コンフォートシューズ「2ball(ツヴォル)」
8月3日の数字:白金使用量13分の1に
- 2009/08/03 05:00
- 投稿者: takebayashi
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さらに、ナノテクによる「サイズ効果」を使えば、白金代替素材も見つかる可能性が。
朗報である。慶應義塾大学の山元教授らが開発した白金粒子は、触媒としての性能が従来の10倍以上にもなる。これを「燃料電池の電極に応用すれば、市販の触媒を使う場合に比べ最大で約13倍の電流を取り出せる(日経産業新聞2009年7月27日付12面)」という。
これがなぜ朗報なのか。白金はレアメタルだからだ。しかも産出国が限定されていて、南アフリカが世界全体の約75%、ロシアが約17%。この二国で世界の9割を占めている。
一方で白金には極めて重要な用途がある。燃料電池だ。燃料電池自動車も次世代自動車として重要なオプションの一つ。しかし仮に燃料電池自動車を大量生産するとなった場合には、白金がボトルネックになる可能性がある。今回開発された白金粒子は、白金がレアメタルであるが故に抱える問題を解決する一端となるだろう。
注目すべきは、これがナノテクの成果だということ。ナノテクにはほかにサイズ効果も期待できる。サイズ効果とは、ナノレベルまで物質を細かくすることで、物質の性質が大きく変わることをいう。
金は通常なら極めて不活性、すなわち化学的に変化することはないが、ナノレベルまで細かくすると話は変わってくる。水に溶けるし、色も赤くなる。このサイズ効果を活用すれば、白金と同じ触媒効果を持つ物質を探し出すことが可能だ。
実際、東京大学にはこの研究に打ち込んでいる准教授がいる。あるいは金属原子を「のり」として使い、異素材を常温で接合する技術が開発された、なんて記事も前掲紙にあった。真空度1兆分の1気圧という超高真空状態をつくって、チタンなどをのりとして異素材を接合する技術だ。
こちらを開発したのは東北大学の准教授。昨年末から集中的に大学教授を取材して回っている中で「この人、おもしろいことやってる」と感じるのが、理系(特に工学系)の准教授クラス。特にエネルギー、エコ関連でユニークな研究をしている人が多い。
産学連携を狙うなら、意外にこうした若手の准教授クラスをターゲットにするのがいいのかもしれない。