大抵の工場では、クレーム処理の手順が定められ
ています。
(1)不良品の発生原因を分析する。
これには、一般的にQC手法(「特性要因図」
「連関図」など)が使われます。
推定される原因を洗い出して、寄与率の高そう
な原因を選び出すわけです。
(2)原因をツブスための改善案を捻出する。
改善案を複数出して、「効果」「必要日数」「費用」
などの側面からひとつの案を選び出します。
(3)改善案の実行
(4)効果確認
(5)再発防止のための歯止め
これが一般的な進め方といえましょう。
しかしこのやり方で再発を防止できることはまずありません。
何ヶ月か後には、また類似のクレームが発生するのです。
工場は、自分たちの技術・技能が特殊なものだとは考えて
いない人が多いのです。
社長に、
「あなたの会社の強みは何ですか?」
と質問しても、
「うちでやってることは、どこでもやってることだから」
という答えが返ってきます。
従業員にしても、
「この程度の技術で作った製品だから、お客もそれほど
重要視していないだろう」
と、自分の技術を低く考える傾向があります。
どこでも作れる製品なら、どうしてあなたの会社から
買っているのか。
あなたの会社から買わなければならないのか。
お客は、自分たちが考えている以上に、あなたの
会社の製品を高く評価しているのです。
社長は、自社の強みをハッキリ打ち出して、社内
全体に認識させること。
自分たちの作っている製品が、お客にとってどれだけ
重要な物なのかを認識させること。
「お客はうちの技術を評価してくれている」
「お客のためにいい物をつくらないと」
心底このように考えることが出来たら、不良品の発生
は自然になくなってしまいます。
製造課長の例
[ケース1]
「冷却水のパイプから水が漏れている」
「3号機のモーターが変な音を出している」
「だから直ぐに直せ」
と部下に指示を出すことに明け暮れている。
「目で見えるもの」「耳で聞こえるもの」
その範囲の問題(トラブル)しか気付かない
ケースです。
「経営基盤強研究会」、頭文字をとって「K4部会」。
なかなかしゃれたネーミングです。
金属加工系の製造業さんのグループです。
セミナーの内容が盛りだくさん過ぎて(意識的にそうした
わけですが)、お分かりいただけない部分も多かったかも
しれません。
でも、「製造業ももっとマーケティングに力を入れなければ」
と十分感じていただけました。
「会社力」を強化するためには、「売上力」「生産力」「開発力」
の三つのバランスをとることです。
製造業は技術者出身の社長が多いため、どうしても「生産力」
「開発力」に偏りがちです。
このセミナーで、マーケティングの重要性をいく分か認識していた
だけたみたいです。
理想システムを設計する】★NEW
「あるべき姿」とか、「ありたい姿」というのは、
「理想システム」のことです。
指導先で「理想システム」を提示すると、
「こんなことがあるからムリだ」
「そんなやり方は周囲が着いてこない」
と、出来ない理由を並べたてられることが実に多い。
■ ヒント
「生産力」「販売力」「開発力」
この三つが「会社力」です。
「生産力」とは、「生産性を上げる力」
すなわち、「生産能力」と「生産効率」を上げる力
になります。
西谷経営技術研究所 西谷和夫です。
■ 解説
現場に密着した改善の着眼点は2つしかありません。
「人」と「モノ」
「人の動き」に着眼するか、「モノの流れ」に着眼するか。
同時にやろうとすると、必ず失敗します。
プラスチック精密成形金型メーカーが、取引先を4社から
9社に増やしました。
それもわずか90日で、です。
さて、その方法は?
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実行しようとされます。
ところが、なかなか実行できない。
実行しても、全く成果が出ない。
その原因ははっきりしているのです。
『具体的な行動項目に落とし込まれていない』
ことが原因なのです。
わずか1社の大手企業の外注加工をしていた製造業が、取引先
を3社に増やすことが出来ました。
薄氷経営からめでたく脱却することができたのです。
さて、その方法は?
■ ヒント
クレームが出たら、誰でも再発防止に取り掛かります。
一般的には「QCストーリー」が使われます。
でも「QCストーリー」で、クレームの再発がなくなるでしょうか。
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