コルゲートの「グローバル人材」早期育成計画

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 徒弟制度モデルの成否は、リーダー人材を早期に正確に特定できるかどうかにかかっている。

中略

「トップレベルのリーダーは、さまざまスキルをバランスよく身につけ、その使い方やタイミングをわかっている必要がある」

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具体的な選抜はまず、リーダーに求められる資質に注目して行われる。第一に、対人スキルやコミュニケーション能力といったリーダーシップ能力をどれだけ発揮しているかを見る。「コミュニケーションが上手に取れるという類いまれな能力は確実に持っていてほしい。それもあらゆる種類のコミュニケーションに関して」
第二のポイントは、その人がコルゲート独自の文化や価値体系の中でどれだけ仕事をこなし、手本を示せるかである。明確なビジョンを示し、優先順位をつけ、人をやる気にさせ、チームの団結力と集中力を高め、何よりも個人やチームの成功を祝福できるかどうかで判断する。
すべては部下を大事にし、誠実に業務を遂行し、相手を尊重して管理するという大原則に基づいている。
当然、結果を出せるかどうかも重要だが、コルゲートでは、その結果がどう達成されたかにも注目する。成長するリーダーたちの将来性が継続的に評価される中、彼らの成果は経営状況を踏まえて判断される。つまり、景気の悪いときに損失を最小限に抑えたリーダーや、何らかの経営資源を活用するなどして困難な状況を切り抜けたリーダーは、景気や経営状況のよいときに目標を達成したリーダーと同じくらい高い評価を受ける。有力なグローバル人材として選抜されるリーダーは、専門領域を超えていかにビジネスを広く理解し、市場ごとの違い、特に先進市場と途上国の違いを認識できるかも判定される。

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「よくある投資機会の一覧となんら変わりない」という。
「あるブランドを維持しようと思ったら、資源を投入しなければならない。それは人間も同じだ。優れた企業は、保有するすべてのブランド、すべての社員を大事にしている。しかし、目玉となるブランドにはそれなりの投資が必要であり、それは次世代リーダーの候補についても同じことだ」
また、一度リストに載った候補者が最後まで残るとは限らない。「毎年同じプロセスを踏んでいる」「リストは入れ替わる。仕事が難しくなれば外れる人も出てくるし際立った才能を発揮して加わる人も出てくる。それに当然、上に行くほどリストは絞られる」

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時代とともに変わる社員の能力、意欲、制約、可能性に対応し、新入社員から定年間じかの社員まで一人としての才能を無駄にしないメカニズムをつくることが課題となっている。 中略 コルゲートから学べることは、素質のあるリーダーを早期に特定し、相応に扱うこと、そしてリーダーの卵をどう見極めるかについて明確で一貫した考えを持つということである。いったん素質があると思ったリーダー候補には最大限の関心を向けるだけでなく、どれだけ成長したかを丹念に見つめ、それに応じて候補者リストの入れ替えを行うことである。

『CEOを育てる』より