12月4日の数字:年間7000万本発売

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一昔前は一世を風靡していたカセットテープ。
その栄枯盛衰ぶりから、記録メディアについて考えてみました。

カセットテープのお話。「最盛期の82年には年間7000万本を出荷。当時の営業担当者は「販売店から何箱でも収めて欲しいと言われた。店頭に並べれば飛ぶように売れたから」と振り返る(日経産業新聞2009年12月1日付9面)」

ざっと成人一人につき一本は持っていた勘定になる。という話が通じるのは、いったい幾つぐらいまでの人なのだろう。ウォークマンが発売されたのが79年、今から30年前のことだ。この頃はカセットテープしか選択肢はなかった。

それから月日は流れ、MDウォークマンが出たのが98年。ということは、その頃中学生ぐらいだった人たちはもう、カセットテープを知らない可能性もある。今の年齢にして25歳ぐらいということだろうか。

という昔話をしたいわけではなく、ポイントは記録媒体の話である。筆者が学生だった頃にレンタルレコード屋が登場した。今から思えばこれは画期的なビジネスだったわけだが、それはさておき、取りあえず時間があればレコードを借りてはせっせと録音した。

一番多かった時期でたぶん、200本ぐらいはテープを持っていただろう。引越しのたびにその数は減っていき、今では仕事場に残骸のようなものが5本ぐらい残っているばかり。一応カセットデッキはあるので、それでかけてみると、これが無残なことになっている。ノイズだらけでほとんど何も聞こえない。

テープは劣化するのだ。本題はここからのアナロジーである。コンピュータのデータも、その昔はテープに記録していた。それが8インチの紙フロッピーディスクになり、コンパクトになり、さらにはプラスチック製(?)のディスクになった。

といっても通じない人のほうが多いのかもしれない。3.5インチのフロッピーディスクさえ知らない人がいるんじゃないだろうか。それがMOになり、CD-ROMになり、今はDVDだったりUSBだったら外付けのハードディスクだったりするわけだが、さて。

それぞれのメディアに記録されたデータはいったい、どれぐらいもつのだろうか。仕事のデータなどはいま、ほとんどすべてがネット上にある。具体的にいえばGoogleさんとDropboxさんに預けてある。一応バックアップは取っているが、日常使っているデータはすべてネットといっていい。

だから記録メディアはいらないともいえるのだが、それはあくまでも個人事業主だからいえることで、企業の場合はそうはいかないだろう。が、データを何かのメディアに記録するとして、何年先までを考えればよいのだろう。

逆に考えれば、仮に30年をメドとしたときに、そこまで確実に記録できるメディアがあるのだろうか? CDなんて数年もてば良い方だ、なんて話を聞いたことがあるのだけれど。