10月6日の数字:景気回復は10年以降

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漂い始めた楽観ムードとは裏腹に
大手企業の経営者は先行きにまだまだシビアなようです。

「日本経済新聞社がまとめた社長100人アンケートでは、世界景気の回復時期を『2010年度以降』とみている経営者が約7割を占めた(日経産業新聞2009年10月5日付1面)」

えっ! そろそろ景気は回復し始めていると思ったのは、錯覚か。例えばトヨタが生産計画を上方修正したり、期間工の雇い入れを増やしているといったニュースがあったはずだが。ということは、生産計画を変更したのは、元々の計画があまりにもシビアに絞り込みすぎていたからに過ぎないわけだ。

確かにマザーマシン業界は、未だに恐ろしいまでの落ち込み状況にある。森精機の社長さんなどは、今年度は前年対比半分ぐらいの売上げしかないとどこかでおっしゃっていた。その意味するところは設備投資がない、ということ。

どの企業もサブプライム以降は、超緊縮体制に一挙に走った。それが各国協調の景気対策によって、ほんの少しだけ緩みつつある。そのトレンドをもってマスコミは、景気は回復の方向に向かっている、と表現しているだけなのかもしれない。

もっとも中国のように政府が50兆円規模と巨額の投資を行い、それに従い地方政府もまとめれば中央政府投資とほぼ同額といわれる投資を敢行することで、いち早くテイクオフ状態に入ったところもある。

日本にとっては隣国のこの動きが、大いに助けになっていることだろう。もっとも中国の場合は、その財源をどうやって手当てしたのだ、という疑念が残るわけで、それが次の火種にならないことを祈るばかりだけれど。

いずれにしても日本を代表する企業100社が未だに、世界の景気動向についてシビアな見通しをもっていることは、頭に入れて置いた方がいい。国内よりも国外動向に業績を左右される企業が多いのだから、それは回り回って国内の消費者の可処分所得に影響を与えるはずだ。

では、大企業がそうした見通しをもっているとして、中堅以下の企業はどう備えるべきなのだろうか。多くのトップ企業経営者が回復時期については「10年4月以降(前掲紙)」と答えている、つまりあと半年先である。

それなら、この半年を奇貨として徹底的に社内強化を図られてはいかがだろう。トヨタ流改善の導入やコストの徹底的な見直しといったプロセス系の改善があれば、手持ち戦力の徹底強化として社員研修に時間を割くのも一案だ。

いずれにしても景気が回復したときには、その波の先頭に乗れるだけの体制を作るのに半年ある。御社は、何をされますか?