ここまで進んできた企業のワーク・ライフ・バランス支援

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お盆休みで、いつもと違ってゆったりと朝食。ふと目にした「日経ビジネス」最新号の記事。

そこには、「まず転勤のあり方を見直そう」という大学教授のコメント。企業側は、本当にその人を転勤させなければならないのか、仕事(役割)面と人選面の両面で見直そうというわけだ。

転勤全般に通用する話ではあるが、
記事の本文は、昨今の海外転勤事情についてのもので、「共働き夫婦が増える中で、配偶者の海外転勤で「退職」か「別居(つまり単身赴任)」かの選択を迫られ悩むケースが増えている」。その対策として、「配偶者の海外転勤で退職する人材流出を防ぐために、一定期間の休職を認める企業が増えている」というものだ。

(なるほど、女性診断士の中にも、夫の海外転勤に一家で同行されている方もいるが、退職か休職かを尋ねたことはなかったな~)

事例として取り上げられている企業は、大手メーカーや商社が中心だが、配偶者が社内に在籍しているかどうかに関係なく休職でき、また、復職後のキャリアについては、キャリア・アドバイザー制度を設けるなど、形式だけでなく企業の本気度が伺える内容だ。

私の世代の友人・知人たちは、特に子どもが小さい(中学生以下の)ときは、妻が仕事を辞めて一家で海外に赴任するのが当り前で、一種のステイタスのようでもあった。

一方、国内の転勤では、(我が家もそうであるが)妻が仕事を持っていたり、子供たちが受験年齢に差しかかると、夫が単身赴任というのが、定番だ。

この記事の表現では、あくまで配偶者となっているが、実際には、夫の海外転勤で妻が悩むケースが大半だろうし、文中にも、女性社員の退職理由として目立って~ともかかれている。

結婚、出産、育児・・・という人生のイベントには、育児休業法などが整備され、働き続けるための制度と環境がかなり整備されてきたが、夫の海外転勤(もちろん国内でも同じだが)への対応までは、法では面倒を見てくれない。

それでも、女性社員を戦力として人材として、大切に育てていこうと本気で考え、退職しなくてすむような自社の制度を整備する企業が増えていることは、たいへん素晴らしく嬉しいことだ。
中には、夫婦揃って海外転勤したり、妻の方が海外転勤で夫がついていくというケースもきっと出てくるだろう。


経営者や企業人の方をターゲットに、企業にとってのワーク・ライフ・バランス支援をテーマにときどきセミナーをにさせていただいている立場として、「育児休業を取得し復帰した人は、人材としての付加価値が高まる」と、いつも言っているのだが、休職中に海外生活の様々な場面を経験した人は、(休職しながら)さらに大切な人材として価値を高めていくことだろう。


これは、大企業のお話、などと言ってないで、われら中小企業もぜひ真剣に取り組む必要がありそうだ。