ORISTシンポジウム「想像を遥かに超えるデザイン設計をめざして...。」開催報告④(地独)大阪産業技術研究所

2018/08/10 16:00
投稿者: kawamoto(oidc) カテゴリ:セミナー報告

続いて事例紹介2では「金属3Dプリンティングが拓く高付加価値ものづくり」と題して、地方独立行政法人 大阪産業技術研究所(以下、大阪産技研)加工成形研究部 主任研究員(工博)の木村貴広 氏に発表いただきました。

木村貴広



金属3Dプリンティングとは、3次元CADモデルから、除去加工(切削)や変形加工(プレス・曲げ)ではなく、一層ずつ積層しながら立体モデルを造形するもので、その中でも素材として金属を扱う加工法です。

金属3Dプリンティングが拓く高付加価値ものづくり

複雑な形状を比較的短時間で造形することができ、機械部品や金型(冷却水路の自由設計)、人工骨のような機能部品などの試作・開発多品種小ロットの生産分野で注目されています。

本日は、大阪産技研で実施した「金属3Dプリンティング造形技術の開発」についてご紹介します。

金属3Dプリンティングが拓く高付加価値ものづくり

金属3Dプリンティングの中でも、Al(アルミニウム)合金粉末を用いた積層造形技術は、その組織形態や特性について未だ充分に解明されていない部分があります。

そこで本研究では、AC4CHアルミニウム合金粉末を用いて、AC4CH合金のSLM(レーザー光を用いた積層造形法)造形体を高密度化するためのレーザ照射条件を探索し、さらに、最適条件にて造形した高密度体の金属組織および機械的性質を評価しました。

金属3Dプリンティングが拓く高付加価値ものづくり

実験の結果、最適条件で作製された造形体は、相対密度99.8%の高密度体が得られ、その構造は0.5μm程度の極めて微細なセル状組織を呈していました。

また、造形体の機械的性質は同組成の金型鋳造材に比べて、引張強さ、および破断伸びともに大幅に高い値を示しました

熱処理による機械的性質の変化は鋳造等溶製材と異なるため、焼鈍温度の上昇に伴って強度は低下するものの、破断伸びは大幅に向上し、350 °Cの焼鈍によって伸びは展伸材並の30%程度まで向上することが分かりました。

本研究により,AC4CH合金を用いて最適条件にて作製したアルミニウムSLM造形体は、強度・延性のバランスに優れた機械的性質を有することが明らかになり、この結果、高い信頼性(特に延性)が要求される用途への応用が期待されます。

詳細は大阪府立産業技術総合研究所報告をご覧下さい。

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