仁張工作所:多様な顧客ニーズに応える箱物板金加工

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先日、東大阪市にある㈱仁張工作所を訪問させて頂いた。訪問の目的は以前から同社の優れた経営スタイルが多くのメディアで紹介されているのを見て、一度、現地にお伺いし、直接お話を聞かせて頂こうと思ったからである。因みに同社は、中小企業白書に“優良企業事例企業”として紹介されたり、東大阪商工会議所「優良企業表彰」受賞など、数々の栄誉に輝いている。また、2008年には経済産業省「知的資産経営の開示ガイドライン」に基づく“知的資産経営報告書”を発行している。

同社の誕生は、1964年10月1日、折りしも東海道新幹線が開通した日である。金庫製作メーカーに勤めておられた先代社長(現会長)が独立して創業。1974年に法人化。その後現社長の仁張正之さんが引継ぎ、組織つくりに着手。以後、改善提案制度の導入やマーケットイン志向の経営スタイルなどを採用し、経営改革を図って来られた。

大量生産ラインを抱える大手メーカーでは採算が合わず、小さな町工場では技術的に難しい別注スチール家具のニッチ市場で、こだわりのモノづくりを通して培った技術力とコスト対応力を発揮し、日夜、新たな進化に挑み続けてきた。そして、顧客の多様なニーズに応えて、郵便局の仕訳棚、消防署の防火ロッカーなど、特色ある製品を手がけ、最近では、自社オリジナル製品である貴重品ロッカー、スポーツロッカー、スチール家具等を開発し、インターネットを通じて販売されている。

同社は事業領域として、あくまでも板金加工主体に事業を行っていく方針で、受注生産以外の自社製品の販売にも注力している。自社製品は顧客から特注で開発した製品の中から一般にもニーズがあると思われるものを選び、自社ブランドとして進化させ、自社ホームページ上で紹介し、販売している。SEO対策を重視していることもあり、ホームページのアクセスは千件/日を超え、ホームページを通じた受注は現在15%にも上る。

同社がこのように多様な顧客ニーズに応えられる背景には、優れた生産体制とそれを支える品質管理の裏づけがある。生産面について言えば、提案、設計、切断、プレス、組立、塗装、仕上げ、完成までを多品種変量体制の下、一貫体制で行っている。また、同社は完成品を提供できるメーカーである。
これは東大阪の企業間ネットワークに支えられている。

例えば、博物館などでよく見かける展示ケースの場合(下記の写真)、同社が保有しないフローガラスや機密性を維持するためのゴムパッキン、蛍光灯、など、他社による供給と協力に支えられている。

品質管理面では、2001年より、小集団活動をスタートさせ、改善提案制度の導入、QC7つ道具の駆使などにより、QC活動を活発に行って来た。改善提案は年間1000件にも上る。これらの効果は金額に換算し評価している。

同社は、その他、環境対策にも注力。エコアクション21を取得、毎年、環境活動レポートを作成している。また、65歳までの継続雇用を促進、これにより古参社員から若手社員への職人的技能の伝承にも役立てている。

by 八木: http://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/

 

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  同社の製品
「展示ケース」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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社長の
仁張さん 

 

 

 

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