ＭＯＢＩＯ／ものづくりビジネスセンター大阪

　ものづくり支援課からお届けする、ものづくり企業訪問記事第５弾は、確かな技術力でユーザーの視点に立ったモノ作りをモットーに「宇宙からナノまで」幅広い分野の電機・電子計測器を製造している株式会社中央電機計器製作所を訪問させていただきました。 ■こんなところでものづくり？
　株式会社中央電機計器製作所は、大阪市都島区の住宅街の中にあります。
　会社の外観はまさに民家そのもの！
　しかし、その外観とは裏腹に、中では高度な技術を駆使したものづくりが行われていました。
　畑野吉雄社長に社内をご案内いただいた後、お話を伺いました。
































■ものづくりは人の手で！想像力と創造力
我が社の製品はロット数の大きな製品が少ないので、ラインのような流れ作業で仕事はしていません。１つ１つの製品を手作業で製造しています。社内で製品の設計から製作まで行っており、設計やデザインでは「想像力」、製作では「創造力」で技術を駆使し、常に頭で考えて作るものづくりを実践しています。
また、ルーチンの仕事が少なく、希望すればどんな業務でも社員に挑戦させ、いろんな仕事ができるので、従業員は飽きることなく仕事ができます。
誰でもどんなことでもすることができるので、社員もやりがいを感じていることでしょう。

■ピンチはチャンス！「競合」より「共同」でネットワークを構築
　日本の人口が減少していく中、これから国内需要が大きく伸びるとは思えません。また、自社だけが生き残れるなんて思ってもいません。だからこそネットワークが重要になってきます。
ネットワークをいかに築くか。私は常にいろんな方と名刺交換をしてネットワークを築きます。競合するのではなくて、異業種と共同で仕事して、お互い助け合って生き残っていく。そうやって販路を広げていきます。
　また、見方を変えればピンチはチャンスになります。ピンチのときこそ伸びるチャンスです。順調なときは何も考えないし、いいアイデアなんて出てこない。そんな必要が無いのですから。ピンチをチャンスにして乗り切るためにも、常に名刺交換をしていてピンチのときに役立つネットワークを築いています。

■中小企業が人材不足って言うのはウソ
　中小企業が人を採用できないというのはウソ！それは、企業の対応が悪いからです。
　我が社では、大学生のインターンシップを受け入れて８年目になります。また、こちらから大学へ出向いて、中小企業でもいい会社があることをアピールしています。そうすることによって、若い人も中小企業に目を向けてくれるようになります。
仕事は、理系・文系や性別に関係なくどんなことでもやってもらいます。その他、産休制度を取り入れ、結婚して子供ができても仕事を続けられる環境を整備しています。
　おかげで、今年、わが社の採用試験を受験した人数は約１４０名でした。その中から７名を採用しました。
若い人をたくさん入れて、技能伝承もきっちりやっていきたいです。そうしないと会社が発展しませんからね。

■求める人材は夢を持った人
　わが社の採用試験を受ける条件は「夢を持った人」です。
　何か前向きな夢を持った人でないと一緒には仕事をできないですね。
　そして、常に新しいものに目を向け挑戦する、独立心を持った人を採用したいです。それぐらいの意識を持った人は、自分で一生懸命になって勉強しますから。何も目的意識の無い人は入社しても言われたことしかしません。そんな人はうちの会社に来てもらいたくないです。
また、独立心のある人が将来、会社を辞めて独立したいと言えば、５年で辞めてもいいから、その間がんばって働いてくれればいい、うちから吸収できるものは吸収すればいいと思っています。独立した人といい関係・協力関係が築ければ、社員であっても社員でなくても一緒に仕事はできます。人間関係がしっかり築けていないといいものづくりはできませんよね。

【企業概要】
企業名　　株式会社　中央電機計器製作所
代表者名　代表取締役社長　畑野　吉雄
所在地　　〒534－0013　大阪府大阪市都島区内代町2丁目7番12号
設立　　　昭和5年
事業内容　画像検査システム開発（寸法測定、傷・ゴミ検査）
ソフトウェア設計・製作（LabVIEW、VB、VC）
（日本ナショナルインスツルメンツ(株)アライアンスメンバー）
計測制御システム設計開発
FA・システム設計・製作
各種データ収集及び処理
LED照明開発
太陽光発電システム開発
TEL　　　06-6953-2366（代表）
FAX　　　06-6953-2414
URL　　　http://www.e-cew.co.jp/

【記事担当】
大阪府商工労働部商工振興室ものづくり支援課
製造業振興グループ　松原