(有)加賀スプリング製作所

ばね用ステンレス鋼線について

 ばね用ステンレス鋼線について

SUS304ダブルトーションバネ

ステンレス(Stainless)とはStain(さび)+Less(少ない)=錆びない 
という意味の造語ですが、錆びる鋼を錆びにくくするため、
ステンレス鋼ではCrを10%以上を添加されています。

それらステンレス鋼を金属組織から分類すると、マルテンサイト系、フェライト系、
オーステナイト系、析出硬化系、2相ステンレス鋼などがあり、
JISG4308に規定されている種類は36種類もあり、
バネ用についてはJISG4314(バネ用ステンレス鋼線)において、
その中のオーステナイト系4種類と析出硬化系1種類が規定されています。

化学成分によって変化し、特にNi含有量により大きな影響を受ける。
オーステナイト系のばね用ステンレス鋼線の中では、
SUS304の加工硬化率が高く、SUS316が最も低くなります。

ばね用ステンレス鋼線の伸線加工度による透磁率の変化に於いて、
オーステナイト組織は非磁性であるが、加工誘起マルテンサイトは強磁性体なので、
伸線加工を施したばね用ステンレス鋼線は少なからず磁性を帯びる。

尚SUS304Niは窒素を添加した鋼種で加工誘起マルテンサイトの生成が抑制されるので、SUS304より磁性が少ないです。

SUS631Jlはセミオーステナイト系析出硬化型ステンレス鋼線と呼ばれる鋼種で、
固溶化熱処理状態の金属組織は準安定オーステナイトであるので、
SUS304と同様、伸線加工により加工誘起マルテンサイトが生成されます。

SUS304がCrとNiの含有量が18Cr-8Niであるのに対し、
SUS631Jlは17Cr-7NiとNi含有量が少ないのでカロ工誘起マルテンサイトが生成しやすく、
仲線加工による加工硬化率が高く磁性も大きいです。
このマルテンサイト変態と析出硬化を組み合わせることにより高強度を得る、
ばね成形は強度の低い析出硬化熱処理前に行い、
ばね成形後、析出硬化熱処理を行う。
JISにおけるSUS631JIは日本独自の規格で、
AIS1631よりNi量を高めることにより伸線加工性の改善を図っている。

弊社ではSUS304、316、631JIらは勿論NAS106N(超非磁性ステンレス)の取り扱いが
あります。

バネ用ステンレス鋼線の分類と化学成分


種類の記号

区分記号

S1

Mn

P

Ni

Cr

Mo

Al

SUS304

WPA

WPB

0.08以下

1.00以下

2.00以下

0.045以下

0.030以下

8.00~

10.50

18.00~20.00

   

0.10~0.25

SUS304Ni

0.08以下

1.00以下

2.00以下

0.045以下

0.030以下

7.00~10.50

18.00~20.00

     

SUS316

0.08以下

1.00以下

2.00以下

0.045以下

0.030以下

7.00~

10.50

18.00~20.00

2.00~3.00

   

SUS631JI

0.09以下

1.00以下

2.00以下

0.040以下

0.030以下

7.05~8.50

16.00~18.00

 

0.75^1.50

 
 
[tag:ばね材料 ステンレス鋼線] 

硬鋼線の製造・規格・使用例

硬鋼線(SWC)使用例

製造工程例 硬鋼線の規格・使用例
線 材
A:パテンチング
酸 洗

造 膜

B:伸 線
検 査
製 品

硬鋼線は炭素含有量(C)に様々な
名称がつけられていますが
,
JISG
3521では引張強さに応じて
A,B種,C種の3種類に分けられ,
記号はSW-A,SW-B,SW-Cで示されています。
JISには引っ張り強さ、巻き付け性、
ねじりの特性、曲げ性、線径及びその
許容差、概観が規格化されている。


硬鋼線は様々な産業で利用されていますが、
その代表としては、安全ピンのばね、スイッチ類ばね,
秤用ぱね,椅子やベットのばね,自転車のサドル,
スプリングシャッタの巻上げぱね,
玩具用ばねなどが上げられますが、
線の状態で使用される硬鋼線としては、
架空送電線補強鋼線、コントロールケーブル等があります。

SW-Aには金網・フェンス・シート枠などにも
使われ
あらゆる産業で使用されている。

*パテンチングとは熱処理の事で、細い線径の
時はA~B間工程が繰り返される。


 

