10月30日の数字:EC市場、年間1兆円の成長に

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EC市場が着実に成長し続けています。
ネット通販はこの先、どんな展開を見せるのでしょうか。
「2006年度が4兆4000億、07年度が5兆3000億、そして08年度が6兆2300億と推計(日経MJ新聞2009年10月7日付7面)」されているのが、日本の電子商取引(EC)市場である。毎年、ほぼ1兆円ずつ市場規模がふくらんでいる。

もちろん、今の日本でこんな成長を示しているマーケットは、他にはない。市場ライフサイクル的にみて、どの段階だと見るか。記事では「成熟期に突入」と捉えているようだ。筆者はまだまだ成長期だと思う。ここのとらえ方は、経営判断を下す場合には決定的に重要なポイントだ。

仮に成熟期と見るなら、市場ではすでに淘汰が始まりつつあることになる。シェアの小さな企業、差別化を打ち出せないところは脱落して行かざるを得ない。が、少なくとも日本のEC市場は、まだそこまでのレベルには行き着いていない。まだまだ、これからではないか。

理由は二つある。全体的な人口減は始まっているものの、ネットリテラシーのある人口は、今後もまだ増えていくからだ。総務省の調査によればネットの人口普及率は75.3%に達しているという(→ http://is702.jp/news/549/)。

とはいえ、ネットを使う人とネット通販を使う人の間にはまだまだ乖離が見られるはずだ。ネット通販ユーザーの伸び代はまだまだあると見る。

もう一つの理由は、ケータイの進化である。特に30代以上ではケータイ通販でモノを買うことにはまだまだ抵抗感を持つ人が多いはずだ。その最大の理由は、ケータイの操作性になじめないからだと思う。ところがケータイは高速化、リッチコンテンツ化、大画面化、操作のイージー化がまだまだ進む。

iPhoneがなぜ、あれほどまでに人気を集めているのかを考えれば、ケータイの今後のトレンドは明らか。実際に、すでにケータイとネットブックの中間形態のようなデバイスが出始めている。そうなれば主婦層がケータイ通販マーケットになだれ込んでくるだろう。

あるいは50代後半以降の方々も、もっとネット通販を使うようになるだろう。売るべきものをもちながら、それをターゲットにうまく伝える術を持たなかった企業には、これから大チャンスが巡ってくると思う。と同時にこれまで自社のターゲットはこういう人たち、と限定していたところも、新たなターゲットを創造できる可能性がある。

ネット通販は、まだまだこれから伸びるのだ。