応力とひずみについて

 軟鋼の試験片を破壊するまで引張ると、
図(a)のような荷重と伸びの関係を示します。
これを応力とひずみの関係に表したものが
図(b)の応力ひずみ図です。
 
荷重と伸びの関係 応力とひずみの関係

荷重を加えていくと、ひずみが増していき、
荷重が余り大きくない時には荷重を取り除くと
元の形に戻りひずみが無くなるこの性質を弾性と言います。
 
対して荷重を取り除いた時に、元の形に戻らず、
ひずみ(永久ひずみ)が残る性質を塑性と言います。
 
この永久ひずみが生じない最大限の応力を弾性限度と言い、
また応力が増加しないのにひずみが急激に増加する点を降伏点、
最大応力を極限強さ(引張試験の時の極限強さを引張強さといいます。)と
言います。

図(C)
応力ーひずみ線図

ばね材料では、図(b)のような応力ーひずみ線図とは異なり、
図(c)のようにはっきりとした降伏点を示さないことが多く、
降伏点に準じる塑性ひずみ0.2%の
応力を耐力と呼び、σ0.2と表わす。
 
弾性限度は、ひずみ0.05%の点の応力としσ0.05と表わし、
せん断応力に対しても同様に、τ0.2、τ0.05と表わす。
 
ばねとしては、永久変形をさせてはいけないので、
応力の限界としては、ひずみ0.05%の発生する
弾性限度以下で使用される方が良いとされています。
 
引張試験ではなく曲げ試験においてへたり(永久変形)を
生じはじめる表面最大応力値をばね限界値と言います。
 
すなわち曲げに対する弾性限度にあたり、
この値を超えるとへたりが大きくなると考えられます。
薄板ばねに使用されるばね用ペリリウム銅、
チタン銅、りん青銅、洋白の板及び条、ばね用ステンレス鋼帯の
機械的性質に採用されています。