5月13日の数字:年間販売台数1600万台

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自動車マーケットで、中国が世界最大の市場となるとき
何が起こるのか?
今から、どう備えればいいでしょうか。

Price:半値八掛け時代の幕開け

コストダウンを考えるんやったら、3%じゃあきまへん。3割削ることを考えなはれ。丸出しの大阪弁でしゃべったかどうかはともかくとして、これが松下流のやり方だと聞く。

3%なら、現状の延長線上で何とかなるかもしれない。しかし3割となると、ゼロベースで考え直さなければならない。だから3割を目指すのだ。そんな教えである。

ところが3割カットでも、勝負にならない世界が目の前に迫ってきているのではないか。中国である。

今や世界一の新車販売台数を誇る「中国の来年度新車販売台数は今年、前年比2割増の1600万台以上に増える見込み。さらに中国政府系シンクタンクの国家情報センターの徐長明シニアエコノミストは「中長期的には3000万台に増えるだろう」と予測する(日経産業新聞2010年5月11日付1面)」

販売台数が世界一であるなら、いきなりすべてがとはいかないにせよ、いずれ中国が一つの基準にならざるを得ない。つまり中国産自動車の価格に合わせることが、全世界の自動車メーカーにとっての至上命題となるわけだ。

もとより、こうした流れを日本のパーツメーカーも読んでいる。あるメーカーの社長さんは「半値八掛けの世界がくる」とおっしゃっていた。あるいはデンソーなどは「コストハーフ実現」なる用語を、株主に対する説明会で使っている(デンソーpresentation-2010_0428.pdf、13ページより)。

デンソーがコストハーフを実現しようとすれば、何が起こるのか。当然、デンソーの仕入れ先に対しても、それなりのリクエストが出されるだろう。と同時に、新しい調達先探しにも動くだろう。そのとき「我が社はいくらがんばっても、せいぜい5%ぐらいしか価格を下げることはできません」としか言えない状況を、いかに未然に防ぐのか。

ゼロベース思考、逆転の発想、イノベーション……。いろいろな考え方はあるが、いずれにせよ、はっきりしていることは、非連続的な思考が今ほど求められている時代はない、ということだ。