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ORISTシンポジウム「想像を遥かに超えるデザイン設計をめざして...。」開催報告②サナダ精工株式会社
- 2018/08/04 12:00
- 投稿者: kawamoto(oidc) カテゴリ:セミナー報告
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続いて基調講演2では、「驚き!の日本製100均商品。開発期間短縮、付加価値向上を可能にするデジタルものづくり」と題してサナダ精工株式会社 代表取締役 眞田 和義 氏より、お話をいただきました。
サナダ精工株式会社は、グループ企業として不動技研株式会社、不動化学株式会社を要し、真田氏が全ての代表を務めています。
100均ショップや量販店向けのプラスチック製生活雑貨や消耗品約1,000アイテムを扱い、グループ各社の強みを活かし、企画・製造・販売を一貫して行っています。
100円商品の市場規模は7,800億円と言われ、一般的な商品と違って以下のような特徴があります。
- 小売りとの直接取引
- 返品なし
- 販売応援なし
- リベートなし
- メーカーから各店配送
いずれも中間事業者を入れないことで意思決定の早さとコストの制約を維持するための工夫です。
生産工程における合理性の追求は、製品包装にも及びます。
以前は内職の手作業に頼っていた食品保存容器のシール貼りは、自動ラベラー機の導入により成型サイクル時間が12秒短縮され、24時間の生産個数も2,230個増えました。さらに、成型機2・3台を1名の作業員で補えるようになり、作業効率が大幅にアップしたそうです。
射出成型後、ロボットアームにより組立てラインにセットされる商品
自動ラベラーがラベルを商品に貼付ける
お客様のニーズに迅速に対応するため、2014年に3Dプリンタ(ストラタシス社fortus250 mc)を導入しました。
量産品と同じ材料を使うことで、強度や質感などが立体物として確認できるようになりました。また、ラベルやパッケージのデザインも同時に進めることができ、開発期間の短縮に貢献しています。
商談の際にも試作モデルがあることで具体的なプレゼンが可能となり、その場で開発にGOサインを出していただける確率が高まったそうです。
真田氏が代表になってから創られた商品企画グループは現在5名。全て大阪芸術大学でデザインや映像を学んだ女性だそうです。
市場調査、商品の企画立案からプロダクト・パッケージデザインまで幅広くこなし、グループ企業のサイトデザインやブログ、SNSでの情報発信まで手がけられています。
女性ならではの細やかな感性は、プラスチック製品が引き起こす環境問題にも言及し、現状に満足することなく、100年後も社会から必要とされる真田グループのビジョンやミッションの構築にも貢献しています。