥協を強いられています。
- 十分な企画時間が取れない
- 品質チェックの簡略化
- 必要な機能の省略
- -運用面での考慮不足
特に中小企業向けの制作案件では、20万円を切るような価格での受注も珍しくありません。もっともっと安価な制作もあります。
この予算では、十分な品質を確保するのは正直難しいです。
簡単に!と予算を削られて作ったとしても、一旦公開すれば、お問い合わせや購入といった結果を求めるクライアントは多く、低スペックで作られたホームページでは、どうしてもその目標に達成することができません。そうなると、誰もが関わりたくないホームページになってしまい、ただ住所や電話番号を案内するだけで何も機能しないホームページとなってしまうケースがあります。
見た目と機能性のバランスが重要
いろいろと業界の事情というか、理由などを書いてみました。
もっといろいろな事情が絡んで、見た目重視のホームページ制作が主流となってしまっていると思います。
お客さん側からしてみれば、わからないところは、きちんとやってくれよってなるはずですよね。でも、それにつけこんでなのか、前述の費用的な面もあるのかもしれませんが、制作サイドではそういったところをきちっとしないのが悪しき慣習となってしまっています。
ホームページがきちんと機能して、事業の1つの機能として活用できるようにするためには、見た目と機能性のバランスが必須です。
きちんと機能すれば、ネットショップは商品を売り上げていきますし、企業ホームページにおいては、見込み客からのお問い合わせが入るようになります。
そのためには、見た目だけではなくて、機能面においても安心してその仕事を任せられる制作会社にホームページの制作を依頼しなけえればなりません。ただ、どの制作会社が信用できるのか、機能面まできちんと最適化してくれるのかは私も分かりません。
なので、私は制作会社のホームページもしくは最新の制作実績のホームページをページスピードインサイトで調べてから見積もり依頼をするようにアドバイスしています。ページスピードインサイトはページ表示スピードを計測できるだけでなく、使いやすさの対応ができているかもチェックできます。このツールで表示される点数が、自分自身の算数の点数で自分がまあOKと思える程度の数字を取得できてなけえれば、そこには依頼しない方が良いかも..。あくまでも一つの目安として活用してみてください。
当社では、見た目も機能性も重視したホームページ制作を前からずっとやってます。
新規にホームページを作る時も、リニューアルされる時も、公開後に集客、認知向上、購入・お問い合わせ増を考えているなら、いつでもお気軽にご相談ください。
初回相談無料です。
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