(有)加賀スプリング製作所

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バネの疲労と材質の関係

 ばね用材料は疲れ限度は引張強さに依存し、
単に鋼種が変わっても、同一の引張強さで
あれば同じような条件で、
ほぼ等しい疲れ限度を下図のように示す。

  回転曲げ疲れ限度または時間強度図

回転曲げ疲れ限度または時間強度
 
一般の疲れ強さのみについていえば、
添加元素の種類や量、または強化機構などは
直接影響を与えるものではなく、
ばね鋼のように高強度に調質されて
使用される材料においては、
非金属介在物が大きな影響を与える、
即ち介在物の大きさが大きいときは、
疲れき裂の出発点となる為に
疲れ限度と引張強さの比を低下させる。
 
冷間加工によって強さを得る材料(硬銅線、ピアノ線、非鉄ばね材料等)は、
線材の加工度(加工硬化)と成形後の低温焼なましが疲れ強さに影響を与えます。
 

バネの疲労に及ぼす要因について

 弾性限以下で設計されるばねでも、繰り
返し応力下で使用されることにより微小な
クラックが発生し、このクラックが拡大し
て破壊にいたる。この現象を疲労と呼びます。
疲労に及ぼす要因は相互に関連しあい、完
全に区別することはできないですが、力学的、
材料的及び環境的要因に分類する以下のようになります。
 

力学因子
 

1、平均応力と振幅応力の組み合わせ
2、複合応力
3、残留応力
4、振動数
5、入力履歴
6、応力集中
7、表面粗さ
8、磨耗
9、サイズ効果
材料因子 1、材質
2、材料強度
3、熱処理
4、表面処理
5、清浄度
6、脱炭
環境因子 1、温度
2、湿度
3、腐食
4、時間

以上のように多くのものがあり、くり返し荷重を受けることが多いバネの設計では
特に考慮が必要です。

安全係数(安全率)

 材料に実際発生している応力は、永久変形、疲労破壊を防止するため
弾性限以下のある値でなければならない。
 
それは安全上許し得る値でなければならないという意味
で許容応力という。
 
材料の使用時の最大応力と許容応力との比を安全係数、
または安全率と言います。
 
式で表わせば
 安全係数=材料の使用時の最大応力 / 許容応力
 
安全係数(安全率)の大きさを定める為には以下のことを考慮しなければいけないです。
  • 安全係数(安全率)の大きさを定めるには以下のことが考慮すべき条件です。
  • 材料の種類(もろい材料か、粘り強い材料か)
  • 応力見積りの正確度
  • 荷重の種類(静荷重か動荷重か、または衝撃荷重か)
  • 使用環境(高温か、常温か、低温か。腐食雰囲気か)
  • 加工の仕方(表面処理があるか、熱処理があるのか。切欠きの有無)

応力集中と形状係数

 断面に一様な引張荷重(圧縮荷重)が作用するとき、

棒の内部に生じる応力は断面全体に一様に分布している。

ところが、このような棒でも断面の形や断面積が急激に変化すると、

応力が一様に分布しないで応力が異常に大きく発生する部分ができる。

この現象を応力集中といい、下図のような例になります。

応力の分布図

この図でわかるように応力が集中し

平均より大きくなっているところ(図中σmax)と

平均より小さいところができる。

平均応力をσnとすれば

 α=σmax/σn  σmax:最大応力[N/mm2]

で表されるαを形状係数または、応力集中係数と呼びます、
同様に応力集中がある場合の疲れ強さは、ない場合に比べて違っている。

この両者の比をβとすると

β=応力集中のない場合の疲れ強さ/応力集中のある場合の疲れ強さ

このβを切欠き係数と呼ばれ、βの値は形状係数αとは異なり、
材質、寸法、その他製造法などの影響を受ける。
一般にα、βはともに1より大きく、αの方がβより大きい値になります。

 

 

ばね指数

 D/d (平均コイル径 / 線径)で算出される値のことを言います。
このばね指数
が小さくなると局部応力が大きくなる。逆に大きくなりすぎると加工度が小さくなってしまい両者共加
工性に問題が生じてしまう。したがって、ばね指数は、熱間で成形する場合には4~15、冷間で成形す
る場合には4~22の範囲で設定することが望ましい

