懐話ふだ
第14回BMBインタビュー[イメージマーケット]
- 2009/04/02 13:00
- 投稿者: kawamoto(oidc) カテゴリ:BMBインタビュー
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Change Happy!「カブリモノ」を被ってハッピーに変心!実はそこにはカブリモノの不思議な力が・・・。
BMB隊は謎を解き明かすべく、カブリモノ作家のチャッピー岡本さんを奈良に訪ね、突撃インタビューを敢行しました。
BMB:およそ1年前になりますが、チャッピー岡本さんには第5回のBMBオフ会で展示会用のカブリモノ(バイザー)特別パックをご提案していただきましたね。
チャッピー岡本:そうでしたね。このカブリモノの面白さは実際に被ってもらわないと分からないんです。BMBオフ会でも皆さんに被ってもらって後の懇親会が非常に盛り上がりましたけど、それを実感してもらえたというところが一番良かったかなと思っています。
その時にいろんな方と名刺交換させていただきました。その中にマッチングさせてもらった株式会社エンジニアの高崎さんもいらっしゃったのですが、帰って見てみると高崎さんから3枚も名刺をいただいておりました(笑)。それぐらい「面白い!」「作りたい!」という熱意が伝わってきましたね。その後打合せさせていただくと、販促用なのでそんなに数はいらないということでしたので、半分程の制作費で作らせていただきました。
BMB:完成までの高崎さんとのやり取りというのは、どんな感じだったんですか?
チャッピー岡本:最初にラフの段階で数点アイデアスケッチをお見せしました。最初はネジザウルスが頭に噛み付いているようなイメージもありましたが・・・(笑)、高崎さんと何回かやり取りしてこの形になりました。もともと“NEJISAURUS”のロゴはありましたので、より目立たせるカラーリングと恐竜に凄みを持たせてインパクトを高めました。
BMB:報告によると展示会でのウケもよかったようですね。でも、高崎さんのブログにもありますが「シャイな社員は未着用」みたいに、恥ずかしがり屋は、ちょっと被るのに勇気がいりますよね。
チャッピー岡本:それは最初だけです。被ってしまったら自分で自分の姿は見えませんからね。でも周りの人は“何か面白いな”と思って好意的に寄ってきますから、自分も好意的に接する事ができるわけです。その時には恥ずかしいという感情はどこかに行っていますね。
BMB:なるほど!カブリモノのそういう心理的な作用というのは、どう説明できるんでしょうか。
チャッピー岡本:カブリモノ自体が人間の変身願望を満たすものなんです。“もっと新しい自分になりたい”とか“できる自分になりたい”とか向上心を持った理想の自分に近づきたいという・・・。そういう心理的な“スイッチ”を入れるものとしてカブリモノがあるわけです。
BMB:それが展示会でよく使われる法被とかお揃いのスタジャンではダメなんでしょうかね?
チャッピー岡本:ダメですね!着るものじゃなくて頭に付けるものが人格を変えるスイッチなんです。それは“面”というものが世界各地の祭りや舞台で使われていることを考えればよく分かることですけど、自分もテンションが上がりますし、周りの人にも楽しんでもらえるというところがカブリモノの良さじゃないでしょうか。
BMB:カブリモノの成功に気を良くしてか高崎社長、BMB上でアンケート投票をされて、ネジザウルスに目をつけるという次の展開に移っていくわけですが、チャッピーさんもアドバイスされたんですか?
チャッピー岡本:ええ、私も面白い取り組みだなと思いましたので。ただ・・・目を付けるのはいいけれど、あからさまに“目が付いてます”というのじゃなくて、ぱっと何気に見たら「あ!これ目ーやん」と気づかせるみたいなデザインのほうがいいんじゃないですかというアドバイスはしました。結局、「N」と「S」が組合わさった、さりげなさの中にもウィットの効いたデザインに仕上がりましたね。
BMB:チャッピーさんみたいな善意のアドバイスが多数寄せられたと思いますが、BMBのようなデザイン関係の専門家が集まっているところで客観的に見てもらうというのは大事ですね。
ところでこのネジザウルス、タレントの所ジョージさんが「世田谷ベース」という雑誌で「すごい工具だ!」と褒めているのを高崎さんがブログで取り上げられていますよね。
チャッピー岡本:これは本当にラッキーですよね!雑誌で取り上げてもらったお礼に高崎さんが工具一式を送ったり、所さんから世田谷ベースのTシャツやステッカーが送られて来たりと、何回かやりとりがあったようですね。その後、高崎さんからネジザウルスなどが入った工具一式をギフトパッケージにしたいという依頼が私の方にありました。所さんからお歳暮にしたいという発注があったそうです。
BMB:なんだか“わらしべ長者”みたいにトントン拍子ですね。パッケージはどういうコンセプトでまとめられたのでしょうか。
チャッピー岡本:所ジョージさんが贈るものですから、一工夫も二工夫もある遊びゴコロのあるパッケージをという高崎さんのリクエストでしたので、「工具ボックス」のようなパッケージを考えてみました。コンセプトはズバリ“捨てないパッケージ”です。パッケージは商品が届けられた段階で捨てられ、ゴミになってしまうものですが、中敷を入れて二段にしたり、持ち手をつけたりと段ボールに工夫を凝らすことで工具の収納と持ち運びのしやすさをアピールしています。
今回のやり取りはまだ、商売的にはそんなに利益は上がっていませんが、そういう人と人との関わりができるというところでは、BMBは面白い貴重な場ですよね。それと、会員どうしが会って話せるオフ会があるのはいいですね。
BMB:ありがとうございます。このインタビューも大事な気づきとして発信していきたいと思います。それでは、カブリモノ作家としての日々のお仕事についてお聞きしたいのですが。
チャッピー岡本:私は一枚のシートを構造に仕立てるという考え方が好きで、その応用がカブリモノであったり、段ボール家具であったり、パッケージであったりするわけです。全部一枚のシートを立体にするという点では同じです。
カブリモノの製作では、例えばソニー・プレイステーションの紹介ブースでこどもたちに配る販促用カブリモノをデザインしています。安く作るために素材は紙です。
他に動物園、緑地公園(オリエンテーリングなどのゲームで使う)、スポース応援グッズなどのカブリモノをウレタン素材で作っています。基本的にOEMですが、シカバイザーなどのオリジナルカブリモノはネットで小売りしていますので、欲しい人は買えます。
話は戻りますが、「カブリモノ変心塾」という教室を行っていまして、ショッピングセンターの集客イベントや美術館・博物館のアートイベントなどとして参加者の年齢を問わないワークショップを全国でやっています。カブリモノの型紙があるんですが、最初に色を塗って(塗り絵にはカラーセラピー効果があります)切り抜いて、自分のオリジナルカブリモノを作って変身するという。こどもたちはむちゃくちゃ盛り上がりますよ。闘いを挑んできますからね。でも一番受けているのは一緒に参加したお父さんです。
上は保育教材メーカーと開発したかぶりもの紙工作キット
最後に、最近サイト(ダンボール倶楽部)をリニューアルしたんですが、ダンボール家具の紹介を。売れ筋は就学前のこどもが初めて使う机と椅子のセットです。耐水性ですし、色も塗れるし、シールを貼っても怒られないし、軽量ですし、角が当たっても痛くない。いらなくなったらリサイクルもできるという優れものです。強化ダンボールを使っているので一般ダンボールの10倍の値段はしますが耐水性の丈夫な本棚もありますよ。一度使ってみるとその価値は分かります。
BMB:どうもありがとうございました。いろいろと面白い話が聞けて私も勉強になりました。またオフ会にも遊びに来てください。
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