横弾性係数(剛性率)

縦弾性係数は引張、圧縮、曲げなどに働く応力に対しての弾性係数ですが、物体をねじる方向に力を与えると、長さの変化は伴なわず角度の変化を伴うせん断力と呼ばれる種類の力が発生する。この力の作用に伴い、せん断応力τとせん断ひずみγが生じる。せん断方向の比例限以下ではせん断応力とせん断ひずみとは比例関係にあり、この比例定数を横弾性係数と呼びGで表します。

横弾性係数は等方性弾性体においては縦弾性係数とポアソン比とが分っておれば次式で計算することができます。

G=E/2(1+γ)

ポアソン比の多くは等方性の金属材料では、凡そ0.3なので上記式はE=2.6Gとなます、またコイルばねにおける応力はせん断応力なので、圧縮・引張ばね設計には横弾性係数を用います。

 

材料 横弾性係数G
(GPa
ヤング率 E
(縦弾性係数)
(GPa) 
ばね鋼鋼材
硬鋼線
ピアノ線
オイルテンパー線

78.5 206
ステンレス鋼線
SUS302
SUS304
SUS304N
SUS316
68.5 186
バネ用ステンレス鋼線
SUS631J1
73.5 196
黄銅線 39 98
洋白線 39 108
りん青銅線 42 98
ベリリウム線 44 127