1月22日の数字:経営者の8割が人材不足を意識

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御社の次の幹部、順調に育っていらっしゃるでしょうか。
管理職になりたがらないミドルが増えている状況で
今後、経営幹部の確保についてどのように考えるべきでしょう。

管理職になりたがらないミドル層が増えているという。何となくわからないこともない。下からの突き上げは激しく、上からのプレッシャ−も厳しい。おまけに人員削減で、たいていがプレイングマネジャーを引き受けざるを得ない。

だからといって待遇が良くなるわけではないし、むしろ残業代カットの対象となるから手取りは減る。でも、我慢した、一昔前までは。なぜなら終身雇用を信じることができたし、それは年功序列の賃金制度とも連動していたから。

確かにつらいけれども、ここを乗り切ってもう一つ上のランクまで上り詰めれば、あとは何とか安泰だと。ところがあのJALでさえ倒産に追い込まれる時勢である。解雇されなければまし、雇い続けてもらったとしても給料も年金も大幅カットされる。

ましてや、うちの会社ぐらいの規模ならどうなるんだ?

と考える人が出てきても決して不思議ではない。しかも、昔とは違い、片側ではどんどん起業する人も増えているのだ。会社のために辛抱するだけのメリットが果たしてあるのかどうか。できる人、賢い人ほど、つまりは将来の幹部候補生としてふさわしい人ほどそう考えるのが当然ともいえる。

だから「経営トップの約8割が現時点で次世代の経営幹部となる人材が『不足している』と感じていることがわかった(日経産業新聞2010年1月22日付23面)』。

現状を農業革命、産業革命に続く第三の革命期と考えれば、これぐらいの変化があって当たり前ぐらいに受け止めるべきなのだろう。キャリアパスについても、起業に関しても、ちょっとがんばればありとあらゆる情報を手に入れることができるのだから。

経営陣として考えるべきは、次世代幹部をどう調達するのかではないだろうか。幹部は育てるだけではなく、外部からもどんどn招聘すればいい。ようやく日本でも労働市場の本格的な流動化が始まるのだろう。というよりもむしろ、意識ある経営者の方々が積極的に始めればいいのではないか。

そう考えれば入社からの教育・研修制度も変わってくるだろう。やる気のある人には、相当に仕事をしがいのある職場になるはずだ。逆に現幹部にしてみれば、外部によい人材が見つかりうかうかしていては自分の座が危なくなると思えば、日々の取り組み方が変わってくるのではないか。

あるいは「当社なら5年ぐらいで一応さまざまな部署を経験できるので、その後の起業をめざす方にはとても有利な労働環境です」とアピールすることで、有能な人材を招き寄せることも可能だと思う。それぐらいのダイナミックさが、これからの日本には絶対に必要だ。