西谷経営技術研究所

【マーケットイン・プロダクトアウト】

昔TQCで覚えた懐かしい言葉を最近聞きました。

「TQC」:Total Quality Control(全社的品質管理)
バブル時代に大流行した改善手法です。

Q7(QC七つ道具)・N7(新QC七つ道具)
どれも以前からあった手法をまとめただけのものだが、多くの経営者から
すごく斬新に捉えられた。
大学の先生方を審査員に迎えて権威づけをして、企業規模の大小を問わず、
「何が何でもTQC」という風潮を国内全域に広げていった。

このマーケティング手法は素晴らしい。
TQCそのものよりも大いに学ぶところがあります。

 

【ISO2015年改正版リリース】

ISO2015年版がリリースされました。

JIS公示は11月予定ですので、早ければ年内に日本語訳が出てくるでしょう。

要求事項の細かな解釈は管理責任者に任せておいて、
経営者の方は本質を掴んで、経営改善活動に活かしてほしいと思います。

本質とは「外部・内部の課題解決」。
課題を絞り込んでテーマアップしていってください。

課題の大きさは、3ヵ月で解決できるものが最適です。

問題解決を通じて一人一人の能力アップを図る。

くれぐれも形式的ISOにならないように、ぜひともご注意ください。

【自部門のアウトプット(成果物)は?】

営業業務の成果物は、お客からいただいた注文データ。

資材部門は、仕入れ先から納入された資材。
計画部門は、製造計画表。
製造部門は、製品。
保全部門ならば、完全な状態の設備
がアウトプット。

 

【ライバルの一枚上手を】

西谷さんは「独自性を出せ」とおっしゃるけど、うちにはそんなものはありません。

工作機械も一通りありますが、他社と似たり寄ったり。
注文を取るには値下げしかありません。

価格競争の泥沼に陥ったらもう最後。
品質で差別化できないのなら、短納期を狙えばいい。
こんな工場に限って、標準リードタイムも決まっていない。
急ぐものから順番に、無計画に生産している。
ライバルも似たようなものでしょう。
だったら、ほんの少し科学的な生産管理技術を導入するだけで、大きく差別化できますよ。

 

【リードタイムを短縮する】

特徴を出せ、と言われても、うちには取り立てて何の特徴もない。

技術も商品も他所と似たり寄ったり。
注文を取るためには、値下げするしかない。

商品だけが特徴ではない。
「短納期」は強い武器になります。

 

【フューチャーイメージを描く】

今の仕事にどれだけロスが多いか。

分析してロスをなくせば、仕事がスムーズに進む。

それだけではまだまだ積極的に改善しようという機運が高まらない。

理屈では理解できても、感情の理解が今ひとつだからだ。

感情で理解していただき、納得していただくためには、改善後の仕事をありありとイメージしていただくことが一番。

これまでこんなに雑然としていた仕事が、こんなにすっきり整理される。

「朝出社したら、まず何をしますか?」
「前日にどんな前準備を済ませておきますか?」

頭の理解だけでは積極的行動に結びつけるには不十分。

身体でイメージを実感していくことが最適です。

 

西谷経営技術研究所のホームページはこちらです。

   => http://www.nishitani-keiei.jp

【先ずは最適化から】

Q:
歩留が90%しかありません。
同業では95%が標準なのに、このまま放置できない。
手っ取り早く歩留を上げる方法はありますか?

A:
平均歩留が90%といっても、バラツキがあるでしょう。
最低はどれだけですか?

Q:
先月は85%でした。機械の故障が多かったので。

A:
一番いい時は?

Q:
92%出た時があります。3,4ヵ月前でした。

A:
いきなり95%を狙うのでなく、底上げからいきましょう。
平均以下の歩留をかさ上げするのです。

【教育していますか?】

 
旋盤の使い方を教えないで、いきなり旋盤加工をさせようとしても
うまくいくはずがありません。
 
旋盤の熟練工に指導させるか、社内にいなければ、社外訓練に出せば
いいのです。
 
機械の「故障停止」が多くて、生産が進まないからといって、
 
「故障停止を半分に減らせ!」
 
と指示しても、やり方を知らなければ何もできない。
 
指示された側は、やり方を知らないからと言って放っておくわけに
いかないので、「手探り改善」を始めることになるわけですが、
手探りで効率的な改善ができるわけがない。
 
工場改善をするならするで、実践できる要員を育てなければならない。
 
これが上位者の責任です。

【まずはマクロなロスに着眼】

 

【まずはマクロなロスに着眼】

エレベータで「閉」ボタンを先に押してから「行先階」ボタンを押すのと、
「行先階」ボタンを先に押してから「閉」ボタンを押すのとでは、
どちらが早くエレベータがスタートするか?

「行先階」を押さないと「閉」が作動しないタイプもたまにありますが、
ごく普通のエレベーターの場合は、
ボタンに手を伸ばす時間を考えないとすれば、「閉」ボタンを先に押すほうが早い。

だからといって、こんな1秒以下のミクロな時間短縮を考えるより先に,
改善すべきもっと大きなムダ時間はいくらでもある。

物事を細かく観察することは大事なことですが、細部にとらわれすぎると
全体が見えなくなってしまう。

工場でも、電燈を消して回るよりも、原価を1円下げることに頭を使わないと、生きた工場改善につながることはありません。

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