5月10日の数字:電池交換なら1分でOK

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電気自動車関連は、ビジネスチャンスの宝庫。
また一つ、新しいチャンスが広がったようです。

PEST分析→将来環境の予測

電気自動車の弱点はバッテリーにある。急速に改善されつつあるとはいえ、そもそも一回の充電で走れる距離が短い。しかも充電に時間がかかる。一回給油すれば400キロぐらいは走行できるガソリン車と比べて、まだまだ不便なのだ。

だからこそ、以前にご紹介したように、思いきってバッテリーなしで走らせるバスが登場したりもする。これはなかなか見事な発想の転換である。

つまり必ず停留所で止まるバスなら、重たくてイニシャルコストのかかるバッテリーは最初から積まずに済ませて、バス停で急速充電すればいいという考え方だ。バッテリーなら充電に時間がかかるが、このバスが積んでいるキャパシタなら急速充電が可能。これで次のバス停までなら十分に走ることができる。

それなら電気自動車もいちいち充電せずに、バッテリーごと積み替えればいいではないか。と考えたのがタクシー大手の日本交通だ。

「電池は交換方式を採用。専用施設で車両の下から充電済み電池が上がってきて約1分で自動交換する(日経産業新聞2010年4月27日付1面)」。

アイデアだと思う。これがマイカーの話となれば、交換用バッテリーとその維持費用を個人負担するのは、厳しいところ。だが、タクシー会社ならバッテリーはどんどん使い回していけばよい。イニシャルコストはかかるが、トータルで考えればコストパフォーマンスは高いはずだ。

では、この事例からは何を学べるのか。

今後、間違いなく普及する電気自動車関連ではビジネスチャンスがいくつもある、ということ。現時点で普及の制約条件となっているバッテリーとその充電まわりにチャンスがある。

この日本交通の例にならうなら、すぐに新しいビジネスが浮かんでくるだろう。すなわちバッテリーのレンタルである。現時点では『充電インフラの整備』が電気自動車普及のカギとなっているが、別にインフラを作らなくとも、充電済みバッテリーを手軽に積み替えることができれば、それで十分なのだ。

もちろん充電の高速化という手もある。スマートグリッドを使った家庭夜間充電の充実でもいい。これまた先日ご紹介したエネゲート社のように携帯電話を使って簡単に充電できる設備にチャンスを見出す企業もある。電池交換用の設備とか工具にもビジネスチャンスは転がっているんじゃないだろうか。