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限界産業化

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大学の授業の後に、車を飛ばして某伝統産業の集まりの中で立ち上げた研究会へ.
呉服業界の最先端の方が集まり、自分たちで何か出来ないかという主旨の集まりです.

現状をヒアリングしていると、数十年前の最盛期の4.8%に落ち込んだ売り上げを前に、旧来の産業体という構造の維持は不可能になっています.特に流通の中間層が厚くその部分の効率の悪さ、そのレイヤーの下に隠れた現場レベルが疲弊と情報過疎により自活出来なくなっていることが問題です.現場の方は、それでもこの仕事を続けたく想像を絶する苦労をされています.

正直に言うと、もっと軽いレベルでの身の丈にあった研究会を考えていたので、急きょ方向転換で内容を組み替えました.メンバーに引っ張られる形で、話が大きくなっていきそうです.
不安が半分と期待が半分の研究会の幕開けです.

ちょいデキ!

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ちょいデキ!

サイボウズというグループウエアで有名なITベンチャー企業がありますが、今その社長をしている青野さんという人は元々私が元にいた会社の人でした.
殆ど社内では接点がなく、一度か二度顔を合わせた程度だったと思います.独立する前に社内ベンチャーを立ち上げて、私のいた部署にも営業に来たことがありました.
(机の中をひっくり返したら当時の名刺が出てきました.肩書きは「チーフインターネットアーキテクト」でした.なんだろ?)
印象としては理系の大人しい若者で、こういう人がベンチャーでやっていけるのか心配したのを覚えています.風の便りに独立して四国の田舎に戻った話を聞いてびっくりしましたが、サイボウズの大ヒットでさらにびっくりしました.

ちょいデキ!」は、その青野さんが書いたビジネス書入門書ですけど、そういう彼の性格が現れた本で「伝説になったスゲービジネスマンのマネは絶対出来ない」けどこれならできる、という彼のビジネススタイルを紹介したものになっています.
自己流に見えますが結構ベースのしっかりしたもので、学生や若手のビジネスマンには気楽に読めて良い本です.

ウチの事務所は一人しかいないのに情報管理が無茶苦茶で、サイボウズを入れる以前の問題です、、、、.トホホ.

ジュエリー

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前の会社時代の友人が伊丹ジュエリーカレッジの作品展に出展しているので出かけてきました.
イギリスの学生の展示との併設でしたが、繊細さやこまやかな見方など、日本の方がレベルが高かったように感じました.

最近はライノセロスという三次元CADを触っていますが、このソフトはジュエリーデザイナーも良く利用しているようで、アートの世界もCADを利用するようになっています.ただ、造形力の基礎は手で覚えるところも多く、見た目がハデなCADよりも手で地道に造形していくほうがトータルでのスキルは高くなると思います.

とかいいつつ、最近はあまり手を動かしていないので、半分うらやましく作品を見ていました.

 

意匠権

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ドコモ、ソフトバンク「821T」製造/販売差止で仮処分申請(ケータイwatch記事より)

NTTドコモと富士通は、ソフトバンクモバイルが販売する東芝製携帯電話「かんたん携帯 SoftBank 821Tの製造、販売の差し止めを求め、東京地方裁判所に仮処分命令の申し立てを行なった。不正競争防止法に基づく申請となる。

とのことですが、私が興味を持っているのはどういう点でドコモがソフトバンクに喧嘩を売るのかというところ.
基本的にどちらも意匠登録(デザインの特許のようなもの)をしているでしょうけど、全体的なデザインとしては意匠法上は過去の商品と類似ととられてどちらも「新規性なし」となる、若しくは権利範囲が極端に小さくなってどちらも「新規のデザイン」となって類似性はない、のどちらかになる確率がかなり高いでしょう.部分意匠で引っかけるの可能性もありますが、ドコモは意匠法じゃなくて不正競争防止法で訴えています.

これは以前にソーテックがiMacのパチモン(写真1写真2)を出したときに訴えた法律で、簡単に言うと「(似ているので)ユーザーが混同しやすい」というのが訴訟のポイントになります.

この辺をどう論理構成したのか解りませんが、個人的にはドコモの勝算はきわめて低いと考えています.基本的にはドコモの商品が、過去にドコモや他社で販売されている商品に比べてこの「らくらくホン」に著しい新規性があり、それがソフトバンクの「かんたん携帯」にも模倣されているというのを証明しないといけないと思いますが、難しいところだと思います.
多分ドコモは単なる嫌がらせではなく(それをすると泥仕合になります)勝算があって訴えをおこしたと思うので、どのポイントを突いてくるかは興味のあるところです.

他の国での意匠法がどういう運用をされているかは良く知りませんが、日本の国内に於いてこういう場合に権利を保護する意匠法は経験上の感覚では実際のところうまく機能しません.
(以前に私のデザインにかなり似た商品を他社で出されたけど、意匠法では無理との判断が社内法務部で出て泣き寝入りしたことがありました.その時は不正競争防止法の使い方も知りませんでした.)
もし効果的に意匠法を使おうと思うと、色々と網を広げて権利確保せねばならず、その為のテクニックも必要になり中小企業では手の出にくくなりますし、大企業でもよほど主軸事業でない限り担当者が忙しいし費用対効果の観点でそこまで権利確保出来ません.
(以前いた会社でもほとんど気休めで意匠登録していました)

今後国際的に知財確保や権利行使の方法が問われると思うので、こういう訴えの行方は気になりますし、権利確保の方法論も確立して欲しいと思いますが、日本の司法は「目に見えない権利」の判断がオイオイと思うのも少なくなく、別の意味で心配なところでもあります.

