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送り火

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サスガに最近の日中は部屋の中でも暑く、クーラーをかけないとMacは3分程度で熱暴走をはじめます.

夕方からは、毎年お邪魔しているソフトデバイスさんのパーティへ.こちらはインタラクションデザインのデザイン事務所さんで、業界では有数の所です.

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毎年ほぼ日さんの企画とタイアップして、送り火のインターネット中継をされています.今年はチームで撮影だそうで、大文字がなんとか見える会場にも他の送り火の画像が送られてきていました.

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会場にはライトペンが置かれていて、空中でライトペンを振ると、その軌跡がプロジェクターに残像として残ります.テクノロジーは色々とありますが、それを定性的な感覚でコーディネートするのがデザインの力でもあります.

仏壇屋さんの舞台裏

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勉強会でお世話になっている京仏具小堀さんで、山科の陶器市に併せて工房のオープンハウス(なんて呼ぶのだろう?)をされているので行ってきました.
本当は金曜日に行こうと思ったのですが、車が動かなくなって(10年間変えていなかったバッテリーについに反旗を翻されてしまいました)なんとか終わる間際に行きました.

工房見学も、担当者の方が付いて色々と説明をしていただけたので、全然知らない世界を良く理解できました.

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仏壇には設計図なども一応ありますが基本的にこの棒に採寸して、これ一本でそれぞれの寸法を測る定規兼設計図の役割をするそうです.つまり仏壇のデザインはこの棒一本がカギになるわけです.
(屋根の曲線などは別の型があります)
ちなみにこの棒は、浅草本願寺のものだそうです.

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圧巻は改修中の東本願寺の厨子で、こんなに間近でみるのは最初で最後でしょう.
説明していただいた方によると、屋根だけで2トンあったそうです.
金物も鍛金ではなく、掘ってこの厚みの装飾をしているそうで、エッジが効いてシャープで重厚な印象です.
プロポーションとディティール両方のデザインの完成度の高さに見とれてしまいます.

この仏具店さんは、日本の生活に仏壇が使われなくなっていることの危機感から、工房を開放して知ってもらう活動を継続されているようです.どの伝統工芸も、現場に足を踏み入れるとものすごい技術やデザインをお持ちなのですが、それを再び知らしめる活動に苦労しています.
こちらの活動を見ていると、奇策ではなく不断の努力がやはり効果が高いのだと実感します.

デザイン・ウォーズ(笑)

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NHKスペシャルのデザイン・ウォーズを見ました.まあ、一般向けにデザインというものを紹介したものになっていますが、気になった点として、

・「デザイン」=「スタイリング」(単なる差別化の道具)という図式が見えるような気がするが、デザインとは何かに関しては、あまり掘り下げも定義づけもされなかった.
・その割には経営者クラスは、「デザインが重要」と紋切り型のコメントしかしないし、そこを掘り下げた取材もされていない.若しくは取材先にそこまでの考えがない.
・デザインが、デザイナーの感性(だけ)で決定されるように写った.
・デザインを技術やマーケティングの、一要素としてのとらえ方で取材がなされていた.
・この番組を見ると、メーカーは経営陣はデザイナーにカバーリングのスキルしか要求してこなかったし、デザイナーもその程度でしかのリサーチや技術、マーケティングの現場を見てこなかった、様に写っていた.
・NE○のデザイナーもマックを使う(ちらっと見えました)
・あのタイトル動画とタイトルのフォントはいかがなものかと、、、

なんか切り口が一定で無かったような気がして、なんかデザインをする現場の人の考えが反映されていない様に感じたのは、穿った見方をしすぎでしょうか、、、? もしくは、本当に、、、、、、ゾーーッ.

それとは別に、ああいう消耗戦のデザインはしたくないなぁ、、、というのが、そういう現場をいったん離れた人間の素直な感想です.まあ、現場に入れば周りが見えなくなるのですが.

花紋折り

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紙を折る事に関する資料が欲しくて、ドタバタと図書館に行き、時間もなかったのであまり考えずに数冊選んで借りてきました.
その中の一冊が、芸艸堂の「花紋折り」という本.
これは紙を一定の法則でそれぞれ内側に折り曲げて、花のような幾何学模様をつくったものです.巻末に簡単な原理がありますが、シンプルなのに幾何学的なデザインが面白いし、使っている紙の模様や色合いも絶妙です.

なんでも、この花紋折りをはじめられた内山さんという方を「発見」したのが柳宗理さんだったそうです.当時かなりの高齢だった内山さんを自分の事務所の所員扱い(要は給料などを払う)にして、自由に創作してもらっていたものをまとめたのがこの本です.

巻頭の解説にも柳さんが、
「花紋折りは、無限の幾何学模様をかもし出しますが、数学的な一定の法則をもとにして展開されたものです.それには必ず中心があり、その中心から四方に、平等に遠心的に模様が広がります.その形態は直線的構成によっていて、マックス・ビルの抽象絵画のように、すこぶるモダーンです」
「近代デザインの基礎をなす重要なファクターは、どうやったらアイディアの捻出が得られるか、そしてどうやったら新しい美の想像が展開されるかということです.その為に今日では、種々の実験方法(イツクスペリメント)の手法がとられますが、この花紋折りはまさに、その意味で私が感心し、何とかして内山さんの意思を継いで発展させたいと思ったのです.」
などと大絶賛です.
こういうのを見ていると、インスタントなデザインでは太刀打ちできない深みを感じます.