このばね指数が小さくなると局部応力が大きくなる。逆に大きくなりすぎると加工度が小さくなってしまい両者共加工性に問題が生じてしまう。したがって、ばね指数は、熱間で成形する場合には4~15、冷間で成形する場合には4~22の範囲で設定することが望ましいとされていますが、制作上7~13が最もバランスの取れた製品です、また16以上になると寸法公差を特に大きく取る必要があります。

圧縮バネ

弾性係数

 応力とひずみの関係
上図において、弾性限に至るまでの応力とひずみの関係は、
直線であり、その係数をEとし応力をσ、ひずみをεとすると
σ=ε*E
と表わされ、その係数Eをヤング率、または縦弾性係数と呼びます。
 
またせん断変形においても同様にせん断ひずみをγ、
せん断応力τとすると
τ=γG
と表わされ、その係数Gを横弾性係数と呼びます。
 
また縦弾性係数と横弾性係数の間には、次の関係が成立します。
2G(1+υ)=E
 
このυを横ひずみの絶対値を縦ひずみで割った値です、
これをポアソン比と呼びます。
 
ポアソン比の値は、コンクリートで0.1、金属の場合は0.26~0.3.
ゴムで0.47です、これはゴムが引っ張られて荷重方向に良く伸び
直角方向に良く縮むことを現します。

縦弾性係数:曲げ応力、引張応力、圧縮応力の計算に用いられます。

横弾性係数:ねじり応力、せん断応力の計算に用いられれます。

主なバネ材料の弾性係数の値は次のようになります。

材料 横弾性係数G
(GPa
ヤング率 E
(縦弾性係数)
(GPa) 
ばね鋼鋼材
硬鋼線
ピアノ線
オイルテンパー線

78.5 206
ステンレス鋼線
SUS302
SUS304
SUS304N
SUS316
68.5 186
バネ用ステンレス鋼線
SUS631J1
73.5 196
黄銅線 39 98
洋白線 39 108
りん青銅線 42 98
ベリリウム線 44 127


応力とひずみについて

 軟鋼の試験片を破壊するまで引張ると、
図(a)のような荷重と伸びの関係を示します。
これを応力とひずみの関係に表したものが
図(b)の応力ひずみ図です。
 
荷重と伸びの関係 応力とひずみの関係

荷重を加えていくと、ひずみが増していき、
荷重が余り大きくない時には荷重を取り除くと
元の形に戻りひずみが無くなるこの性質を弾性と言います。
 
対して荷重を取り除いた時に、元の形に戻らず、
ひずみ(永久ひずみ)が残る性質を塑性と言います。
 
この永久ひずみが生じない最大限の応力を弾性限度と言い、
また応力が増加しないのにひずみが急激に増加する点を降伏点、
最大応力を極限強さ(引張試験の時の極限強さを引張強さといいます。)と
言います。

図(C)
応力ーひずみ線図

ばね材料では、図(b)のような応力ーひずみ線図とは異なり、
図(c)のようにはっきりとした降伏点を示さないことが多く、
降伏点に準じる塑性ひずみ0.2%の
応力を耐力と呼び、σ0.2と表わす。
 
弾性限度は、ひずみ0.05%の点の応力としσ0.05と表わし、
せん断応力に対しても同様に、τ0.2、τ0.05と表わす。
 
ばねとしては、永久変形をさせてはいけないので、
応力の限界としては、ひずみ0.05%の発生する
弾性限度以下で使用される方が良いとされています。
 
引張試験ではなく曲げ試験においてへたり(永久変形)を
生じはじめる表面最大応力値をばね限界値と言います。
 
すなわち曲げに対する弾性限度にあたり、
この値を超えるとへたりが大きくなると考えられます。
薄板ばねに使用されるばね用ペリリウム銅、
チタン銅、りん青銅、洋白の板及び条、ばね用ステンレス鋼帯の
機械的性質に採用されています。

物体のひずみについて

 物体に荷重が掛かった時、物体は変形しますが
このとき変形前の形に対する変形の割合の事を「ひずみ」と言います。

 下記図を参照して頂ければ、材料の垂直方向に引張荷重が掛かれば、
その材料は縦に伸び、直角方向には縮み、圧縮荷重が掛かれば縦に縮まり、
直角方向に膨らみます。

ひずみ

このとき荷重方向(軸方向)のひずみを縦ひずみといい、
荷重と直角方向(横方向)のひずみを横ひずみと言い、
縦ひずみをε、
横ひずみε´とすると次の式で表わすことができます。


