10月13日の数字:百貨店に行く回数が減った40%

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そういえば、この前百貨店に行ったのはいつでしょう?
もう、思い出すこともできないぐらい昔の話ではないでしょうか?

百貨店の話。「この1〜2年の百貨店の利用頻度を聞いたところ『行く回数が減った』と答えた人が40%『行っていない』も18%あり、消費者の百貨店離れが深刻なことがうかがえる(日本経済新聞2009年10月12日付朝刊)」

もう10年ぐらい前になるだろうか。日経ビジネス誌に「今後、10年ぐらいで百貨店は4グループぐらいに集約される」なんて記事があった。正直なところ、そんなんあり得へんやろって思っていたが、さて。その後何が起こったかはご存じの通り。

大阪では復活したはずの「そごう」がまた店を閉める。高島屋、大丸、伊勢丹ぐらいだろうか、昔のままで残っているのは。他は軒並みアウト、どこかに吸収合併されたり、提携したりとややこしい限り。例えば西武百貨店はどうなったんだ、と聞かれて正確に答えられる人がどれほどいるだろうか。

記事によれば百貨店は「長年、『小売りの王様』といわれていた(前掲紙)」らしい。今ではむしろ『裸の王様』じゃないんだろうか。みんな昔は百貨店に行けば、そりゃ百貨というぐらいだから、何でも良いものが揃っていると思っていた。

ところが今や百貨店に行っても、買いたくなるモノは何もない。これが多くの消費者の本音だろう。だから「百貨店に行かない理由では『買いたいものがない』(52%)『商品価格が高く満足できない』(44%)『スーパーの品ぞろえで十分』(27%)などが上位を占めた(前掲紙)」

かたやユニクロはどうか。日曜日などは満員御礼状態だ。しかも、その売上高は、例えばイオングループの約7分の1にもかかわらず営業利益はほぼ同じ。利益率が桁違いなのだ。ファーストリテイリングの売上高営業利益率は約16%、イオンが2.4%、高島屋も2.5%である。

イオンはともかく百貨店にはそれなりの接客があったという話もある。が、ユニクロではどんな客に対してもほぼ安定してフレンドリーな対応がなされるのに対して、高島屋あたりでは明らかに客を見る。ちなみに筆者なんかも足もとを見られる口で、だから余計に百貨店で買い物をしようなんて気にはならない。

そもそも百貨店に売っているものなど、たいていはネットで見つかるのだ。わずかに百貨店が生きながらえているのは現時点で60代以上の得意客がいるからだろうが、その先はもうないのではないだろうか。

良いものを何でもそろえているつもりで、良いお客様を相手に商売していたつもりだった百貨店の衰退からは、学ぶべきことがたくさんあると思う。