バネ用ステンレス鋼線の特徴

 ステンレス鋼線圧縮バネ

バネの成形性向上


他の硬銅線、ピアノ線、オイルテンパー線等の炭素鋼ばね用鋼線に
比べて熱伝導が悪く、摩擦による焼き付きが生じやすく、
ばね成形時の摩耗きずの発生、寸法精度低下などの不具合を招くので
潤滑皮膜処理(Niメッキ、 樹脂皮膜処理)が最終伸線工程で施工され
バネの成形性向上を図ったステンレス鋼線が使用されています。
現在ではNiメッキバネ用ステンレス鋼線が80%以上採用されています。

利点 

a)表面光沢が銀白色でステンレス鋼に良く似ています。

b)摩擦係数が低く、優れたばね成形性を持っています。

c)低温焼なまし後の酸化・変色が少ないが食品用途などで
耐食性を要求される時にはめっき除去を行う必要があります。

d)一般的な大気中環境での耐食性はステンレス鋼線とほぼ同等です。

e)鉛のような有害性が少ないので、環境に優しいです。

耐食性について

ばね用ステンレス鋼線は耐食性を要求される用途に
用いられることが多いですが、全く腐食しないと言えないです、
ステンレス鋼の耐食性は不動態化皮膜と呼ばれ、
それは表面の非常に薄く緻密なクロム含有酸化膜によるものですが、
塩酸を初めとする塩素イオンを含む環境ではこの不動態皮膜が弱く破れやすく、
ステンレス鋼といえども錆びやすいので注意が必要です。

また、テンパー処理後のステンレス鋼線の酸化皮膜は、
一般鋼線よりも薄いですが 高温側では厚くなります。
ステンレス鋼の耐食性を劣化させる時もあり、
耐食性を重視する場合ではテンパー処理後酸化皮膜を除去し、
さらに不導態(化学研磨)処理を採用する場合もあります。 

バネ用チタン合金の特徴について

 Ti224チタン製引張バネ
バネ用チタン合金:Ti-224は、チタンの特徴である軽くて、

鋳びない特性をベースとして、更に22%のバナジウムと
4%のアルミニウムを添加して機械的性質を改善したβ型チタン合金線です。

Ti-224、その冷間加工性がα+β型の6Ael・4V・Ti合金よりすぐれ、
しかも冷間加工後の時効処理により、高強度が得られる特徴をもっており、
線ばねに代表される強度を要する用途に適した新素材です。

特徴 1.軽くて高強度を有する 
チタン合金の密度は、鉄の約60%で、
チタン合金の引張強さは、100kgf/mm2以上を有しており、
比強度が高いので軽量化を図ることが出来ます。Ti224は、
冷間加エと時効処理で約160kgf・mm2まで強度を上げられます。

2.冷問加工性が良好 
伸線、圧延、圧造、転造及びスェージングなどの冷間加工性が良く、線ばね、ボルト、ねじ
及びスポークなどの成形が容易にできます。

3.優れた耐食性 
大気中で鋳びたり、変色することはなく、海水、酸化性酸、
アルカリ溶液 及び有機酸などに射し、すぐれた耐食性を示します。

用途

線ばね、ロープ、スポーク、ボルト、ナット、ファスナー、海底ケーブル、’医療機器など

詳し物性については
http://www.kagaspring.com/keyword/material/item_812.html


 

SUS304Φ3.5圧縮バネ(耐食性による材質変更)

 耐食性を高める為に、

材質をピアノ線→SUS304の変更された
案件です。

現行

PAΦ3.2×外55×有13×座各1×高125 研有
バネ定数:0.56N/mm


線径をΦ3.2からΦ3.5に変更、
巻数も増やし、10%程度アップの
バネの強さにしました。

変更後
SUS304
Φ3.5×外55×有14×座各1×高125 研有
バネ定数:0.67N/mm
SUS304Φ3.5圧縮バネ

センタリングバー(芯出しバー)用引張バネ

 フライス盤、MC等の工作機械の芯出し作業

に使われるセンタリングバー(芯出しバー)に
上下の接合面も引張合せる為に、引張バネが
使われています。

本製品は、接合面の戻りがスムーズで無かった
為、元のバネがよりも強いバネに変更するのに
採用されましたl。

SWPA
Φ0.6×中4× 巻66.5×自由長48
バネ定数:0.297N/mm2
初張力:2N
表面仕上げ:黒染め

センタリングバー

センタリングバー(芯出しバー)用引張バネ

ラッピング(食品用)ベルトのテンション・ローラーバネ

食品用ラッピング機の
ベルト用テンション・ローラーバネ
食材の大きさは千差万別 あるので、
部材の変更回数が多いので、ベルトを
緩めるよりむしろ、バネの力でベルトの
テンションを抑えこんで部材の交換を
スムーズにする為に採用されました。

