重慶爆撃から大阪空襲、そして広島、長崎へ続いて

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 「ピースおおさかの危機を考える連絡会」の連続講座「戦争を忘れない 中国で無差別爆撃をした日本軍 重慶大爆撃の証言」に参加しました。

 ご承知のようにあの戦争で、広島、長崎の原爆投下、東京、大阪の大空襲を含め、アメリカは日本の多くの都市で無差別爆撃をしました。その米軍による無差別爆撃が起きる前に、日本は中国・重慶に首都を移した国民党政府・軍に打撃を与えようと、重慶市を中心に無差別爆撃を行いました。住民の死者は1万人規模、傷者は十万人を超えるといわれています。

 講座ではその重慶爆撃で祖母、叔母ら3人の家族を亡くし、その被害を子供のころからよく聞いていたご遺族の馬福成さんらが証言しました。馬さん、

 「家族7人のうち3人が亡くなり、残った4人も家を失って苦しい生活を強いられた。回族(中国の少数民族)の同胞の支援で生き延びた。日本に行くと言ったら、親類から空襲の残酷さを伝えてきてくれと託された。ほとんどの日本人が重慶爆撃のことを知らないのを実感した」

 講座の中ではこんな話も出ました。連合国は東京裁判で日本の重慶への無差別爆撃を裁かなかった。それは日本での広島、長崎への原爆投下、東京、大阪など日本各地への無差別爆撃を正当行為と主張していたから。もし重慶への爆撃を裁いたら、アメリカの日本での爆撃を裁かざるを得なくなるからだと。

 大阪の平和学習の拠点、ピースおおさかにはその重慶爆撃の展示があるそうです。馬さんはピース大阪を訪問されました。そのピースおおさかから重慶爆撃など戦争の加害の展示をなくそうとの動きがあります。被害だけを強調し、加害の歴史に目をつぶる展示は決して世界からの共感を得ません。さらには歴史の歪曲にもつながります。ピースおおさかの展示に感動した馬さんは最後にこう話されました。

 「重慶爆撃の展示がピースおおさかにあるのを見て感動した。それが撤去されようとしていることに疑問を感じる。事実を覆い隠すことは住民の禍になる」

 広島、長崎、東京・大阪の大空襲も重慶爆撃とつながっています。その重慶のことをも学んでこそ広島、長崎の原爆投下、東京・大阪の大空襲の本当の意味が分かります。真の平和教育になります。ピース大阪から加害の展示がなくならないことを切に願います。

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