沖縄とデザイン(1)「再出発」

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「沖縄からデザインで再出発」
沖縄といえば、島国、日本の最南端、琉球王国、第二次世界大戦地上戦、米軍基地というイメージですが、私にとっては「デザイナーとしての魂の故郷」なんです。
4年前、一度デザイナーを辞めて、大阪の中央区で「青少年更生活動をするサポート高校と寮」の経営をしておりましたが、生徒の半数が同時に問題を起こす騒ぎがあり、責任をとって辞職しました。数年間の激務に疲れ果てていた私は、同時に所属していた教会の沖縄支部に伺い、そのまま6ヶ月滞在することになりました。休養でしたが、じっとしておられず沖縄の文化や歴史、産業を調べてまわりました。
初日の夕方でした。那覇の市役所の産業紹介コーナーで”美しい緑色の生地”に出会ったのです。それは”ウージ染め”という生地で、約10年前沖縄の産業の発展のため、地元の主婦の方が開発した染物だという事を思い出しました。生地を見た瞬間、インスピレーションが浮かびました。「この生地で照明デザインをしたい!」。翌日からリサーチを初め”ウージ染め”、照明のデザイン資料を集めたんです。
暇ですから2日間でリサーチを終え、持参したPCで”ウージ染め”の協同組合に向けた”照明デザイン”のプレゼンテーションを越しました。役所で入手したパンフレットの連絡先に電話し、アポイントを取り、協同組合に出かけました。名刺がありませんでしたから、理事長の方に履歴書をお見せして、照明デザイナーと説明して4種類のデザインプランを提出しました。すると理事長さんは「やってみましょう」と即決して下さいました。丁度、照明を含む新しい企画を考えておられたそうです。その時の作品はサトウキビ(ウージ)の幹をモチーフにしたペンダント照明で、那覇のデパートや東京の見本市展で展示されました。名前は"ウージの森"その時の作品がこれです!

指定の生地は麻で、楕円のフレームを傾けて、幹の節のようにしましたがゴワゴワ感がフォルムを荒くしてしまいますが、かえって自然感があり沖縄っぽくなったかなと思ってます。材料の仕入れや加工が大変で、フレームは溶接屋さんで加工、生地はカリユシの工場で縫製して頂きました。配線や電球はメイクマンです。(~_~)この作品を切っ掛けに、沖縄との交流が始まりました。
6月のBMB企画展で、新しい”ウージ染めのコラボ照明”と”琉球びんがたLEDコラボ照明”を2回に分けて展示させて頂く事になりました。是非、見に来て下さい。凡十郎
「BMB企画展inクリコア」
クリエイション・コア東大阪(東大阪市荒本北50-5)にて、2010年6月1日から30日まで開催。
内容・琉球びんがたLEDコラボ照明 6月1日~15日・ウージ染めのコラボ照明 6月16日~30日
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