縦ひずみ


ε=λ
/

λ:縦軸方向の変形量
l:もとの長さ


横ひずみ


ε´=δ
/

δ:横方向の変形量

d:もとの直径


物体にせん断荷重が加えられるときは、下図の点線のように変形する。
このときのせん断ひずみγは下記のように示せます。



γ=λstanΦ≒Φ[rad]

λs:長さlに対するすべり変形量

Φ=せん断角

せん断ひずみ


左下図のように棒をねじると、材料内部には応力とひずみが生じる。
ここで材料内部には
右下図のようにせん断応力が生じていることが解ります。
このねじりによって生じるせん断力をねじり応力といいます。

せん断ひずみをγ、ねじり応力をτとすれば

せん断ひずみ γ=λs/l=tanΦ≒Φ[rad]
ねじり応力  τ=Gγ=GΦ=G・rθ/L
      (:rθ=LΦ)


ねじり応力 せん断応力

[tag:せん断ひずみ ねじり応力]







 

 

 

応力の種類と考え方

荷重が引張荷重のとき応力は引張応力
圧縮荷重のときは圧縮応力

せん断荷重のときはせん断応力(下図)と言います。

せん断荷重

図のように、応力の方向と垂直な断面を考えて、この断面積をA[mm2]とし、
Aに働く引張荷重(圧縮荷重)をP[N]とすれば、応力σは
 
σ=P/A[N/mm2]
 で表されます。
 
せん断荷重P[N]が物体に加えられたときも同じように、
応力の方向と平行な断面を考えてこの断面積をA[mm2]とし、
断面積Aに働くせん断荷重をP[N]せん断応力τは
 
τ=P/A[N/mm]
 で表されます。
 
[tag:せん断応力 ]

バネに掛かる、荷重の種類について

バネは使用上の空間制限のもとに機能への要求、使用期間・環境での強度を持ち、
変形や破壊等を起こらないと言う強度への要求があります。これらを考慮する設計には
荷重条件や使用環境の把握が必要となります。

荷重の種類

 荷重の種類 

荷重状態 

 知るべき数値 

材料の必須性質

 静的荷重

常に一定不変の荷重が掛かっている場合

 (微小荷重の変動は含む)

 荷重たわみ量

 弾性限が高いこと

引張強さが高い

 繰返し荷重

 一定の荷重が繰返しかかる場合

 平均荷重
荷重振幅
たわみ
繰返し数

 疲れ強さの大きいこと

衝撃荷重 

衝撃的に荷重が掛かる場合 

衝撃力
たわみ
繰返し数 

弾制限の大きいこと
衝撃値の大きいこと 

荷重規定用 

秤のようにたわみに対して荷重が
広い範囲に渡り正確である場合 

バネ定数
最大荷重 

弾制限の高いこと
寸法精度の高いこと


[tag:バネの設計 荷重の種類 バネの使用環境] 

 

 

ジョイントバネ


SUSφ0.4で制作したのですが、ある部分とある部分をフレキブルにジョイントさせる
一風変わったバネです。何に使われるか謎~

(この記事には画像があります。画像部分は外部ブログサイトで見れます。)



ボール盤ハンドル用ゼンマイバネ(EFT-50)


本日の出荷

EFT-50

ハンドル用ゼンマイバネ
リボン鋼:t1.0×巾9.5×外60
端部:φ5.0

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SUS304引き抜き材を加工


引張力の低い材料を使うとバネ性が低いので、
普通は使わないですし、降伏点も低いので
バネとしての復元性を必要としないバネ形状を
もつ製品を作りました。

材料が柔らかい為に、高さピッチ等が揃い難い
という難加工物です。

このような座の付き方で垂直性を出すのも
難しいです。

SUS304φ8.0×中30×H135x有5×座各1.5研

 

(この記事には画像があります。画像部分は外部ブログサイトで見れます。)



RAW→JPG変換_2


良く理解できてないのでもう一度挑戦しました。
単にRaw→jpg、リサイズ条件だけで、
前回と異なるのは背景を緑→白に変えただけです。

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繊維機械のテンション制御部のバネを交換!


