美容師御用達の「ヘアケアブラシ L-301、L-331」
情報システム拝見@平安高周波工業
- 2009/01/30 14:00
- 投稿者: nakanishi
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1月27日。有限会社ポータルの神下さんが企画された「中小企業のシステム導入事例を見に行く会」に参加させていただき、平安高周波工業さんの生産・業務管理システムを見せていただきました。
このシステムは、2005年に有限会社ポータルさんが開発されたものです。
平安高周波工業は、高周波焼入れという、高周波電流で金属を加熱し(電磁調理器のようなもの)、水で急冷することで材料表面を硬くする加工処理を行っています。
品物全体でなく、一部分を焼入れすることができるため、大きな釜を必要とせず、省エネです。
工場には、これまで見たこともない大きな歯車が置かれていました。歯車の刃先だけを硬くする処理のようです。
月に約700件ほどの加工依頼があり、そのうち半分くらいがリピート品だとのことです。システム導入前は、書棚から探して前回依頼時の加工条件などを探し出すなど、大変な時間がかかっていました。
今のシステムでは、ファックスなどで届く図面をスキャナーでコンピュータに取り込むことで、図面の保管だけでなく、工場内2箇所の作業現場に置かれたパソコンから随時参照することができるようになっています。
図面だけでなく、加工時の作業状態などもデジタルカメラで撮影して一緒に保存しておくこともできます。
管理業務に関しては、月次の請求書発行が顧客ごとに違う、いわゆる五十日(ごとび)のため、請求管理が煩雑であった点や、製品の工程進捗が一覧できるようになり、納期、作業遅れなどの心配がなくなるなど、大きく改善されたとのことです。
中小企業はこれによって人が何人減ったというような、数字で表現できない点が難しい。
しかし確実に請求書発行管理などは1日以上かかっていたのが、ほんの数分で行えるようになったなど、非常な効果を感じておられることが、五十嵐専務の熱心はご説明から肌で感じることができました。
そのほか、自宅ともネットで繫がっているので空いた時間で作業できることや、出荷前検査のデータもシステム管理され、検査帳票が従来手書きだったのが、パソコン出力の体裁になることで、受注先から好印象で受け取られたというエピソードもお聞きしました。
このシステムは、平安高周波工業と有限会社ポータルの共通の税理士さんが、ポータルさんに「いっぺん見たってや」と相談されたことがきっかけだったそうです。
それで、システムはファイルメーカーというデータベースソフトウェアを使って作り上げられました。
コンピュータシステムを外注する場合、最も問題なのは正しい、抜けのない仕様書が書けるかどうかということですが、今回のシステムでは、いろいろ両者で話をしていく中で、たたき台となるプロトタイプを計17回!くらい提示して最終形態のシステムに持っていったという点にあります。
言葉でのコミュニケーションは、最初に用語を統一することが最も難しいといいます。そこで実際にモノ〔この場合動く画面〕を見ることで、両者の用語も統一されていきます。
システム開発で特に注意を払ったのは、パソコン(キーボード)に不慣れなユーザに配慮した入力画面です。
写真のように、ひらがなボタンを設け、マウスだけで入力できるように配慮するなど、抵抗感なくシステムを使えるようにされている“あったかい”システムです。
従来、企業の情報システムは、効果で長い開発期間をかけた割に有効活用されていないというのが問題となっていた時期がありました。
ソフトウェア開発効率が低かったときは、大きなソフトウェア会社でないとシステムを開発できなかったことも一因ではないかと思います。
複数の人間が携わることで、仕様書どおりに作成されたシステムでも用語の定義、解釈の問題や、言葉で表現できない部分で顧客の要求に一致しなかったなどの要因があったのではないかと思います。
近年、ソフトウェア開発効率が飛躍的に向上してきました。
そのため、小規模のソフトウェア会社で開発できるシステムの範囲が拡大しています。このシステムの開発で行われたようなプロトタイプを頻繁に提示して細かい使用を詰めていけることで、思っていたシステムと違うというずれがなくなるようにもなってきました。
