mocca〈杢花〉 / らんま職人の花小皿セット
コンテンツマーケティングは業界で全然違う!
「コンテンツマーケティングって、とりあえずコンテンツ充実に取り組めばいいんでしょ?」
そう思っている方も多いかもしれませんが、実はこれは大きな間違いです。
IT企業と飲食店、製造業と美容サロンでは、お客さんが求めている情報も、効果的なアプローチも全く違います。
同じ「商品やサービスを紹介する」という目的でも、業界が変われば戦略もガラッと変わってきます。
今回は、10の異なる業界でのコンテンツマーケティングの違いを詳しく見ていきましょう。
今回比較する10業種一覧
- IT・技術系企業
- 専門サービス業(コンサル・士業など)
- 製造業・建設業
- BtoB企業
- 金融・保険業界
- 地域密着型ビジネス
- サービス業全般(美容・エステなど)
- 飲食店
- 物販店
- 成長企業・スタートアップ
【技術・専門性重視】難しい話をどうやって分かりやすく伝えるか
IT・技術系企業 -専門用語だらけの世界を一般人にも分かるように
業界の特徴
IT・技術系企業の一番の特徴は、とにかく専門用語が多いこと。
エンジニア同士なら「API」「クラウド」「データベース最適化」なんて言葉は当たり前に使いますが、経営者や一般のお客さんには「???」となってしまいます。また、技術の進歩がめちゃくちゃ早いので、去年の常識が今年はもう古いなんてことがよくあります。
有効な戦略
この業界で一番大事なのは、とにかく「分かりやすく噛み砕いて説明すること」です。
技術的な手順を詳しく解説するハウツー記事や、専門用語を普通の人でも理解できるように説明した用語集が人気コンテンツになります。「なぜその技術が必要なのか」「ビジネスにどんな良いことがあるのか」まで含めて説明すると、技術者以外の決裁者にも価値が伝わります。
専門サービス業 -専門家だけど親しみやすい存在になる
業界の特徴
コンサルティングや士業などの専門サービス業は、しっかりとした専門知識が必要な反面、お客さんにとって親しみやすくて相談しやすい存在でもないといけません。また、サービスの効果が目に見えにくいので、その価値をどうやって具体的に伝えるかが悩みどころです。
有効な戦略
専門サービス業では、FAQ(よくある質問)でお客さんの不安を解消することがすごく効果的です。
複雑な制度や手続きについて、普通の人にも分かりやすく説明します。また、実際の事例紹介で「こんな風に問題が解決された」という具体例を見せると、サービスの価値を実感してもらえるようになります。
製造業・建設業 -技術の高さと安全への取り組みを見せる
業界の特徴
製造業・建設業では、技術力や品質の高さが外からは見えにくいという問題があります。
完成品だけ見ても、どれだけの技術や工夫が込められているかは分からない。また、安全管理への取り組みがとても重要視される業界なので、この点もちゃんとアピールする必要があります。
有効な戦略
この業界では、製造や施工の様子を詳しく公開することが効果的です。
「どんな技術を使っているのか」「どこにこだわっているのか」を具体的に見せることで、技術力の高さを分かってもらえます。また、安全管理の取り組みや、実際の導入事例を数字付きで紹介することで、信頼してもらえます。
【顧客接点重視】五感や体験をどうやって伝えるか
飲食店 -美味しさという一番大事な部分をどう表現するか
業界の特徴
飲食店の最大の問題は、料理の「美味しさ」という一番大切な部分が、写真や文章では伝わりにくいこと。
香りや食感、温度感など、実際に食べてみないと分からない要素がたくさんあります。また、競合店がとても多いので、似たような料理を出すお店との違いをどう伝えるかも大切なポイントです。
有効な戦略
飲食店では、とにかく「見た目の美味しさ」を追求した写真と、調理している様子を見せることが効果的です。
シズル感のある料理写真や、シェフが実際に調理している様子の動画は、お客さんの食欲をそそります。また、使っている食材の産地や、料理に込めたこだわりの話を伝えることで、他店との違いを分かってもらえます。
物販店 -商品の良さを色んな角度から伝える
業界の特徴
物販店では、写真だけでは商品の質感や使い心地が伝わりにくいという問題があります。
特にオンラインでは、実際に手に取って確かめることができません。また、季節や流行の変化に敏感に対応する必要があります。
有効な戦略
物販店では、商品の使用例やコーディネート提案が効果的です。
「こんな風に使えます」「こんなシーンにぴったり」という具体的なイメージをユーザー目線で提供します。また、実際に購入したお客さんのレビューや使用感レポートで、リアルな情報を伝えることも大切です。
サービス業全般 -変化を写真で見せて効果を分かってもらう
業界の特徴
美容サロンやエステなどのサービス業全般では、サービスの効果が分かりにくいという共通の問題があります。
「本当に効果があるの?」「どのくらいで実感できるの?」という不安を持たれがちです。
有効な戦略
この業界では、ビフォーアフターの写真や動画がとても効果的です。
実際の変化を見せることで、サービスの価値を具体的に分かってもらえます。また、自宅でできる簡単なケア方法を教えることで、専門性をアピールしながらお客さんとの接点を増やし、継続して利用してもらえるようにコミュニケーションをとり続けることができるようになります。
【地域・信頼関係重視】地域性と継続性が成功のカギ
地域密着型ビジネス -地域の人たちとのつながりを大切にする
業界の特徴
地域密着型ビジネスの特徴は、お客さんとの距離がとても近いことです。
地元の人にとっては「いつものお店」「馴染みの場所」という存在です。一方で、地域外の人には全く知られていない、新しく引っ越してきた人には存在すら知られていないという問題もあります。
有効な戦略
