仏壇屋さんの舞台裏

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勉強会でお世話になっている京仏具小堀さんで、山科の陶器市に併せて工房のオープンハウス(なんて呼ぶのだろう?)をされているので行ってきました.
本当は金曜日に行こうと思ったのですが、車が動かなくなって(10年間変えていなかったバッテリーについに反旗を翻されてしまいました)なんとか終わる間際に行きました.

工房見学も、担当者の方が付いて色々と説明をしていただけたので、全然知らない世界を良く理解できました.

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仏壇には設計図なども一応ありますが基本的にこの棒に採寸して、これ一本でそれぞれの寸法を測る定規兼設計図の役割をするそうです.つまり仏壇のデザインはこの棒一本がカギになるわけです.
(屋根の曲線などは別の型があります)
ちなみにこの棒は、浅草本願寺のものだそうです.

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圧巻は改修中の東本願寺の厨子で、こんなに間近でみるのは最初で最後でしょう.
説明していただいた方によると、屋根だけで2トンあったそうです.
金物も鍛金ではなく、掘ってこの厚みの装飾をしているそうで、エッジが効いてシャープで重厚な印象です.
プロポーションとディティール両方のデザインの完成度の高さに見とれてしまいます.

この仏具店さんは、日本の生活に仏壇が使われなくなっていることの危機感から、工房を開放して知ってもらう活動を継続されているようです.どの伝統工芸も、現場に足を踏み入れるとものすごい技術やデザインをお持ちなのですが、それを再び知らしめる活動に苦労しています.
こちらの活動を見ていると、奇策ではなく不断の努力がやはり効果が高いのだと実感します.