ビー・ゼン社長日記 vol.3(大型機械の分解図・パーツリスト 前編)

機械製品を販売し、それをメンテナンスしていくためには、分解図・パーツリスト(機械製品をネジ1本のレベルまでばらした状態にし、それを一定の法則に則って各々の部品が組み合わさる関係がわかるように並べて描いたイラストと、それに対応した各部品の品番や価格等の情報をリストにしたもの)は必要不可欠な資料であろう。

現在弊社がパーツリストの発注を頂く多くのメーカーは、業界でのシェアも高く、業界のリーダー的立場でもあり、加えてアフターサービスに関わるコンテンツも充実しているところが多い。

製品の製造ラインは「軽量」「コンパクト」「高速」が今の主流である。
使用頻度や可動時間が増せば調整等のメンテナンスも必要だし、消耗品の破損などで交換部品が必要になってくるのは機械の宿命である。
血の通わない機械でも多くの部品には寿命がある。

製品をベストコンディションで使っていくためには取扱説明書は不可欠だし、メーカーとしては商品の信頼を高める上でも、修理が必要になった時に部品供給を円滑に行なうためにはパーツリストも同じく不可欠である。
そこで重要になってくるのが修理マニュアルやパーツリストであり、加えて「その修理マニュアルは分かりやすいか」「そのパーツリストは正確か」である。

販路やメンテナンス範囲が海外にも及ぶような場合、現場では診断に掛かる時間もかかり、対応にあたる人員の効率も大きな負担となってくるのが現実問題だ。

昨今の景気が低迷するなか、メーカーの開発にかける経費が削減され、新製品は減少。
今後予想される事は設備投資も後回しとなり、結果以前の様なサイクルでの新規製造も減ってくる。
すると、今稼動している生産ラインを今後も引き続き使い続ける可能性が高い。
そして、生産ラインに限らずあらゆる製品の修理、メンテナンスの要請が増えていき、担当者も現場での対応や修理・メンテナンスの機会が増えていくと思われる。

一旦機械が本来の性能を失うと、客先は修理に掛かる費用よりも、機械を止める時間を問題とする。

本来、取説やパーツリストは量販された全ての機械に必要な物であり、危機管理の一つとして転ばぬ先の杖的なものであるが、実際はサービスの現場からの要請で必要とされることが多い。
特に販売台数が多く、販売エリアが広いメーカーがより必要としている。
その結果購入者の立場としては、製品の販売価格が同じで性能に違いが無い場合には、アフターサービスの質が購入の決め手となる。

先日、去年の11月より進めていたパーツリストを無事納品することが出来た。
実際にどんな行程であったか。。。中編に続きます。(福島)