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国民皆保険(こくみんかいほけん)とは、全国民がなんらかの公的な関与による医療保険制度に加入している状態を指す。世界的には米国を除いた先進国はすべて国民皆保険制度を有している。日本では公的医療保険制度は1922年に始まり、第2次世界大戦で加入率が一時減少したものの、その後は順調に増加、61年には国民皆保険制度を実現している。
米国の現行制度は個人が必要に応じ民間保険に加入。一方、米国の一人当たり医療費は日本の約2.8倍、経済協力開発機構(OECD)加盟国で最も高い。これが保険料を押し上げ無保険者増加の要因ともなっている。米国で国民皆保険が難しいのは政府の関与を嫌う伝統的な価値観などがある、との指摘もある。(日経新聞きょうのことばより)
武器輸出三原則とは、1967年に佐藤栄作首相が国会答弁で①共産諸国②国連決議で武器輸出が禁止された国③国際紛争当事国かその恐れのある国--への武器輸出禁止を打ち出した。76年には三木武夫首相がこれ以外の地域への輸出も慎むと表明し、事実上の「全面輸出禁止」が政府の統一見解になった。武器技術や武器製造関連設備も輸出禁止の対象とした。
配当を前期よりも増やすのが増配で、前期に配当していなかった企業が再び配当を復活させるのが復配。いずれも企業経営者が先行きの業績改善に自信を持つ場合に踏み切ることが多い。純利益のうち、どの程度を配当にまわすか(配当性向)の目安を投資家に示す企業も多く、企業業績が回復してくると、配当も増加に転じるのが一般的だ。
特に個人投資家の間では配当への関心が高く、1株あたりの年間配当額を株価で割って求める配当利代わりなどが投資指標として用いられる。配当利周りに着目した投資信託もあり、配当の増加は株価上昇のきっかけとなる。増配、復配の動きに株式市場は敏感だ。(日経新聞きょうのことばより)
スマートグリッドとは、IT(情報技術)を使って電力供給を自動制御する次世代送電網のこと。風力や太陽光発電など天候で出力が変動する自然エネルギーを円滑に利用するために欠かせない。夜間は発電量を抑えるなど電力需要に応じた発電が可能になるため、二酸化炭素(CO2)の排出削減にもつながる。
インドや中国などアジアを中心に、家庭や中国などアジアを中心に、家庭や工場、ビルなどをスマートグリッドで結んだ都市計画が進行中。経済産業省は今月、国内企業266社と「スマートコミュニティ・アライアンス」を設立。関連技術の標準化などについてまとめる。(日経新聞きょうのことばより)
公示地価とは、国土交通省が毎年3月に公表する全国の土地価格。全国約2万7800地点の標準地について、各地の不動産鑑定士が評価し、国交省の土地勘定委員会が価格を判定する。7月1日時点の地価を表す基準地価などとともに、土地取引価格の目安となる。
住宅地や商業地、工業地などの区分がある。各地点とも複数の不動産鑑定士が評価し価格を判定している。建物の価値などで影響を受けないように、土地を更地の状態とみなして評価する。都心部などでは実際の取引価格が公示地価を上回ることが多い。(日経新聞きょうのことばより)
小売業の改装とは、小売業の投資パターンのひとつで、消費者志向の変化や店舗の老朽化に対応し、流行の売り場などを取り入れること。小売企業は定期的にフロアの一部を見直すが、全面的に店の中身を変えるケースもある。販売不振に苦しむ百貨店では消費者の節約志向に対応し、高級品に偏っていた売り場を閉鎖し、「ユニクロ」など専門店に切り替える動きも出ている。
消費不振に加え、業績低迷による収益力低下で投資余力が減り、小売り各社は投資を抑制する傾向にある。ただ既存店の活性を放置すれば、客離れによる減収をさらに招きかねない。このため出展に比べて増収効果は低いが、リスクも低い既存店改装に一定の投資を充てている。(日経新聞きょうのことばより)
IT戦略本部とは、IT(情報技術)基本法に基づく政府のIT戦略の決定組織。
鳩山由紀夫首相を本部長とし、全閣僚と渡辺捷昭トヨタ自動車副会長、安西祐一郎前慶応義塾長ら有識者で構成する。事務局は内閣官房に置く。初期はブロードバンド(高速大容量)などインフラ整備を目指してきたが、最近はITを活用した新産業の創出に重点を移した。
政権交代後初のIT戦略となる今回は、政府が6月までに具体策をまとめる「新成長戦略」と歩調を合わせた形になる。医療、行政などのIT化のほか、「環境」 「アジア」 など成長戦略が重点分野にする項目で経済成長のけん引力をなるIT政策をうち出せるかが焦点だ。(日経新聞きょうのことばより)
健康保険料率とは、企業と社員が健康保険組合に保険料を納める際に使われる料率。 社員の給与と賞与にこの料率をかけて算出した金額が保険料となる。健康保険料率は3~10%の間で設定でき、企業が5割以上を負担しなければならない。
健保組合の財政は2007年度まで小康状態だったが、後期高齢者医療制度などの導入で急速に悪化。健康保険組合連合会の集計では、09年度は全国1484組合のうち 191組合が保険料率を上げた。主に中小企業が加入する協会けんぽ(旧・政府管掌健康保険)も保険料率の引き上げを決定。09年度は全国平均で8.2%だが、10年度は同9.34%になる。(日経新聞きょうのことばより)
人民元改革とは、中国の通貨、人民元の為替レートの形成に市場機能を取り入れるための一連の改革を指す。2005年7月に対ドルでの2%強の切り上げと、ドル連動相場を1ドル=約8.28元に固定(ペック)していたが人民元相場の変動を容認した。その後、3年間で対ドル相場は約2割上昇した。
しかし、人民元の過度の相場変動を防ぐため、中国人民銀行(中央銀行)が相場に介入する制度を維持している。08年夏以降は金融危機の影響を和らげるため、為替介入により対ドル相場を、6.8元台に再び固定している。貿易不均衡を背景に欧米などから人民元相場の切り上げ圧力が高まっている。(日経新聞きょうのことばより)
年金積み立て不足とは、企業や退職金の支払いに備えて積み立てるべき額(退職給付債務)にたいして、年金資産と退職給付引当金の合計額がいくら足りないかを示す。株式や債権による年金資産の運用収益が、期待を下回った場合などに発生する。株式相場の上昇などで運用収益が改善すれば、積み立て不足は解消に向かう。
日本では2001年月期に退職給付会計が導入され、問題が表面化するまでの平均年数内で分割し、損益計算書上で毎期費用として計上する。積み立て不足が多いと、収益の重荷となる。(日経新聞きょうのことばより)
企業として、年金を保障するのは従業員に報いるためです。景気悪化による思わぬ運用収益悪化にも組織として対応するために積み立て不足分の扱いを考える必要がある。状況によりその対応は大きく変わる。ここでも、組織と対象者の間にはコミュニケーションが不可欠です。誠実な対応がお互いに必要です。