この業界では、地域の情報発信基地になることが良いです。
地域のイベント情報や季節の話題、地元の歴史や文化について発信することで、地域の人にとって欠かせない存在になることができます。また、地元のお客さんの声や、地域への貢献活動を積極的に紹介することで、地域密着の価値をアピールできます。
金融・保険業界 -勉強になる情報で信頼してもらう
業界の特徴
金融・保険業界は、商品やサービスが複雑で、普通の人には理解しにくいものが多いです。
また、法的な決まりが厳しく、表現にも細心の注意が必要です。お客さんの人生に長期間関わる商品が多いので、信頼してもらうことが何より重要になります。
有効な戦略
この業界では、お客さんのお金の知識を高める勉強になるコンテンツが効果的と言えます。
「なぜこの商品が必要なのか」「どんな良いことがあるのか」を分かりやすく説明します。また、ライフステージ別に「こんな時にはこんな商品が役立ちます」という具体的な提案を行うことで、お客さんにとって身近な存在になることができます。
【企業向け・成長系】複雑なニーズと物語で伝える
BtoB企業 -複雑な会社の買い物に対応する
業界の特徴
BtoB企業の特徴は、お客さんが「会社」であるということ。
個人の買い物と違って、使う人、管理する人、決める人、お金を出す人など、複数の人が関わって購入が決まります。それぞれが重視するポイントも全然違います。また、高額な商品・サービスが多いので、費用対効果をしっかりと示す必要があります。
有効な戦略
BtoB企業では、関係者それぞれに向けた情報を用意することが大切。使う人には「使いやすさ」を、管理する人には「運用の楽さ」を、決める人には「戦略的な価値」を伝えます。また、ホワイトペーパーや調査レポートなど、専門性の高いコンテンツで業界での地位を確立することも効果的です。
成長企業・スタートアップ -物語で共感してもらう
業界の特徴
成長企業やスタートアップは、まだ知名度が低く、「本当に信頼できる会社なの?」「将来性はあるの?」という不安を持たれがちです。また、人手もお金も限られているので、効率的に情報発信する必要があります。
有効な戦略
この業界では、創業の話や会社のビジョンを熱い思いとともに伝えることが効果的です。
「なぜこの事業を始めたのか」「どんな世界を実現したいのか」という物語で共感してもらいます。また、開発の裏話や成長の過程を隠さずに公開することで、信頼してもらえます。
そして、どの業界でも共通して大切なポイント
これまで業界ごとの違いを見てきましたが、どの業界でも共通して大切なポイントもあります。
お客さんの立場に立った情報発信
どんな業界でも、自分たちが伝えたいことではなく、お客さんが知りたいことを優先して発信することが大切です。専門用語は分かりやすく言い換える、具体例を交える、図や表を使うなど、相手に合わせた伝え方を心がけましょう。
続けて情報を発信する
一度コンテンツを作って終わりではなく、定期的に更新し続けることが重要です。情報が古いままだと、お客さんの信頼を失ってしまいます。季節に合わせた情報や、業界の最新の話題など、タイムリーな情報を発信し続けることで、お客さんとの接点を保つことができます。
法律や倫理を守る
景品表示法、薬機法、個人情報保護法など、業界に関わる法律をちゃんと理解して、適切な表現を心がけることが必要です。また、お客さんのプライバシーを守ることや、競合他社への配慮も忘れてはいけません。特に、効果や効能を書く時は、大げさな表現にならないよう注意が必要です。
実際のお客さんの声を活用する
どの業界でも、実際のお客さんの声や事例紹介はとても効果的です。第三者の率直な感想は、会社側の説明よりも信頼されるからです。ただし、必ず事前に許可を取って、プライバシーに配慮した形で紹介することが大切です。顔出しが難しい場合は、イニシャルや年代・職業だけの紹介でも十分効果があります。
まとめ -自分の業界に合った戦略を見つけよう
ここまで見てきたように、業界によってコンテンツマーケティングのやり方は本当に様々です。IT企業では技術的な専門性を、飲食店では五感に訴える魅力を、製造業では技術力と安全性を、それぞれ違う方法で伝える必要があります。
技術・専門性重視のグループでは、難しい知識をどうやって分かりやすく伝えるかが勝負。顧客接点重視のグループでは、実際の体験や効果をどうやってリアルに表現するかがポイント。地域・信頼関係重視のグループでは、続ける関係性と地域性が成功のカギ。企業向け・成長系のグループでは、複雑なニーズへの対応と物語で伝えることが重要になります。
大切なのは、他の業界の成功事例をそのまま真似するのではなく、自分の業界の特徴とお客さんのニーズを理解して、一番良い戦略を選ぶことです。
特に中小企業の場合は、大手企業にはない強みがたくさんあります。お客さんとの距離の近さ、柔軟な対応力、地域に根ざした信頼関係など、こうした中小企業ならではの強みをコンテンツマーケティングで発揮することで、大手に負けない効果的な集客を実現することができます。
「うちの業界では何が効果的なんだろう?」「どんなコンテンツを作ればいいんだろう?」と悩んでいる方は、まず自分の業界がどのグループに当てはまるかを考えて、そのグループの特徴を参考にしてみてください。
おまけ
また、私のアメブロではコンテンツマーケティングの手法別の解説記事を、私のWordPressのSEOブログでは業種・業界別コンテンツマーケティングのやり方を解説している記事を投稿しています。あなたの業種・業界にマッチした取り組み方や手法をご覧いただいて、Web集客にお役立てください!
そこから、お客さんにとって本当に価値のある情報は何かを考えて、続けて発信していけば、きっと成果につながるはずです。業界の特徴を活かしたコンテンツマーケティングで、あなたの事業ももっと成長させてください!