11月5日の数字:東京モーターショーの来場者数56.9%減

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予想を遙かに下回る入場者に終わった東京モーターショー。
この結果から何を読み取るべきでしょうか?

先日のエントリーで取り上げた東京モーターショーが、悲惨な結果に終わった。来場者は前年の約4割強、実に半値八掛けペースだ。先日のエントリーで「入場者数については、おそらく100万人に達しないだろうとの予測がある」と引用したけれど、これすらも甘い予測だったというわけだ。

入場者が大幅に減った原因を新聞記事は「前回に比べて開催日が4日少なかったことに加え、景気低迷で海外の乗用車メーカーの出展が3社にとどまったことが響いた(日本経済新聞2009年11月5日付け朝刊11面)」と書いている。

確かに開催日が減れば、来場者は減る。かっこいい外車の展示がなければ、それ見たさに来る客も減るだろう。が、これはいずれも副次的な要因じゃないんだろうか。

底流にあるもっと本質的な要因は、特に都市部の若年層で『クルマ離れ』が進んでいることだろう。クルマを買わない、あるいは免許さえ取らない若者が増えている。その理由はいろいろあって一概には言えない。

が、はっきりしているのは、以前のように高校を卒業したらとりあえず免許を取り、そこそこお金が貯まったら、まずクルマを手に入れる若者のパターンが崩れつつあること。このトレンドだけはほぼ間違いないはずだ。

もしかしたら欧米のメーカーは、事前のリサーチでこうした傾向を掴んでいたのかもしれない。だからあえてコストをかけて出展するメリットは薄いと踏んだ。主催者としても、従来通りあと4日開催期間を増やしたとしても、客が集まらないと考えていた。

と考えれば、辻褄は合う。もちろん、もっと大きな背景としてあるのが、日本の人口減、特に少子化による若者減だ。

ともかく戦後の日本経済を引っ張ってきた主要産業の一つ、自動車がどんどん売れなくなるのが日本の現状。方やお隣の中国は、まさに日の出の勢いだ。自動車の生産台数、販売数ともに今年、世界一になろうとしている。だからなのだろう、今朝の日経のトップ記事は、トヨタが中国に開発の拠点を新設する話だった。

高齢社会、人口減少社会とは、どういう姿になるのかを象徴しているのが今回のモーターショーなのかもしれない。といって何もペシミスティックになる必要などさらさらない。

かつて栄華を誇った国が、どのように没落していったのかは、誰もが歴史から学べる。学べるということは、没落しない選択肢を見つけることもできるということだ。今こそ歴史から学ぶ重要性を強く感じる。