① 酵素とは何か

① 酵素とは何か

 健康にとって、タンパク、脂質、炭水化物をバランス良く摂ること、そしてビタミン、ミネラルなどの栄養素を十分に摂ることが最も大切ですが、もう一つの忘れてならない栄養素があり、ます。

それは”酵素”です。

 一般に酵素と言うと、食べ物を消化・吸収する“消化酵素”を思い浮かべますが、それだけではありません。

生命活動を維持する生化学反応に必要な“代謝酵素”があります。

人間の体は約60兆個もの細胞で出来ており、それらの細胞の生命維持必要なエネルギーを食物から得たり、体を動かしたり、病気を治したりなど、すべての生命活動に関わる生化学反応に酵素が必要です。

酵素は働くためには、ビタミン・ミネラルが必要であるため、ビタミン・ミネラルは”補酵素”と呼ばれています。

ビタミン・ミネラルと酵素の両者が協力してはじめてスムーズな生化学反応が行われます。ビタミン・ミネラルを摂取しても、今ひとつ体調がすぐれないという方は、酵素が不足しているのかもしれません。


 現在、約3.000種類の酵素が確認されていますが、それぞれの酵素は1種類の生化学反応にのみ対応し、他の反応に代用されることはないため、すべての酵素が欠かせません。


 酵素の性質で注意が必要なのは、熱に弱いことです。酵素の構造は、ミネラルを中心にタンパク分子が巻き付いた形となっており、48度以上で加熱すると急激に破壊され、60度になると活性がなくなってしまします。

酵素を十分に得るには加熱していない食品が必要であり、加熱食品ばかり摂っていると、酵素不足に陥ってしまいます。


 前述したように、酵素は、その役目から大きく2種類に分類されます。

食物の消化吸収に関係する「消化酵素」と、体の様々な生命活動に関係する「代謝酵素」です。

消化酵素は食物から得られると同時に体内でも生産され、消化器管内で分泌されますが、代謝酵素は体内で生産されるのみであります。


次回は、それぞれの酵素の働きを詳しく紹介致します。


 西村 文朗