5月19日の数字:社長は火星にいる思う社員20%

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社員との距離、どう感じていますか?
社長から見た社員との距離と
社員から見た社長との距離には
相当大きな開きがあるようです。

社内コミュニケーション問題

「火星にいる」と言われては社長も立つ瀬がない。しかし、社員の2割ぐらいは、社長との間に感じる、気持ちの上での距離を「違う星にいる(4億キロ)」と答えたそうだ(日経MJ新聞2010年5月17日付10面、元データはJTBモチベーションズ社調査より→ http://www.jtbm.co.jp/newsrelease/440-310

もっとも調査対象は、従業員500名以上の企業である。中小企業には、当てはまらない話なのかもしれないが、さて。

ちなみに「違う星にいる」の次に多かった回答が「違う国にいる」で、これも約2割。逆に「姿は見えているが、離れている」「すぐそば」「一心同体」は合わせても5%に満たない(JTBモチベーションズ社調査より)。社長とは、一般社員にとってかくも遠い存在なのだ。

なぜ、社長が遠いところにいると思うのか。理由は単純で「コミュニケーションがない、少ない」が25%(JTBモチベーションズ社調査より)、「こちらの仕事や状況を理解していない」が18%、両方を合わせるとざっと4割となる。

要するに、コミュニケーションがないから、自分の状況を社長がわかってくれていない、と感じる社員が多いことになる。

さて、この調査結果から中小企業は何を学ぶべきだろうか。確かに社員数が多ければ、物理的に一人あたりの社員に割ける時間は少なくなる。社長は一人しかいないのだから、社員が10人の会社と1000人の会社では、単純計算で社長の時間/社員数に100倍の差が付くことになるだろう。

逆にいえば、社員数10人の社長さんは、1000人の会社に比べて社員とコミュニケーションをとれる時間が100倍あるはず、ということだ。理屈はそうなるが、実際にはどうか。

社員とのコミュニケーションは、十分にとれているだろうか。日本電産の永守社長は、M&Aを行えば必ず、その企業に出向き、時間をかけて可能な限り多くの社員と食事を共にしながら話をするという。

それだけが原因ではないのだろうが、同社は、今回の世界的大不況を見事に乗り切り、業績は絶好調である。もちろん同社は従業員数にして500人など軽く越える。それでも永守社長は社員とのコミュニケーションを決して疎かにしない。

単純な話だが、社員とのコミュニケーションは、確実に会社を強くする。そして、社員とのコミュニケーションといっても、最も重要なのは社員の声を真摯に聴くことだ。