10月5日の数字:客単価2000円がヒット

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立ち飲みが人気だとか。
その背景には安さ+アルファの理由がありました。

そういえば町で立ち飲み屋を見かけることが多くなった。立ち飲み屋といっても昔ながらの、ではない。つまり夕方早い目から、少しでも早くアルコールを注入したいおっちゃんたちが集まる、酒屋がちょっとしたおつまみを用意して飲ませる「あれ」とは違うのだ。

もっとオシャレっぽいのが、最近の立ち飲みである。立ち飲みといいつつ、ちょっとしたスツールが用意されている店もある。おつまみも袋入りの乾き物じゃなくて、店で調理したそこそこの味のものを出してくれる。

その客単価がだいたい2000円まで、ドリンクが一杯500円ぐらい、つまみが串なら一本100円ぐらいから高いものでも500円ぐらいまで。だからつまみを二品、ドリンクを二杯でちゃっと引き上げるスタイルといっていい。これが受けている。

確かに居酒屋もデフレは激しい。が、いったん座ってしまうと2000円以内で収まるケースは少ないだろう。ついつい飲んでしまうことになりがちだ。その点立ち飲みなら、まず安心価格というメリットがあるわけだ。

加えて「立って飲む」メリットが大きい。その意味するところは、時間が切られているということ。なにせ立ってるわけで、長時間はつらい。時間にして30分も過ぎれば、いい加減疲れてもくるはずだ。だから飲むといっても、そんなに時間がかかるわけじゃない。

これが今の若い人に受けているらしい。若手社員は飲みニケーションを完全に拒否しているか、というと実はそんなこともないのだ。彼らだって飲み会そのものは嫌いではない。が、しつこく説教されたりするのが鬱陶しくてうざいのだ。それに飲むといっても、そんなにがばがば酒を飲むわけでもない。

だから「立ち飲みならば立ったままで疲れるので長居せずに済み、説教や深刻な話にはなりにくい(日本経済新聞2009年9月27日付9面)」のが受ける。しかも、最近の立ち飲み屋は女性がすんなりと入れるように内装などの雰囲気作りにも気配りがなされている。

安くて、さっと飲めて、ちょっと話もできて、という今どきのコミュニケーションスタイルにもフィットしているからこその、立ち飲み屋人気。だから都内にはこの系統の店がすでに1000店以上あるそうで、これは牛丼店の800店を上回る(前掲紙)。

関西では、どちらかといえば立ち飲み=おっちゃんの集まるところイメージが強いが、若い人をさらっと誘うのには「立ち飲みでも行けへん?」と声をかけるのがいいのかもしれない。