利益率35%を37年続ける!町工場強さの理由

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昨日、機械工具業界の千代田支部の勉強会があり、エーワン精密の創業者である梅原勝彦相談役のお話をお聞きすることができました。

同社は、売上20億円あまりの「町工場」なのに、経常利益率が37年連続で35%を越え、しかも無借金経営。

梅原勝彦

 

このようなご著書もあり、現役を退かれてからは講演依頼も多く、手弁当で全国を回っておられるとのこと。

 

 

『ろくろ』から始まって、『カム』→『コレット』→『切削工具の再研磨』と、出世魚のように、或いは、わらしべ長者のように、他社に先駆けてビジネスモデルを変化し続けてこられた梅原氏の先見性には感心させられました。

‘ブルーオーシャン’という言葉がありますが、競争の少ない分野を見つけて、参入するということが、利益率を確保する大きな要因の一つであるようです。

 

■が、しかし、それ以外にも様々な強さの理由が・・・・

【社員について】

・社員がいまやるべきことを実直にやり続けた結果です。技術も特許もない、普通の工業高校を出てれば御の字という社員ばかり。うちの社員は雑魚かもしれないが、一流の雑魚です。

・一人ひとりの社員が気持ちよく働ける事が大切。そうすることで、自分たちの会社という意識で、お客様に対応してくれる。

・無駄な社員、役員は一人もいない。全員が給料分の仕事をしている。一例をあげれば、ジャスダックに上場すると様々な書類が必要となったが、経理部門の2人の女子社員が全て作成してくれている。

 

【時間・スピード】

・良い品物を、安く、早く提供する。これしかない。品質が良いのは当たり前、悪いのは論外、そんなものは最初から売れない。値段も自ずと適正価格、相場というものがある。差別化できるのは、納期である。スピードである。短納期でモノ造りができる仕組みを作っている。

・その日の仕事はその日にする。始業のベルも終業のベルも鳴らない。誰から言われなくても自分の仕事を一人ひとりがこなす。「今日は今日の為、明日は明日の為。」 

 

【ケチケチ精神】

・必要なモノは買うが、不要なものは釘一本買わない!

・完成品の在庫は持たない。汎用性のある仕掛品の状態で置いておく。

 

【新分野】

・条件(1) その事業は世の中に必要か?

・条件(2) その事業はやり方によっては利益が出せるか?

・条件(3) 万に一つでも業界のトップになれる可能性があるか?

 

【好不況】

・企業の格差がつくとすれば、不況のときの過ごし方で決まる。

・好況→不況→好況の波は5年~10年周期で必ずあるもの。

・不況のときは次の好況のときの準備をしておく。設備・機械のメンテナンス、オーバーホールのチャンス、優秀な人材確保のチャンス。

・好況のときは来るべき不況に備えて、しっかりと内部に利益を蓄えておく。

 

■経常利益率35%へのハードルは高そうですが、できることからやって行きたいと思います。同じ業界に、このような素晴らしい会社があることに、勇気づけられます。有難うございました!

 

 

梅原勝彦2

セミナーの後の懇親会にもご参加戴きました。

工場見学も大歓迎とのお言葉も戴きましたので、是非機会を作って戴ければと思います!

山田支部長様! 宜しくお願いします!