もうひとつ、今回はポータルさんが ハードウェアからネットワークの構築まで全て責任を持ってサポートされている点に感心しました。
見学中に、無線LANで接続されている工場内のパソコンで図面が表示される時間が少し遅いねんということを専務がぼそっと言われた点について 即座に神下さん、システムソフト側、あるいはネットワークの変更のいずれかで対処しますと答えていましたが、これも、ネットワークとシステムソフトの担当が異なっていると、問題の切り分けから 責任の所在などたらいまわしになってしまう危惧があります。
五十嵐専務は、コンピュータシステムを入れるとこんなに業務効率が上がったことに感激した。他の企業もどんどんシステムを入れて行ったらいいのにといわれていました。
まさにそのとおりなのですが、今回の税理士さんのように、ポータルさんとの橋渡しをされた人の存在がきっかけとなったように 何らかのキッカゲが必要なんだと思います。
普段“普通に”作業していると、普通でない状況は想像できません。今回も、ポータルさんと会って、いろいろ説明を聞き、システムを開発しようという決断に至ったのは、普通でない状況が“イメージ“できたからだということでした。
少し前のBMBでの話題で、ソトカン製作所さんが「ボランタリー経済」という言葉を紹介されていましたが、今回の税理士さんが担った役割でこの言葉を思い出しました。
直接的に自身の利益、仕事ではないが、顧客の困っている点に“気づき“、ポータルさんを紹介するという人と人とのつながりで広がっていったケースだと思います。
これはまさにBMBが目指す点でもあります。BMBはマッチングを目的とするコミュニティーを目指していますが、会員同士でこのような“つながり”いい(e)関係ができるようにしていきたいと思いました。
大変得ることの多かった「中小企業のシステム導入事例を見に行く会」でした。五十嵐さん、神下さんありがとうございました。
「中小企業のシステム導入事例を見る会」というのは少し敷居が高いですね。ITに関わらず、ものづくり現場を見に行く会(IT版)ということでどうでしょう?
最後に、平安高周波工業さんは昨年産技研を利用していただく機会があり、
「始め敷居が高いと思ったが、大変親切に対応してもらって課題を解決することができた
われわれのような中小企業が相談にいけるよういつまでも存在していてほしい」
という、ありがたいご意見を頂戴することもできました。
このシステムは、2005年に有限会社ポータルさんが開発されたものです。
平安高周波工業は、高周波焼入れという、高周波電流で金属を加熱し(電磁調理器のようなもの)、水で急冷することで材料表面を硬くする加工処理を行っています。
品物全体でなく、一部分を焼入れすることができるため、大きな釜を必要とせず、省エネです。
工場には、これまで見たこともない大きな歯車が置かれていました。歯車の刃先だけを硬くする処理のようです。
月に約700件ほどの加工依頼があり、そのうち半分くらいがリピート品だとのことです。システム導入前は、書棚から探して前回依頼時の加工条件などを探し出すなど、大変な時間がかかっていました。
今のシステムでは、ファックスなどで届く図面をスキャナーでコンピュータに取り込むことで、図面の保管だけでなく、工場内2箇所の作業現場に置かれたパソコンから随時参照することができるようになっています。
図面だけでなく、加工時の作業状態などもデジタルカメラで撮影して一緒に保存しておくこともできます。
管理業務に関しては、月次の請求書発行が顧客ごとに違う、いわゆる五十日(ごとび)のため、請求管理が煩雑であった点や、製品の工程進捗が一覧できるようになり、納期、作業遅れなどの心配がなくなるなど、大きく改善されたとのことです。
中小企業はこれによって人が何人減ったというような、数字で表現できない点が難しい。
しかし確実に請求書発行管理などは1日以上かかっていたのが、ほんの数分で行えるようになったなど、非常な効果を感じておられることが、五十嵐専務の熱心はご説明から肌で感じることができました。
そのほか、自宅ともネットで繫がっているので空いた時間で作業できることや、出荷前検査のデータもシステム管理され、検査帳票が従来手書きだったのが、パソコン出力の体裁になることで、受注先から好印象で受け取られたというエピソードもお聞きしました。