この手のバネは左右均等荷重を掛ける
必要があるので、左右巻が1セットに
なることが多いです。

バネの要素項目
PBΦ4.5×内径36×T3.61

バネ定数:157.6N・mm/deg 

テンションローラバネ

テンションtローラーバネ左右巻

バネにおけるセッチング、ホットセッチング及びクリープテンパの効用

 へたりが問題視されるばねに対しては、その製造最終工程近くに、
そのばねが受ける同方向の過負荷を与える加工を行います。

この操作がセッチングと呼ばれ、この時の荷重は
一般に降伏荷重を越えて、若干の塑性変形を与えるものです。

セッチングには以下のような効果が期待できます。
       
バネの過荷重時の荷重ータワミ線図
たわみ線図

1、)加工硬化により耐力が上昇し、静荷重で使用される場合には、
  その使用限界の荷重をあげることができる。(上図参照)

2、)曲げ、またはねじり応力で使用されるばねでは、表面層に
  は使用状態と逆方向の残留応力層が形成されて、繰返し荷
  重を受けるばねの変形防止、および疲れ強度向上に有効的
  である。

また、へたりが問題となることが多いコイルばねや、
それらばねが高温で使用される場合には、
セッチング時にばねの温度を上げた状態で行うことがあります。
これをホットセッチングと言います。

これと同様な効果は、荷重をかけた状態で一定時間加熱
することで得られることができます。この操作をクリープテンパと言います。

これらの操作はセッチングの効果と低温焼なましの効果を
重畳させるとともに、初期のひずみ速度の速い部分のクリープを
短時間で事前に起こさせて、以後の変形を少なくすることを目的としたものです。

セッチングによりばねはいくぶん変形するので、前もってその量を見込んで成形する必要があり、
また使用応力が小さく、形状精度の重要なものは必ずしもセヅチングをすることはないのが実情です。

引張コイルばねはセッチングにより初張力が消失するので一般には行わないです。


 
 

ばねの「へたり」について

クリープ破談 
クリープ破談図

ある一定の荷重が長時間負荷されると、
ばねに加わる応力が弾性限度以内でも、
永久変形することがあります。
 
この変形を「へたり」と呼びます。
「へたり」は、クリープに類似した現象であり、
クリープとは上図に示されるように、
ある一定の荷重を負荷した場合、
最初の間は大きいひずみ速度でひずみが生じますが、
しだいにひずみ速度は減少し、
ある時期からひずみ速度はほとんど一定になり、
その後急激にひずみ速度が増加してクリープ破断にいたる現象を言います。
特にこの現象は高温時に顕著に認められています。
 
へたりも同様にばねの設計応力が高いほど、
また使用される環境の温度が高いほど大きくなります。
 
ばねについては、破断という点では疲労破壊が先に起
こる場合がほとんどなので、クリープ破断はあまり問題
とされないのが現状です。
 
よって一般的にばねの設計において「へたり」は疲労に比べて重要視されない場合が多いですが、
自動車の懸架ばねの場合は、ばねの「へたり」は車高の低下に直接現れてくるので、重要な特性です。
高温下で使用されるばねで繰返し応力が作用しないばね、
 
たとえば高温で物体を保持する目的で使用されるばねについては、
クリープ破断を考慮した設計が必要とされています。

「へたり」を防ぐには、材質的には高Si鋼、製造面ではセッチング等の対策が必要です。
 

ジョイントバネ


SUSφ0.4で制作したのですが、ある部分とある部分をフレキブルにジョイントさせる
一風変わったバネです。何に使われるか謎~

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ボール盤ハンドル用ゼンマイバネ(EFT-50)


本日の出荷

EFT-50

ハンドル用ゼンマイバネ
リボン鋼:t1.0×巾9.5×外60
端部:φ5.0

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SUS304引き抜き材を加工


引張力の低い材料を使うとバネ性が低いので、
普通は使わないですし、降伏点も低いので
バネとしての復元性を必要としないバネ形状を
もつ製品を作りました。

材料が柔らかい為に、高さピッチ等が揃い難い
という難加工物です。

このような座の付き方で垂直性を出すのも
難しいです。

SUS304φ8.0×中30×H135x有5×座各1.5研

 

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RAW→JPG変換_2


良く理解できてないのでもう一度挑戦しました。
単にRaw→jpg、リサイズ条件だけで、
前回と異なるのは背景を緑→白に変えただけです。

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繊維機械のテンション制御部のバネを交換!


