9月15日の数字:環境市場年間90兆円規模に

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環境関連で巨大なマーケットが生まれそうだ。
中国の話。「米大手家計事務所のプライスウォーターハウスクーパースは中国で環境ビジネスが数年内に最大で年1兆ドル(約90兆円)の市場規模に育つとする調査結果をまとめた(日本経済新聞2009年9月14日付夕刊2面)」

90兆円といえば、日本の国家予算並み。「2013年には中国の国内総生産の15%を占めるとの試算も示した」という。つまり、2013年には中国のGDPは600兆円になっているわけだ。日本が2008年度でだいたい500兆円である。

いずれにしても中国の環境マーケットが今後、とんでもなく急成長するというのがPwCの見立てだ。もう10年ほど前になるが、中国・大連と上海で開催された環境会議を取材したことがある。ついでに大連の火力発電所、太原の火力発電所(主に脱硫装置)、上海の環境局の偉いさんたちから話を聴いた。

皆さん、口を揃えておっしゃっていたのは「中国の環境をこのまま放置すると、取り返しのつかないことになる」だった。太原などは、一日中粉じんが舞っているために町が暗い。上海ではみんなが平気で川にゴミを捨てるために、とんでもない状態になっている。もっとも、これにははっきりした原因があり、要するに人口増にゴミ収集システムがついて行けていないのだ。

とにかく環境については問題だらけ、だったのだ。それから10年経ち、さらに状況は悪化しているだろう。ということは、問題解決が何よりも求められていることになる。すなわち環境マーケットは確実に存在する。

ここで中国は環境後進国ならではの恩恵を受ける可能性が高い。すなわち固定電話が家庭に普及する前に一気に携帯電話が行き渡ったように、あるいはインターネットが電話線やISDN経由ではなくいきなり光ファイバーブロードバンドになったように。

電球がいきなりLEDになれば、自動車がハイブリッドや電気自動車になれば、ヒートポンプが急激に普及すれば、どうなるか。関連産業には巨大な需要が生まれることになる。こうした最先端分野は、まだ日本が圧倒的にアドバンテージを保っているのではないか。

もしかしたら、環境をキーワードに第二(第三か?)の中国進出ブームが起こるのかもしれない。