12月7日の数字:ボーナス減、岡山12.3%、静岡13.5%

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今年の冬は、どこも厳しい状況になりそうです。
ボーナスが減る、というのが既成事実となっているようですが
来年はどうなるのでしょうか。

ボーナスが減るというお話。静岡県内企業の冬のボーナスは、前年対比13.5%減となる見通しだという(日経産業新聞2009年12月4日付19面)。引き続いて今朝の日経産業には、岡山県内企業で冬の賞与が12.3%減になるという記事があった(日経産業新聞2009年12月7日付19面)。

いずれも原因は昨秋来の景気低迷である。すなわちリーマンショックが未だに尾を引いているというわけだ。ただ、この見方には意義を唱えておきたい。

リーマンショックが尾を引いていると考えている企業の先行きは、本当に暗いのではないか。このブログでも何回か指摘したけれど、リーマンショックは尾を引くような影響を与えたのではない。あれは最後のひと押しとなったと考えるべきだ。

何の一押しかといえば、資本主義社会から次のパラダイムへとシフトする世界の根本的な変化の、である。リーマン前とリーマン後ではビジネス環境が非連続的に変わったという経営者の声をご紹介したことがある。そのとおりだと思う。

世界は変わったのだ。共産主義と資本主義の争いにケリが付き、それ以降は資本主義が恐ろしい勢いで膨張した。成長こそすべて、成長は善、あるいは成長がすべてを癒す。といえば、破綻したあの企業の事を思い出しはしないか。

もはや成長の限界が来ていることに、気づくべきだ。少なくとも日本国内では人が減る。この事実をしっかりと受け止めた方が良い。さらに資源の枯渇も現実問題となってきている。

ある企業が10年後までの事業計画を作った。10年後にはこれだけの規模になると目論見を発表したところ、ある筋から「そんな成長計画はありえない」とクレームが付いた。なぜならその企業の成長の前提となるレアメタルが、その企業の成長規模に見合うほど地球上には存在しないからだ。

これを笑い話としてしましてしまうのか、パラダイムシフトの典型例と読むのかで進むべき方向性は変わってくるだろう。今年の冬、やむを得ずボーナスを減らす経営者の方々に尋ねてみたい。

来年の冬、御社はボーナスを増額できるのでしょうか、と。増額できるためのロードマップは見えているのでしょうか、と。そして、今こそが考える力のある企業にとっては、団子レースから抜け出す絶好のチャンスであることに気づいているのでしょうか、と。