中小企業とロングテール

数年前まで、ネット上での商売は「ロングテール」が大事、と頻繁にいわれました。
ロングテールとは、Wikipedia によれば、「あまり売れない商品が、ネット店舗での欠かせない収益源になる」とする考え方とされています。

よくアマゾンを例にとって説明されていたのですが、最近はこの言葉自体があまり聞かれないように思います。

私はその原因が、Yahoo! や Google といった検索ロボットサービスが一般化したためではないか?と、にらんでいます。

そもそもロングテールという考え方自体が、アマゾンのような大規模ネットショップの販売傾向を見て生まれたものですが、その当時、ネット上にはネッ トショップ自体の数が少なく、ユーザーは大資本で取扱い品目も多い大手ネットショップで商品を探して買い物をするというのがトレンドでした。

また、検索サービスも(ホームページの内容に応じて人力で仕分けする)ディレクトリサービスしかなかったために、ネット上で探し物をするにも結構な回数のクリックを繰り返して、見つかるのは(商品の情報ページではなく)企業などのトップページにたどり着くだけでした。

そんな状況が、Google が始めた検索ロボットサービスによって、個々のページの内容が検索結果として出てくるように大転換したために、ネット上で商品を見つけ出すには大手も零細も関係なくなりました。

あるのは、その商品に関する情報のページです。
これは中小企業にとっては大きなチャンスです。

何しろ大手とは販売数量の分母が違うわけですから、大手にとっては「ロングテール」扱いだった商品でも、中小企業にとっては主力商品として見ることができます。

中小企業から見れば主力商品なわけですから、その商品の説明やサポートに注力してホームページ上の情報を充実させることができます。
大手では手間やコストをかけられない商品だからこそ、中小企業が商品情報を充実させることで、大手では手の届かない消費者に見つけてもらうことができるのです。

ロングテールは、大手ではない、中小企業が担うフィールドになりました。
ネットにはまだまだチャンスがいっぱいあります。