和泉蜻蛉玉 「千の時」 お香立て
フランス語 demi「1/2」
quart =「1/4」でお話のあとは
demi =「1/2」(ドゥミ)「半分の魔法」のお話です。
『beurre(ブール)』バター と『bière(ビエール)』ビールの「半分」のお話。
フランスに滞在すると
それはありふれたエピソードだけど 初めて耳にするとポカンとしてしまいがちなシチュエーションです。
フランスには一般的なバターとして 塩分を基調にすると
①beurre doux(無塩)と
②beurre demi-sel(有塩)のふたつがあります。そして
③beurre salé もあります。 salé =「塩分のある(サレ)」3%以上の強い塩味のバターのことです。
①の「ブール・ドゥ(無塩バター)」を食べてみると味わい深く塩味があるんじゃないかと思えました。
doux はフランス語で「まろやかな」という意味ですが ここでは塩味がないことを表しています。
②の「ブール・ドゥミ・セル(有塩バター)」の selは「塩」で demi は「半分」ですから
初めてスーパーで遭遇すると「塩分半分のバター」なのだろうと思います。
いわゆる「塩ひかえめ」のバターなのかと。でも実際に食べると塩気が強い!よくよく調べると0.5~3%の塩分のバターなんです。
日本の有塩バター(塩分1.5%前後)より塩分の強いものを食すことが多いから①②③の中では中間の塩分仕様というdemi-sel「半分の塩」でも日本人には強い塩見だったのでした。「塩加減半分」は③の塩分に対する半分だったんだと知るわけです。これがまた美味しい。
ブルターニュ地方の人々(ブルトン)は demi-sel(有塩)を好んで使います。キャトル・キャール、ガレット・ブルトンヌ、ファー・ブルトン、サブレ、クイニャマン、には欠かせません。
ブルターニュ地方は塩の産地でもあるので 塩味でバターをより美味しくできるんですね。
「半分」だから「控えめ」だと思ってしまった『demi』の捉え違いだったんです。
続いてBière(ビエール)の「半分」のお話。
フランスのカフェでは生ビールが飲めます。
テラスでいただくのはこれからが最高の季節です。
「Un demi (アン・ドゥミ), s’il vous plaît !」は「ビールひとつください!」という意味。
雰囲気的には「生中ひとつ!」という感じのオーダー。そこででてくるのが 250㎖の生ビール。
これはビールの量はその昔「パイント」とという単位で数えられていたときの名残で 1パイントとは約0.5ℓ。だからその半分 = demi のグラス生ビールは250㎖という説から。
「Une bière, s’il vous plaît !」(ビールひとつ!お願いします)でもいいんだけど
そのままだったらギャルソンによっては「Un demi ?」(ドゥミだよね)って確認してくれるか またはそのまま瓶ビールが出てくるかも。ちなみに生ビールでなく小瓶でお願いするビールは銘柄でオーダー。
同じフランス語圏でもところ変われば
「Un demi (アン・ドゥミ), SVP(シルヴプレ) !」で500㎖のジョッキででてくる場合もあるみたいです。
奥深い「demi」。それでも美味ければ結果良し。
「半分」の塩梅のメモでした。