就活をめぐる攻防

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就職活動を「就活」と短縮するようになったのは、いつ頃からなんだろうか。(最近では、「婚活」という言葉さえある状況ですが…)
今日は、公私ともども「就活」を考える機会をもらった一日だった。

プライベートでは、二男の就活が二度目の山場を迎えている(らしい)。

一方、女性診断士の会、ピザの会では、とある中堅企業の人事採用担当部署で働くAさんから、採用事情を訊きながら、彼女が業務上悩んでいる課題についてディスカッションを行った。

30数年前に就職した私の体験など今は昔…。求人する側も求職中の学生たちも、それぞれたいへんな苦労がある。
昔と大きく違うのは、情報量の多さと、情報入手ルート(技術)の進歩。そして、企業側の経営環境の厳しさだ。 学生たちは、インターネットを中心とした情報洪水の中で、いかに溺れず、うまく操れるかが、必須能力となる。
就活サイトのマイページにアクセスして、エントリーしている各企業からのメッセージを確認し、次の行動予定を決めることなど、基本の基だ。(移動中にも確認のタイミングを逃さないように、二男は、スマートフォンをねだっているが、それが必須になるような状況は変だよ、と今のところ我慢させている・・)
その上で、情報に翻弄されずに、自分をしっかり見つめて、これまでの自分の経験や強みをアピールし、また、これからの自分のしたいこと、人生観や未来像、企業への貢献性を問われる。
二男から入手した情報では、グループディスカッションが一番くせ者で、テーマも「当社の新事業展開についてのアイデア出し」だったり、「一定の制約条件下での新業態の店舗をA~Dのどこに出店すべきかの結論をグループで一本化すること」だったりと、恐らく経験豊富な社員や、我々コンサルタントにとっても、手強いものが多いようだ。

こんなことを、数社、数十社繰り返していたら、それは、「就活」という名の「人材育成」そのものだよな~と感じる。事実、「めっちゃいろんなこと考えてたり、調べたりして勉強している」らしい。

一方で、人事担当者の相談ごとは、大きな経費をかけて、インターネット就活サイトに登録できない自社の採用活動について、だった。ネットに掲載している企業には、1万人単位で応募があることも少なくないが、これは、数名の採用を予定している堅実な中堅企業には、サイトの登録コスト、人事関連業務の(人件費)コストともに、負担が大きすぎる。
かと言って、これを利用しなければ、極端に応募者数が減少し、限られた中からの人選となり、「これでいいのか」という悩みがつきない。
今年は、東日本大震災の影響で、大手企業の全国規模の採用活動が時期を遅らせているので、従来大手の採用が一段落してから本格化してくる中小、中堅企業は、動きづらいという事情もある。

こんな中で、Aさんが取り組んでいる採用ツールについて、皆で意見を出し合った。

我々は、「人材は人財」「ヒトは最大の経営資源」と、よく言うが、わかっていても、実践することはなかなか容易ではない。

息子の就職、ピザの会のAさんの会社の採用が、うまく運ぶことを祈るばかりだ。