弊社HPを見て繊維機械のテンション制御部のバネの交換を
したいとお問い合わせを頂きました。

SWCφ10×外77×高100×有10研有 密着 左巻

 

代替品は無事に使えているようです。

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RAW→JPG現像


2005/02/01に開催され参加しました、
「実践!売るためのデジカメ撮影講座まとめ」
にて講師されていた先生と最近セミナーで
再会しました。
「FBで「カメラ頑張ってください」と激励を受けて以来
結構やる気が出てきました。

久しぶりに現像しました。
やっぱ良く解らないです・・・

 

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折損したシャッターバネの復元


ちょっと大変かも!(^^;;

折損したシャッターバネが持ち込まれました、
サイズを取るとインチのようです、
真ん中部分やその周辺で折損しています、
また溶接痕もあるし復元は不可能です。

材料のサイズは無いし、フックの金具は弊社では
製作できないし、近いサイズにて設計しましたが・・・
解決できるかな!?


フック金具

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手加工で圧縮バネを製作


手加工にて製作しました。

材料を芯金に巻き付けてコイル径・ピッチを決める
作業です。バネ屋の基本中の基本かもです。(^^;;

 

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角線スパイラル(画像が無い!!!)


この1年近くHPの更新を怠っていました。
本日やっとのことで作業開始したところ、
画像のサイズがバラバラだったり、
カメラが異なっていたりしてリサイズするのに、
無茶時間が掛かりましたが、何とかアップしました。

ところが時系列に整理されているファイルの
中身がバラバラだったりして画像が足らないことに
今頃気づいたりして、ボォーとし過ぎているのを
猛省しています。

↓は全体画像が無くHPに掲載されなかったもです。
SUS304□5×外34×P28×高300 オープンE
(粉体の送り装置使われています。)


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誕生日プレゼント


今朝、私の誕生日プレゼントが東京にいる実姉から
届きました。
最近好きなオレンジ使いがとってもオサレ感があり、
見せ付ける場面を想像すると、直ぐに中身が・・・(^^;;

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UR5-40


URL-50検査状態




製品情報:圧縮ばね・押しばねに自社発電用メンテナンスに弊社製作のバネ SWOSCVφ9.0X外56X高95×T8 研磨


製品情報:圧縮ばね・押しばねに自社発電用メンテナンスに弊社製作のバネ
SWOSCVφ9.0X外56X高95×T8 研磨を追加しました

 




製品情報:板バネ・ゼンマイバネにバーチカルフライス盤のレバー用ゼンマイバネを追加しました。


製品情報:板バネ・ゼンマイバネにバーチカルフライス盤のレバー用ゼンマイバネを追加しました。




製品情報:圧縮ばね・押しばねに円錐コイルバネを追加しました。


製品情報:圧縮ばね・押しばねに円錐コイル圧縮バネを追加しました。




製品情報:引張バネ・引きバネに漁具用バネ・フレキシブルタイプ引張バネを追加しました。


製品情報:引張バネ・引きバネに漁具用バネ・フレキブシルタイプ引張バネを追加しました。




製品情報:圧縮ばね・押しばねに搬送装置用バネ/ショット・無電解ニッケル仕上げを追加しました


製品情報:圧縮ばね・押しばねに搬送装置用バネ/ショット・無電解ニッケル仕上げを追加しました。




製品情報:板バネ・ゼンマイバネに計測機用メジャーの巻取りゼンマイバネを追加しました。


製品情報:板バネ・ゼンマイバネに計測機用メジャーの巻取りゼンマイバネを追加しました。




製品情報:引張ばね・引きばねにバイク用チャンバースプリングを追加しました。


製品情報:引張ばね・引きばねにバイク用チャンバースプリング(Uの字フック)を追加しました。




製品情報:引張ばね・引きばねに台車の幌カバー用バネを追加しました。


製品情報:引張ばね・引きばねに台車の幌カバー用バネを追加しました。




製品情報:ねじりばね・細工バネに害獣対策用フェンス連結用クリップを追加しました。


製品情報:ねじりばね・細工バネに害獣対策用フェンス連結用クリップを追加しました。