プロダクトデザインによるファシリテーション

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今日も和紙の産地をウロウロ.
色々と提案をしますが、「面白そう」とスグに乗ってくるところと「どうしよう?」とスグに腕組みをするところと大きく分かれます.ただ、構造的に沈んできているので、色々と率先して工夫しているところですら「暗くなる」そうです.

デザイナーなのでデザインで産地のお手伝いをしているのですが、気をつけているのは「あまりデザインをしすぎない」こと.
これはスタイリングを考えないということではなく、伝統工芸の現場では本来は職人が主役なので、彼らが色々と工夫を凝らすしてデザインしていく環境を整えられないかということです.
単に「良いデザイン」を提供していくだけでは、いわばデザインが麻薬の様な作用になってしまい、デザイナーがいなくなった途端に元の木阿弥(か、それ以下)になってしまいます.
職人と一緒に考えてつくることにより、かれらが自分のデザインをつくるという事に積極的になり、デザイナーがいなくなってもどんどんと新しいものを生み出す環境を作れないかともくろんでいます.

そういう、いわば「プロダクトデザインによるファシリテーション」(言葉はかなり曲解して使っているのは自覚してます、、、)が今回の狙いです.

とにかく現場を歩く

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今週末も和紙の産地へ.一応組合を経由しての仕事なので、各漉き場さんに公平に当たりますが、やはりやる気のあるところと組んで成功事例を作るのが先決でしょう.
ヒアリングも兼ねて色々廻っていますが、双方に「こうしたい」という思いがあるとお互い思いもよらなかった新しい切口が見えてきたりします.現場に行くと本当に新しい発見がいつもあります.
今年入学した学生と話していると、「デザイナーってキレイなオフィスで働くものだと思っていました」と言われましたが、プロダクトデザイナーは汚い工場にはいってこそ仕事が出来るものだったりします.

写真は機械漉きの紙を漉くドラムの内側.古い機械ですが、手入れも良く順調に動いていました.

ラヂオの時間

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今日は京都のコミュイティFMである、京都三条ラジオカフェKYOTO HAPPY NPO !という番組に出演させていただくので、収録に行ってきました.
理事をしているNPOの紹介とそのかかわり合いということで喋ってきましたが、最近は人前で喋るのもずいぶんと慣れてきていますが言い直しの出来ないラジオでは(まあ収録だけどほとんど一発取り)緊張していました.それを考えるとキヨピーはすごいなぁ、、、.(地元ネタ)
今週末の日曜日の午前10時からということで、良ければ聞いてください.

その後パーソナリティを努めて頂いた、きょうとNPOセンターのTさんとHさんと情報交換.
色々と面白そうな動きをされています.

竹の家具

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金曜日はインテリアデザインサロンへ.テオリという、竹の集成材を活かした家具や雑貨を製造するメーカーのお話でした.
100%デザインなどで拝見していたので、かなりデザインオリエンテッドな会社のような印象を持っていましたが、お話をお伺いしていると中小のベンチャー企業が手探りながらもデザインを軸に生き残りを図っている様子でした.
逆にその分、出来ることの積み重ねでここまで来た実績の重さを感じました.

竹の素材感は木とはまた違う独特の風合いで、その性質を良く理解してほれ込んでいる社長とデザイナーのコミュニケーションの良さが、商品の質の高さに繋がっているのでしょう.

ブランドって

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最近周りの色々なところで、「ブランドのデザイン」の話題になりました.
今出ているAXISも内省的なブランドの特集です.が、基本的に「ブランド=全人格=信用」なので、単にキレイな服を選んだり、しゃべり方を直したりしても、その育ちの悪さを隠し通せるものでもありません.
当然、信用はお金で買えない(信用がありそうに見せることは可能ですが)ので、行動や考え方の積み重ねになりますが、それをしっかり行って伝えることを続けるのはかなりのパワーが必要です.

まあ、もちろんしっかりした人なのに、ヨレヨレの服で「いいまつがい」ばかりの言葉を使っていては信用は無くなるので、そういう意味でのデザインの仕事は重要なのですけど.

そういう意味では、ブランディングってマイフェアレディなのですね.

コンセンサスのデザイン

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先日地方に出張した際に、駅の多目的トイレ(車いす用のトイレ)に入った際に見つけました.
トイレに非常用呼び出しベルがあるのはよくあるのですが、水を流すボタンと間違って押してしまう人が多いようです.
業界内部では、非常用呼び出しベルの位置なども標準化しつつあるようですが、どちらも「分かりやすくて、操作しやすい」ことを目的にデザインされており、何も考えずに機器を選ぶとこういうことになるのでしょう.

色々とスタイリングへの方策はあるのですが、こういう所に求められるのは「普通はこう操作する」というコンセンサスをデザインすることが根本的な課題解決になるのでしょうね.


関係ないですけど車いす用のトイレは、特に重度の脊損の人には数センチの寸法の差で使えなくなる場合が多々あります.また、階段で上がらないと入れないトイレに、車いす用の設備(傾斜鏡:これ自体車いすでも使えない)があったりと、何も考えずにとりあえずスペックインした、という事例もたまに見受けられます.そういう思考停止のデザインは、良い反面教師になります.