11月30日の数字:JTB国内200店閉鎖

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あのJTBが国内総店舗のうち2割を閉鎖するという。
その背景には、一体何が起こっているのでしょうか。

JTBのお話。「旅行業最大手のJTBは26日、11年度末までに国内の約2割にあたる200店舗近くを閉鎖する方針を固めた(→ http://mainichi.jp/select/biz/news/20091127ddm008020049000c.html)」。

JTBよお前もか、という思いが半分、やっぱJTBって腰が重いのね、という感想が半分。さらに個人的な経験がより複雑な心情をわき上がらせるのだが。

振り返れば25年前、4社受けた就職試験(面接)の中で唯一、本気で入れた良いなあと思ったのが、この会社だった。といってあんまりまじめに考えてはいなくて、面接解禁日だった10月1日(当時はそうだったのだ)に大阪駅から電話をかけたのだ。

すると「今日の分はもう埋まっているので4日に来て欲しい。すぐに東京に行ってもらうことになるかもしれないので、覚悟しておいてくれ」とかいわれた。一応、学歴が少しは効いたのだろう。が、最終重役面接であっけなくチョン、「君はバカボンド的なところがあるからサラリーマンは向いてないんじゃないか」なんて言われたわけだ。

話がそれた。

その後、就職した会社では出張の時の切符の手配は総務課がJTBさんに頼んでくれていた。切符を買うと言えば窓口は旅行代理店だったのだ。それから時は流れ、個人的にリアルな旅行代理店を使ったのはいつぐらい前に遡るだろうか。

最近はホテルを予約するなら、まずそのホテルのサイトである。そこで出されている価格と楽天トラベルを比べる、あるいは飛行機が絡むならANAのサイトで調べる。これが一番安く上がる。

新幹線だってエクスプレス予約ができてからは、それしか使っていない。みどりの窓口に並ぶのさえ嫌だ。海外旅行も同じ、自分で飛行機を予約して、ホテルも取ってしまう。旅行代理店なんていらんのですよ。

という時代の流れがじわじわ浸みだし始めて、いよいよ天下のJTBさんでも有人店舗を抱えておけるだけの余力が無くなってきたということなのだろう。そりゃ駅前の一等地にそれなりの見栄えのする事務所を構えるだけでも、とんでもないコストがかかるわけだ。

数年前に「これからはBrick to Click(リアルな店舗からネット通販)のシフトが起こる」なんて予言がささやかれていた。それから数年経って、その流れが本当になったというだけのことなのだ。ある種の予言は確実に成就するのである。

では、この先5年後ぐらいに成就する予言は何だろう? それは確実に飯の種になるんじゃないだろうか。

にしても、あのとき、もしまかり間違ってJTBに採用されていたら、私の人生、どうなっていたでしょう?