建設業許可の電子申請(JCIP)セミナーを受講した感想

大阪市城東区の行政書士やまだ事務所でございます。

2022年11月28日の15時から日行連主催の建設業許可の電子申請セミナーに参加しました。

講師は国土交通省 不動産・建設経済局 建設業課の担当官です。

短い時間ですが、大変有意義なセミナーだったと思います。

内容は電子申請の概要と操作方法の触りの説明。
講義が1時間なので深い部分までは難しいですね。

まず電子申請システムの名称は、JCIP(ジェイシップ)と言います。
英語表記の頭文字を取ったものです。

スタートは令和5年の1月10日(火)です。
国土交通省と42道県がこの日に始めます。

東京都は令和5年内に開始予定。
大阪府、兵庫県、京都府、福岡県は未定と…

大阪府で知事許可メインの弊所は、電子化は当面先の話ですが。
始まった時にバタつかないように勉強しておく必要があります。


建設業許可のサイト


全体的な感想は、使いこなせれば申請は楽になるかなと。
同時にうっかりミスで致命傷に至るリスクがあります。

特に会社の登記簿を取らなくても申請できます。
役員の重任登記などが抜けていても気付かないリスクも。
(行政書士的には、登記情報提供サービスで取得が必須)

期限ギリギリで重任登記漏れを発見したら…
更新を飛ばす可能性がありますね。

次に建設業許可の閲覧がPCで可能になるとか。
これが実現されれば、南港まで行って何時間も待って固いイスに座って転記する必要がなくなります。

問題は膨大な資料が電子化されるまでにどれ位の期間が掛かるかです。
(大阪の場合、数年先か永遠にやって来ない可能性も)

説明を聞いていて気になったのが、行政庁の審査前に手数料納付がある様な感じでした。

よくよく聞くと、行政庁(地方整備局など)のチェックが済んでから納付指示が出るとの事。

申請と同時に納付だったら…
取り下げ指示で再度の提出で手数料の二重払いを危惧しました。

流石にこれは無いと思うので安心しました。
(役所にクレームの押し寄せるリスクを回避した?)

最大の特徴はバックヤード連携です。
国税庁と法務局のシステムと連携して、納税証明書と全部事項証明書の取得が不要になると。

少し微妙なシステムです。
肝心の府税事務所や市役所系と連携が無いので、紙の委任状で交付請求が必要です。

また法務局と連携でも登記簿は可能みたいですけど、無いこと証明には言及無し。
(多分、登記されていない事の証明書はNGなんだと思います)

住基ネットや法務局のない事の証明は、個人のプライバシーに深く関わるので連携しないのかなと。
(システムからの情報漏洩が怖いというのもあるかも)

また税務署の連携は、イータックスから自動添付という形になります。

ワイズのシステムと連携するようですね。
ワイズで入力した情報が、そのままJCIPに反映される形になります。
わざわざ打ち直す必要が無いのは助かります。

また初回に取り込んだデータを次回の申請でも出力される形です。
これも有難いです。

行政書士が代理申請する場合、クライアント様と行政書士側の両者でGビズIDのプライムアカウントが必要になります。

申請するには、個人事業主だと印鑑証明書が必要です。
IDが発行されるまでに、2週間から3週間かかります。

代理申請する方法も独特です。
建設会社の方が委任状をJCIPで作成して、行政書士が承認する形です。

紙で申請する時は委任状にハンコくださいと言うだけでしたが、ひと手間増える形です。

何気に助かったのは、入力したデータをPDFで確認できる事です。
入管のシステムの様に、チェックし辛い形だったら嫌だなと思っていました。

データを飛ばす前に、PDFで行政書士とお客様の双方でチェックすることができます。

あと気になったは、添付書類に容量制限があるのかですね。
在留資格の電子申請は、5メガが限界です。
それ以上になると窓口申請になります。

建設業許可の電子化で、行政書士業界も色々変わります。
行政書士事務所の全国展開による競争激化は確実でしょう。

ネット広告は小規模事務所では手が出せない程に高騰するのが見えます。
すでにリスティング広告のクリック単価は、数か月前の4倍から8倍に高騰しています。

環境の変化に対応できなければ、淘汰されるのは自明の理です。

取り残されないように頑張ります。