梯剛之(かけはしたけし)ピアノリサイタル

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全盲のピアニスト梯剛之(かけはしたけし)さん
のリサイタルが5月14日(木)午後7時から宝塚ベガ・ホールで開催されます。

娘もボランティアとして少しだけお手伝いさせて戴いている宝塚アーティスト協会が主催していますが、私は残念ながら仕事の関係で聴きに行けません。

まだチケットは入手可能ということなので、ご希望の方はお早めにどうぞ!


今回は「オール・ベートーヴェン・リサイタル」とのこと。

公式サイトでベートーヴェンへの思いを次のように熱く語っておられます。

『皆様こんにちは。梯剛之です。(中略)
この二年僕はほとんど毎日ベートーヴェンだけと真正面から向き合っています。
それは何故か皆様にお話してみます。
僕ももう三十才を過ぎました。ピアニストとしてこれから何十年か演奏していく人生を思う時、ここで表現の幅も多彩さももっともっと増やして人生の本当の喜びを表現したい。それには苦悩、あきらめ、痛み、平安、郷愁、憧れ、そんな色々な感情を表現出来る力をつけたら、本当の喜びを伝えることが可能になると思えます。
今迄の自分よりずっと幹を豊かに太く育てる為には表現力にとっても技術的な面にとっても、又、自分の信条的にもベートーヴェンが一番と考えたのです。
ウィーンに住んでから、かれこれ20年になろうとしています。以前住んでいた家のすぐ近くにはベートーヴェンの散歩道や彼の住んでいた家がありました。今住んでいる家のすぐのところはドナウ河でその河沿いの道や手の届きそうに近い森も彼は歩いていたらしいのです。
僕はその道が大好きで、毎日のようにそこを散歩し、空気を吸っているとベートーヴェンをとても身近に感じ、彼の気持ちが伝わってくるような気がします。
又、僕にとって彼の残してくれた手紙や、耳が聞こえなくなって使用していた会話帳が、彼がどんな人で、どんな想いで作曲したのか、又どんな人生を送ったのか、その他のいかなる書物よりベートーヴェンを知る手がかりになってくれます。それでそれを繰り返し読んでいるのです。そして僕は彼に大きな愛着を今感じています。


ベートーヴェンのイメージはと言いますと...何か気難しく、いかめしそうに思われがちですが、実は彼はとても人間的な人でした。
確かに彼は彼の人生がとても大変なものだったので、かんしゃくを起こすことも、頑固な面もあったようですが、それにも増して、彼はとても愛情深く、相手のことを思いやる人でした。けんかをしても必ずその後に「僕が至らなかった、仲直りしようよ」と自分から人間的なつながりを修復しようといつも努めていたのです。人なつこく、又少し恥ずかしがり屋ですが、冗談の好きなところもあって、もし彼が冗談を言う時は、ちょっと顔を赤らめてうつむき加減で、頭をポリポリかきながら、遠慮がちにポロリと言っていたに違いないと僕はひそかに想像しています。』