雪国

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乗っている路線や場所は違うけど、国境の長いトンネルを抜けるとそこは雪国でした.
聞くと昨日からの雪だそうで、今シーズンでは最もまともな雪だそうです.

打ち合わせの後、取材で製紙所にてお話を伺いしました.
秋のイベントに関するもので、越前よりでた天皇の即位1500年を記念したものです.
その方によると元々この地方は、大陸より当時の最先端の技術が色々と入ってきており、この地は陶器、鋳物、織物、製紙など産業の一大集積地だったのではないか、とのこと.
なのでこのイベントを単なる打ち上げ花火にするのではなく、地方のものづくりの起爆剤になる様にしたいとして、「ものづかい」をキーワードにして色々企画されていました.
和紙は4世紀頃に日本に伝えられたといわれ、元々楮の繊維で出来た布が起源と言われています.そこから時代時代に改良が加えられていき、鳥の子や檀紙などが生まれてきました.
現在、越前で作られている和紙も9割程が大正や昭和の時代に開発されたものだそうで、同じ和紙といってもどんどん使いながら変わってきているそうです.
そのように、単に古い技術を守るだけではなくその物をいかに「よく使う」かによって、物づくりがさらに良くなってくる、というのがその方の意見でした.
流れの早い川の水は澄んでいますが、淀んだ水は濁ってくるということでしょうか.
単に作りっぱなしではない、攻めの伝統産業の姿勢が出てくれば面白いと思います.

お話をおうかがいした後ろの本棚には、日本書紀や徒然草など古今問わず有名な書物のレプリカがありました.全てこちらの製紙所でレプリカ用の紙を漉いたそうで、研究者もまず見れないそれぞれの原本を間近で観察して研究したそうです.ううむ.