内装に和紙をつかいたい

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 少し前ですが、3/10の毎日新聞の「くらしナビ」に「内装に和紙をつかいたい」ということで記事が載りました.たまたま記者さんと知り合いになり、建築家の丸谷博男さんや、杉原商店さんをご紹介しました.
良くまとまっていて、良い記事だと思いますので毎日新聞をとられている方はチェックしてみてください.

新しいオモチャ

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そろそろ色々と準備をしに大学へ. 昨年NCマシンを購入して来年度から授業で使うので、今日は試験運転. 前の晩にライノセロスで簡単に作ったデーターを、マニュアル片手にスタイロを削ってみました. 3Dのモデリングはするのですけど、実際に自分でNCマシンを動かすのは初めてなので、結構ドキドキモードでしたが、ソフトもマニュアルも良くできていて、拍子抜けするぐらいに簡単に出来ました. 昔は高嶺の花だったNCマシンですが、写真のものでも100万円しないので個人でも買おうと思えば買えますし、こういうラピッドプロトタイプの製法でそのまま商品として売るモノも出てきています.  

わかってはいつつも、行ったり来りするミルをアクリル板に張り付いてジーっと見てしまいます. 

プロダクトデザイン(特に伝統工芸)とワークショップにかかわるメモ

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 最近のマイブームは「ワークショップ」です.

ワークショップというコトバも、気軽に使われている側面もありますが、ここでは本来的な意味でのワークショップです.

プロダクトデザインを特にフリーランスの立場でやっていると、いろんな文化の中に入っていきその中で、いわゆる「教え」たり「提案し」たりする様なかかわり方が多くなります.私のいた会社でも、デザイン部門に商品開発の決裁権はなく、モノづくりをする部署への「提案」が業務になっていました.
そういう「外部の目」的なアプローチもありますが、単にスタイリングだけではなく問題解決型の広い意味でのデザインをしようとすると、より事業の中核に近づいて深いコミュニケーションの形成が不可欠になってきます.

当然、デザイナーはモノづくりの現場とのコミュニケーションをとろうとしますが、スタイルとして「先生」然としたものになってしまっていたりと環境で壁が出来ている場合があります.一番ひどい例は、デザイナーが「解った気になる」か「あまり解っていないことを気にしていない」場合ですが、それは論外としてもそのような事例は多々あると思います.また、モノづくりにおいて主導権をどちらかが握るというのではなく、相互協力的な協働のスタイルが望ましいのは、成功事例を見れば明らかです.
そういう環境をワークショップを活用することで、当事者をお互い対等な立場で(リスクもリターンも共有する)仕事を進める様に変えていけるのではないかと考えています.

実際にまちづくりの現場では、その手法は古く(というかそこが起源だったりします)実践例も多くあります.それは、単に集まって話をすればよいのではなく、心理学的なアプローチやファシリテーションの利用などキチンとデザインして行われています.

プロダクトデザインの現場だとIDEOの様な例もありますが、外部を巻き込んだプロセスを実践しているのは少ないような気がします.


そういう観点で最近読んでいる&読み返している本
ファシリテーター完全教本(ロジャー・シュワーツ)
ワールドカフェ(アニータ・ブラウン&デイビット・アイザックス)
発想する会社!(トム・ケリー)
チームが絶対うまくいく法(デイビット・ストラウス)
ワークショップ 偶然をデザインする技術(中西 紹一)

エシカル(ethical)ということ

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カノさんのブログにもありますが、先日studio Lの西上さんにお話を伺った際に出たキーワードです.

意味としては「倫理的に正しい」という意味でヨーロッパなどのファッションの分野で最近使われているコトバだそうです.
私は環境NPOの活動もしていますが、NYCのウエンディなどを見ていると彼女の関心は単に環境問題単体だけではなく、社会的なシステムに向けられていますし、それを私も自然なものと捉えています.
そういう意味で、エシカルというキーワードは腑に落ちるもので、いい視点だと思います.

ただ、使いやすいコトバなのでロハスの様なことにならないか心配.

WAZA2008

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伝統的工芸展 WAZA2008のなかの伝統工芸品活用フォーラム事業でお手伝いした商品の展示を見に池袋に行ってきました.
このフォーラムは伝統的工芸品産業振興協会の事業で、デザイナーと産地をマッチングして作品作りを進めるものですが、夏ごろからスタートしてこの時期に作品を作らないといけないということで、今回の作品はどれもかなりヤッツケ感が漂うものでした.
私のお手伝いしたものも既存のものを少し整理して、どちらかというとデザインよりもコミュニケーションの部分に力を注ぎ、キチンと販路を持ったものとして出品していました.

質の高い商品を生産し続けるには、単に「カタチの良いモノ」をつくるのではなく、デザインの良さに加えて「売れる」ということをどれだけ考えたかが重要になります.
そのためにはお互いのコミュニケーションの質の高さが重要で、出会って間もなくて(当然その技術に対してよく知らない)、距離の離れたところ同士のペアも多いなかでは難しいでしょう.
ただ面白い提案になりそうなところもあり、折角なので息の長い事業にしてもらいたいと思います.

3/4(火曜日)まで池袋東武百貨店10階で開催されています.お近くの方はぜひどうぞ.

 

出展中

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京都ビジネス交流フェア2008に出展しています.
5社のデザイン会社の共同での出展ですが、私のところだけ規模も方向性も違うので妙に浮いている気がします、、、.
ただ、その違いを出さないとダメなので浮いているのを強調した展示にしたつもりです.
それが良い方向に出れば良いのですが、、、

展示会は明日までで、京都の面白い技術をもった中小企業や伝統工芸の会社が集まっています.