2月12日の数字:労働時間管理が難しい60.9%

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労働の成果を何で評価するのか。
時間なのか、成果なのか。
これは永遠の課題なのかもしれません。
在宅勤務のお話。「在宅勤務制度を導入した企業の人事担当者の60.9%が『労働時間管理のしにくさ』を在宅勤務制度の課題にあげ、『実績評価のしにくさ』の47.8%を上回った(日経産業新聞2010年2月12日付18面)」

しかも「企業にとって心配なことは、在宅勤務者が知らないうちに残業してしまうことだ(前掲紙)」という。勤務時間と勤務時間で出すパフォーマンスを適切に評価する仕組みは、未だにできていないようだ。

確かにパフォーマンスを正確に測ることは難しい。裁量労働制が採用された場合の、最大の問題点もこの点に尽きるのだろう。だが、逆からみればどうなるか。

筆者は幸か不幸か、自営業である。クライアントからいただいた課題(それは原稿であったり、企画書であったり、時にはホームページだったりするわけだが)を完成すれば、対価をいただくことができる。課題達成にかけた時間と対価は、基本的に無関係だ。

もちろん、手間のかかりそうな仕事の場合は、ある程度対価を考えていただくよう最初にお願いする。しかし、予想以上に時間がかかったからといって、その分お金をたくさんくださいなんてことは口が裂けてもいわない。

できなかったのは自分の能力が足りないか、仕事の進め方が悪かったからだ。逆にいえば、ものすごく早くできたのでお安くしておきます、なんてこともいわない。

仕事って、そういうものだと思っている。プログラマーでも、優秀な人ほど仕事が早い。同じタスクを実行するコードを書くのでも、普通のプログラマーが1週間かかるところを、天才プログラマなら3時間ぐらいでやってしまうこともある。報酬が人工計算と決まっているなら、普通プログラマーの方がたくさんお金をもらえることになる。おかしい。

そうはいっても単純な事務仕事なら、そんなに差が出るものではないので成果報酬はなじまない、ともいわれる。しかし『無駄学』の権威が、ある大学で事務方の仕事ぶりに本当にムダがないかどうかをチェックしたところ、ムダだらけだった、なんて話もある。

時間ベースではなく、パフォーマンスベースで仕事を評価するようになれば、それこそワイフ・ワークバランスはもっと理想的な状態になると思うのだけれど。そんなに難しいのだろうか。