弊社HPを見て繊維機械のテンション制御部のバネの交換を
したいとお問い合わせを頂きました。

SWCφ10×外77×高100×有10研有 密着 左巻

 

代替品は無事に使えているようです。

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RAW→JPG現像


2005/02/01に開催され参加しました、
「実践!売るためのデジカメ撮影講座まとめ」
にて講師されていた先生と最近セミナーで
再会しました。
「FBで「カメラ頑張ってください」と激励を受けて以来
結構やる気が出てきました。

久しぶりに現像しました。
やっぱ良く解らないです・・・

 

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折損したシャッターバネの復元


ちょっと大変かも!(^^;;

折損したシャッターバネが持ち込まれました、
サイズを取るとインチのようです、
真ん中部分やその周辺で折損しています、
また溶接痕もあるし復元は不可能です。

材料のサイズは無いし、フックの金具は弊社では
製作できないし、近いサイズにて設計しましたが・・・
解決できるかな!?


フック金具

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手加工で圧縮バネを製作


手加工にて製作しました。

材料を芯金に巻き付けてコイル径・ピッチを決める
作業です。バネ屋の基本中の基本かもです。(^^;;

 

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角線スパイラル(画像が無い!!!)


この1年近くHPの更新を怠っていました。
本日やっとのことで作業開始したところ、
画像のサイズがバラバラだったり、
カメラが異なっていたりしてリサイズするのに、
無茶時間が掛かりましたが、何とかアップしました。

ところが時系列に整理されているファイルの
中身がバラバラだったりして画像が足らないことに
今頃気づいたりして、ボォーとし過ぎているのを
猛省しています。

↓は全体画像が無くHPに掲載されなかったもです。
SUS304□5×外34×P28×高300 オープンE
(粉体の送り装置使われています。)


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誕生日プレゼント


今朝、私の誕生日プレゼントが東京にいる実姉から
届きました。
最近好きなオレンジ使いがとってもオサレ感があり、
見せ付ける場面を想像すると、直ぐに中身が・・・(^^;;

(この記事には画像があります。画像部分は外部ブログサイトで見れます。)



製品情報:圧縮ばね・押しばねに自社発電用メンテナンスに弊社製作のバネ SWOSCVφ9.0X外56X高95×T8 研磨


製品情報:圧縮ばね・押しばねに自社発電用メンテナンスに弊社製作のバネ
SWOSCVφ9.0X外56X高95×T8 研磨を追加しました

 




製品情報:板バネ・ゼンマイバネにバーチカルフライス盤のレバー用ゼンマイバネを追加しました。


製品情報:板バネ・ゼンマイバネにバーチカルフライス盤のレバー用ゼンマイバネを追加しました。




製品情報:圧縮ばね・押しばねに円錐コイルバネを追加しました。


製品情報:圧縮ばね・押しばねに円錐コイル圧縮バネを追加しました。




製品情報:引張バネ・引きバネに漁具用バネ・フレキシブルタイプ引張バネを追加しました。


製品情報:引張バネ・引きバネに漁具用バネ・フレキブシルタイプ引張バネを追加しました。




製品情報:圧縮ばね・押しばねに搬送装置用バネ/ショット・無電解ニッケル仕上げを追加しました


製品情報:圧縮ばね・押しばねに搬送装置用バネ/ショット・無電解ニッケル仕上げを追加しました。




製品情報:板バネ・ゼンマイバネに計測機用メジャーの巻取りゼンマイバネを追加しました。


製品情報:板バネ・ゼンマイバネに計測機用メジャーの巻取りゼンマイバネを追加しました。




製品情報:引張ばね・引きばねにバイク用チャンバースプリングを追加しました。


製品情報:引張ばね・引きばねにバイク用チャンバースプリング(Uの字フック)を追加しました。




製品情報:引張ばね・引きばねに台車の幌カバー用バネを追加しました。


製品情報:引張ばね・引きばねに台車の幌カバー用バネを追加しました。




製品情報:ねじりばね・細工バネに害獣対策用フェンス連結用クリップを追加しました。


製品情報:ねじりばね・細工バネに害獣対策用フェンス連結用クリップを追加しました。




製品情報:ねじりばね・細工バネに新型ワカサギガイドSPを追加しました。


製品情報:ねじりばね・細工バネに新型ワカサギガイドSPを追加しました