このシステムは、平安高周波工業と有限会社ポータルの共通の税理士さんが、ポータルさんに「いっぺん見たってや」と相談されたことがきっかけだったそうです。
それで、システムはファイルメーカーというデータベースソフトウェアを使って作り上げられました。
コンピュータシステムを外注する場合、最も問題なのは正しい、抜けのない仕様書が書けるかどうかということですが、今回のシステムでは、いろいろ両者で話をしていく中で、たたき台となるプロトタイプを計17回!くらい提示して最終形態のシステムに持っていったという点にあります。
言葉でのコミュニケーションは、最初に用語を統一することが最も難しいといいます。そこで実際にモノ〔この場合動く画面〕を見ることで、両者の用語も統一されていきます。
システム開発で特に注意を払ったのは、パソコン(キーボード)に不慣れなユーザに配慮した入力画面です。
写真のように、ひらがなボタンを設け、マウスだけで入力できるように配慮するなど、抵抗感なくシステムを使えるようにされている“あったかい”システムです。
従来、企業の情報システムは、効果で長い開発期間をかけた割に有効活用されていないというのが問題となっていた時期がありました。
ソフトウェア開発効率が低かったときは、大きなソフトウェア会社でないとシステムを開発できなかったことも一因ではないかと思います。
複数の人間が携わることで、仕様書どおりに作成されたシステムでも用語の定義、解釈の問題や、言葉で表現できない部分で顧客の要求に一致しなかったなどの要因があったのではないかと思います。
近年、ソフトウェア開発効率が飛躍的に向上してきました。
そのため、小規模のソフトウェア会社で開発できるシステムの範囲が拡大しています。このシステムの開発で行われたようなプロトタイプを頻繁に提示して細かい使用を詰めていけることで、思っていたシステムと違うというずれがなくなるようにもなってきました。
もうひとつ、今回はポータルさんが ハードウェアからネットワークの構築まで全て責任を持ってサポートされている点に感心しました。
見学中に、無線LANで接続されている工場内のパソコンで図面が表示される時間が少し遅いねんということを専務がぼそっと言われた点について 即座に神下さん、システムソフト側、あるいはネットワークの変更のいずれかで対処しますと答えていましたが、これも、ネットワークとシステムソフトの担当が異なっていると、問題の切り分けから 責任の所在などたらいまわしになってしまう危惧があります。
五十嵐専務は、コンピュータシステムを入れるとこんなに業務効率が上がったことに感激した。他の企業もどんどんシステムを入れて行ったらいいのにといわれていました。
まさにそのとおりなのですが、今回の税理士さんのように、ポータルさんとの橋渡しをされた人の存在がきっかけとなったように 何らかのキッカゲが必要なんだと思います。
普段“普通に”作業していると、普通でない状況は想像できません。今回も、ポータルさんと会って、いろいろ説明を聞き、システムを開発しようという決断に至ったのは、普通でない状況が“イメージ“できたからだということでした。
少し前のBMBでの話題で、ソトカン製作所さんが「ボランタリー経済」という言葉を紹介されていましたが、今回の税理士さんが担った役割でこの言葉を思い出しました。
直接的に自身の利益、仕事ではないが、顧客の困っている点に“気づき“、ポータルさんを紹介するという人と人とのつながりで広がっていったケースだと思います。
これはまさにBMBが目指す点でもあります。BMBはマッチングを目的とするコミュニティーを目指していますが、会員同士でこのような“つながり”いい(e)関係ができるようにしていきたいと思いました。
大変得ることの多かった「中小企業のシステム導入事例を見に行く会」でした。五十嵐さん、神下さんありがとうございました。
「中小企業のシステム導入事例を見る会」というのは少し敷居が高いですね。ITに関わらず、ものづくり現場を見に行く会(IT版)ということでどうでしょう?
最後に、平安高周波工業さんは昨年産技研を利用していただく機会があり、
「始め敷居が高いと思ったが、大変親切に対応してもらって課題を解決することができた
われわれのような中小企業が相談にいけるよういつまでも存在していてほしい」
という、ありがたいご意見を頂戴することもできました。